赤旗2018年2月2日付
厚生労働省が裁量労働制の適正化に向けて、導入している事業所に対して自主点検を指示したことが1日までに分かりました。日本共産党の小池晃参院議員が国会質問で求めていたもので、26日の参院代表質問では「裁量労働制の実態把握すらせずに拡大しようとしている」と批判していました。
裁量労働制は、労働者に裁量があるとする業務について、何時間働こうが労使で決めた時間だけ働いたとみなす制度。専門業務と企画業務に限って認められています。
同省によると、不適正な実態があると国会などで問題になっていることから、制度の趣旨・内容を正しく理解して適正に運用されるよう指導を徹底する必要があると判断。
企画業務型裁量労働を導入している約3千事業所と専門業務型を導入している約1万事業所に対して、法令に従った運用がされているかどうかを事業主自らが点検して報告を求めるとしています。
点検項目は、対象労働者の業務内容、健康・福祉確保措置、苦情処理の状況。対象者数も含めて2月中に報告するよう求めます。
小池氏は2017年3月の厚生労働委員会で、損保ジャパン日本興亜が法令で認められていない営業職に裁量労働制を脱法的に導入している実態を告発し、是正指導を求めるとともに実態調査を求めていました。