赤旗2018年3月18日付
学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐる公文書改ざんに対する国民の怒りが沸騰し、抗議行動が全国で空前の広がりをみせるなか、日本共産党の小池晃書記局長は17日、東京都大田区のJR蒲田駅前で開かれた緊急街頭演説で、国会論戦で明らかになった改ざんの背景にある“首相案件”隠しを告発し、「国民のたたかいと野党の結束の力が安倍政権を追い詰めた。この力で真相の徹底究明を行い、そのことを通じて内閣総辞職に追い込もう」と訴えました。藤田りょうこ都議、清水菊美大田区議も訴えました。
寒空の下、聴衆の輪はぐんぐん膨らみ、演説の随所で拍手と声援が飛び交いました。雪谷民商の五十嵐肇会長が「今回の財務省の改ざんは、政治家への忖度(そんたく)以外の何物でもない。トカゲのしっぽ切りは許せない。税金は私たちの暮らしに使うべきだ」と怒りの思いをぶつけました。
小池氏は、共産党の辰巳孝太郎参院議員の追及により財務省の太田充理財局長が、安倍首相が自身の進退に言及した国会答弁が改ざんに影響したことを認めたことに触れ、「事態は重大かつ深刻な段階に来た」と強調しました。
安倍首相が14日の参院予算委で「書き換え前の文書を見ても、私や私の妻が関わっていないことは明らかだ」と強弁したことについて小池氏は「およそ成り立たない」と批判。改ざん前の文書に、学園側の言葉として首相の妻昭恵氏が「いい土地ですから、前に進めてください」と述べていることを指摘。「安倍首相は“妻に聞いても『前に進めて』とは言っていない”といったが、最大の利害関係者同士の家庭の中での発言には何の意味もない」と断じ、「2人の会話でやりすごすことは絶対に許されない」と訴えました。
小池氏は、太田理財局長が、改ざんしたことを佐川宣寿前理財局長が「知っていた」と答弁したものの、「佐川氏には聞いていない」としていることについて、「刑事責任に問われるかもしれないことを本人に確かめもしないのか。なぜ聞かないかと問われても『退職したから聞けない』という。ならば国会に呼んで真実を語ってもらうしかない」と述べました。小池氏は、佐川氏を含め、財務省との連絡役で昭恵氏付きだった政府職員・谷査恵子氏、当時の財務省理財局長だった迫田英典氏ら疑惑の当事者をすべて証人喚問し、国民の前で真相究明するしかないと訴えました。
文部科学省による前川喜平前事務次官を招いた授業への圧力や「加計学園」問題をめぐる文書の改ざん疑惑、リニア新幹線での談合疑惑など、安倍首相周辺で次つぎと疑惑が持ち上がっていることを指摘し、「国政を私物化し、憲法を踏みにじっているのが安倍政権だ。憲法を変える資格などひとかけらもない」と主張。「私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員も辞める」とした昨年2月17日の安倍首相答弁を強調し、「言葉通り総辞職を」と訴えました。