赤旗2018年2月27日付
自民、公明両党は26日、「働き方改革」一括法案をめぐって裁量労働制についての全般的な再調査や同法案の提出の見送りなどを求める野党側に対し、「(政府に)引き続き国民に対する説明責任を果たすよう申し入れていく」などとする「回答」を書面で行いました。裁量労働の再調査や法案提出に言及は一切ありませんでした。
また、野党が求めた「森友・加計」疑惑をめぐる佐川宣寿財務省国税庁長官、安倍晋三首相の妻・昭恵氏、加計孝太郎加計学園理事長の証人喚問についても、「回答」は「引き続き現場で協議させたい」としています。
これを受けて日本共産党、立憲民主党、民進党、希望の党、自由党、社民党の6野党は同日、書記局長・幹事長会談を国会内で開き、「回答になっていない。こんなものを認めるわけにはいかない」と批判。改めて与野党会談を開き、回答を求めることで一致しました。
6野党は会談で、国民の生活と命にかかわる裁量労働制に関して再調査を求めることは当然のことで、何の言及もなかったのは許されないとし、再度の回答を求めることを確認。さらに、同日の衆院予算委員会で安倍首相が「法案提出のいかんは党の判断が要る」と答弁したことをあげ、法案提出の見送り要求についても与党として意思を明確に回答すべきだとしました。
さらに、与党から回答があるまでは、衆院の予算委や財務金融、総務の各委員会の理事会を開催すべきではないとし、2018年度予算案の採決などは論外だと確認しました。
日本共産党の小池晃書記局長は会談後の記者会見で、同日の衆院予算委で加藤勝信厚労相が労働時間等総合実態調査で新たに233件の異常値が確認されたと認めたことについて問われ、「(法案の)根本がどんどん崩れている」と指摘。審議の中でデータそのものが恣意(しい)的なものであることが明らかになったとし、「単に厚労省の不手際、単純ミスではなく、首相官邸による強引な規制緩和、裁量労働制の拡大の動きが今回の事態を生みだした。最大の責任は安倍首相にある」と述べました。