赤旗2018年2月28日付
長時間労働や過労死を促進する「働き方改革」一括法案などをめぐり、27日、与野党の攻防が続きました。データ捏造(ねつぞう)などで土台が崩れた同法案の提出を狙う政府、与党に対し、共産、立民、民進、希望、自由、社民の6野党は一致して、「国民の生活と命にかかわる」問題である裁量労働制についての再調査や法案提出見送り、「森友・加計」疑惑での証人喚問を要求。26日は深夜まで断続的に開催された与野党書記局長・幹事長会談に続き、27日も与野党の折衝が続きましたが、自民、公明両党が再度行った「回答」は野党の要求に何ら応えず、最後は与野党会談さえ拒否しました。(関連記事)
安倍晋三首相は27日、首相官邸で自民党の二階俊博幹事長らと会い、「円満な国会運営」を指示。ところが与党は同日、野党の要求に対する書面での「回答」で、「昨日(26日)お答えしたとおり」とし、裁量労働の再調査には一切言及がなく、法案提出の見送りについては「与党として考えがまとまれば結果をお伝えする」と明確にしませんでした。
森友・加計疑惑での佐川宣寿国税庁長官、安倍首相の妻・昭恵氏、加計孝太郎加計学園理事長の証人喚問も「引き続き現場で協議」とするだけで、全く応えませんでした。捏造や恣意(しい)的な労働時間に関する調査データについても、安倍首相は「データ自体を撤回することは適切ではない。まずはしっかりと精査する」(26日、衆院予算委員会)と居直っています。
6野党は27日に合同院内集会を開き、各党の書記局長・幹事長が「これからも一致団結してたたかいたい」と法案提出見送りを迫る決意を表明。同日の書記局長・幹事長会談では、「さらなる調査データの不備が明らかになっており、このデータについてはもはや政府の言う精査には値しない」と断じ、データの不備や答弁の撤回・謝罪がある中で、与党が法案について姿勢を明確にしないことは国民の「著しい不信感を招くもの」と批判しました。
日本共産党は集会後に国会議員団報告会を開き、小池晃書記局長は「この間の国会論戦で、裁量労働制の問題点が次々に明らかになってきた。国民世論でも裁量労働制について急速に反対の声が高まっている」と指摘。「何よりも野党6党が結束して固まったことが大きい」「重要な野党共闘の前進があらわれている」と強調し、最後までたたかいぬこうと呼びかけました。
また、2018年度予算案について、与党は27日の採決を断念したものの、自民党は同日の役員連絡会で28日の衆院通過の方針を確認しました。