赤旗2017年12月23日付
日本共産党の小池晃書記局長は22日、国会内での会見で、自民党の憲法改正推進本部がまとめた改憲の論点整理について問われ、「いずれも断じて認められない中身だ。こんなものを発議することなど許されない」と述べました。
論点整理では憲法9条について戦力不保持を定めた2項を削除する案と2項を維持した上で自衛隊を明記する案が併記されています。
小池氏は「9条2項を残しても自衛隊の存在を書き込めば、2項は死文化し、海外での無制限の武力行使に道を開く」と指摘。その上で、自民党の船田元・憲法改正推進本部長代行が「2回目には2項は削る」という9条の「2段階」改憲に言及していることにもふれ、「ねらいははっきりしている。頭隠して尻隠さずだ」と批判しました。
自民党が創設をねらう「緊急事態条項」について、論点整理では「政府への権限集中や私権制限」または「国会議員の任期延長」などを規定すべきとの意見が書き込まれています。
小池氏は「災害対策なら現行法でできる。戦時独裁体制を想定したものに他ならない」と指摘。戦前も戦争に突き進んでいた1941年に国会議員の任期延長法が成立したことにもふれながら、「全体として海外で戦争をする国に向けた改憲だ」と告発しました。
小池氏はさらに「教育無償化の話も、いまの憲法には教育の機会均等が明記されている。参院選の合区解消も、1票の格差・投票価値の平等をいうなら、比例代表などの制度にすればいい。改憲なしでもできる話だ。ためにする議論としか思えない」と述べました。