赤旗2018年1月29日付
日本共産党の小池晃書記局長は28日放送のBS朝日番組「激論! クロスファイア」で、自民党の山下貴司法務大臣政務官、立憲民主党の長妻昭代表代行と「森友学園」疑惑や「働き方改革」、改憲問題で議論を交わしました。
「森友」疑惑をめぐって小池氏は「国会答弁に反する事実が次々出ている」と政府の異常な対応を指摘。学園への国有地売却で当時財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官が、国と学園との交渉記録について「適切に破棄した」と繰り返し存在を否定したのに交渉記録が実在し、しかも昨年11月に会計検査院に提出しながら、国会には隠してきたと述べ、「政府には説明しようとする意思もない」と批判しました。
これに対し、山下氏(自民)は「行政文書のあり方の問題で違法ではない」と問題をすり替え、野党が求めている関係者の国会招致にも「国会が決めること」と応じませんでした。「与党は行政の信頼性が疑われていてもいいというのか」と小池氏。司会の田原総一朗氏は「佐川氏を国会に呼ぶべきだ」と応じました。
安倍政権の「働き方改革」では残業時間の上限規制を月100時間まで容認しています。小池氏は「過労死認定の過半数は100時間未満だ。名古屋高裁で過労死認定されたケースは85時間。100時間まで法律で認めれば『過労死合法化』だ。その一方で、『残業代ゼロ』制度で労働基準法の労働時間が適用されない労働者もつくろうとしている」と告発しました。
日本の長時間労働の温床を問われて山下氏は「上限がなく青天井だったからだ」と、過労死基準を超える100時間の核心問題には答えませんでした。小池氏は「日本は、労働時間に関するILO条約を一つも批准していない。その根底には、野放しに働かせたいという財界の意向がある」と指摘。政府の言う「同一労働同一賃金」についても、「格差の是正は重要だが、実際には正社員の労働条件を非正規と同じように切り下げようとしているのではないか。『非正規という言葉をなくす』というが、みんなを非正規レベルにしようとしているのではないか」と主張しました。
安倍首相が狙う自衛隊明記の9条改憲で小池氏は「狙いは9条1項2項の空文化だ」と指摘。そもそも国民多数は改憲を望んでおらず、「変えるべきは憲法でなく、憲法をないがしろにする政治だ」と強調。長妻氏(立民)も安倍9条改憲に反対しました。