赤旗2018年3月16日付
「医師の働き方改革」が厚生労働省の有識者検討会で議論される中、全国保険医団体連合会(保団連、住江憲勇会長)は15日、医師の働き方の改善を考えようと、国会内で集会を開きました。150人が参加。
住江会長は開会あいさつで、診療報酬は医師の労働や養成、確保などを財政的に保障する重要なものだとして「2018年度診療報酬改定の基本方針に報酬アップへの政府の努力目標を盛り込むべきだった」と指摘。「働き方改革」でもそういった議論が必要だと強調しました。
埼玉県済生会栗橋病院の元院長補佐で医師の本田宏さんが講演し、日本の医師数はOECD(経済協力開発機構)加盟国平均より10万人以上不足していると指摘。そのため長時間労働による過労死・自殺で患者の安全にも影を落としている現状を報告しました。長時間労働是正の実効的な対策として、医師の増員などが必要だと語りました。
全国医師ユニオンの植山直人代表は「勤務医労働実態調査2017」から、医師の勤務環境に大きな問題があると報告。当直明けの連続勤務によって8割の医師が集中力・判断力の低下したと答え、7割で診療上のミスが増加したと答えたと紹介しました。
日本共産党から小池晃、倉林明子、武田良介、山添拓の各参院議員が参加。小池氏は「医療現場は過酷で、医療の安全性のためにも長時間労働の是正は待ったなしの課題。社会保障費の削減をやめ、診療報酬の大幅引き上げとあわせ、真の改革実現のために力を尽くす」とあいさつしました。立憲民主党、希望の党の国会議員も参加しました。