○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
加計学園の問題について聞きます。
総理は、当委員会の閉会中審査で私の質問に対して、加計学園に獣医学部新設を認めたことについて、一点の曇りもない、特区諮問会議、そして専門家の入ったワーキンググループでしっかりと議論がなされている、議事録は全て公開されていると答弁されました。しかし、その後、二〇一五年六月五日のワーキンググループには加計学園の関係者三名が参加し、発言していたことが明らかになっています。しかし、その事実も発言内容も議事録には記載されていません。
総理の、総理の答弁ですよ、総理。議事録は全て公開されているという答弁は事実に反していたわけですから、撤回すべきじゃないですか。
○国務大臣(梶山弘志君) お答えいたします。
獣医学部の新設については、諮問会議、区域会議、今治市分科会、ワーキンググループにおいて、民間有識者の主導の下、計二十回以上に上るオープンな議論を積み重ねており、ルールにのっとって資料も詳細な議事要旨も全て公開をしているところであります。
このうち、ワーキンググループの提案ヒアリングについては、提案者から責任ある説明を求める場でありまして、提案者以外の者は正式な出席者とはなっておりません。このため、加計学園関係者は、提案者である今治市の独自の判断で同席をさせた説明補助者にすぎず、会議の一般則に従い、正式な出席者とは扱っておりません。したがって、加計学園関係者の発言が、そもそも正式な出席者や公式な発言を記録する議事録、議事要旨の掲載対象とならないのは当然のことであります。
○小池晃君 ルールに基づいてやったと言うんですが、運営要領の第四条にはどう書かれていますか。
(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○国務大臣(梶山弘志君) 国家戦略特区ワーキンググループの運営要領ということでございますね。審議の内容等の公表、第四条、「座長は、ワーキンググループの内容等を適当と認める方法により、公表する。」。
以上です。
○小池晃君 座長の判断で幾らでも非公表にできるというルールなんですよ。どこがこれがオープンなのか。
私ね、八田座長にもそのこと聞こうと思ったんですが、今日おいでにならない。何で国会で堂々と説明しないんだろうかと。
出席した加計学園の関係者は誰ですか。
○国務大臣(梶山弘志君) ヒアリングに同席した加計学園関係者三名の氏名については、提案者の確認も取れておらず、お答えを控えさせていただきたいと思います。
○小池晃君 どこがオープンなんですか。報道されているのに公表できない。
それから、提案者しか公表しないというふうにおっしゃったけど、そんなルールないんですよ。
二〇一四年に宅地建物取引のIT化が提案されたワーキンググループでは提案者以外の出席も公開されている。何で加計学園だけこうやって隠すのかと。
議事録には、議事録にはね、加計学園関係者の出席の事実も発言内容も記載されていませんが、当日の速記録はあるでしょう。それはどうですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 速記業者が納入した文字データは、当事者に発言内容の確認すらしていない議事要旨を作成するための素材でして、作業用データにすぎません。
その役割は議事要旨、議事録の作成が終わった段階で終了しており、加えて、各発言者の確認すら行っていない文字データが本来の議事の内容であるとの誤認、誤解を避けるためにも議事要旨が完成した段階で削除することが適当であると考えております。
○小池晃君 あのね、森友でも加計でも、都合の悪いことは全部破棄するのかということになりますよ、これ。だって、加計学園の……
(発言する者あり)
総理ね、答弁席で、しゃべるんだったら答弁席で、出てきてしゃべってくださいよ。
あのね、加計学園の関係者が出てきて何を言ったのかというのは決定的に重要な情報じゃないですか。それを残していないんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 繰り返しになりますけれども、速記業者が納入した文字データは当事者の発言内容の確認すらしていない議事要旨を作成するための素材でありまして、作業データにすぎないということであります。
そして、その役割は議事要旨、議事録の作成が終わった段階で終了しており、加えて、各発言者の確認すら行っていない文字データが本来の議事内容になるとの誤認、誤解を避けるためにも議事要旨が完成した段階で削除することとしておりまして、そして、先ほど申しましたように、正式な会議のメンバーではない説明補助者はこの記録の対象には当たらないということであります。
○小池晃君 正式な提案者じゃないと言うけど、今治市が大学つくるんじゃないんですよ。加計学園がつくるんですよ。最大の当事者の発言は加計学園の関係者の発言なんですよ。
それを、じゃ、捨てましたというのであれば、職員はだってメモぐらい取っているでしょう。それ、出してください。
○国務大臣(梶山弘志君) 当事者は今治と、今治市と愛媛県でありまして、事業者というのは法律の定めの中で後に選ばれることになっております。
○小池晃君 後に選ばれる事業者が、じゃ、何で出てくるんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 多くの参考人の意見として聞いた上でこの提案がされていると思っております。その今治市が、今治市、愛媛県が参考とした提案、説明補助者であると考えております。
○小池晃君 おかしいんですよ。公募したのは今年の一月なんですよ。その一年半前に加計学園呼んでいたわけですよ。だから加計ありきと言っていたわけですよ。ところが、ないと。全部そこで何言ったかも明らかにしないと。こういうやり方があるのかということです。
何で、じゃ、後で公募して事業者決まったんでしょう。何でこの一年半前のこのワーキンググループに加計学園は出ていたんですか。おかしいじゃないですか。
○国務大臣(梶山弘志君) これはあくまでも提案者である今治市の独自の判断で同席をさせた説明補助者にすぎません。ですから、当時、説明補助者としての扱い、会議のメンバー外の扱いでありました。
○小池晃君 だったら、何で加計学園の関係者が出ていたことを今まで隠していたんですか。だって、国会の会期中は一切そのことを明らかにしなかったわけでしょう。何で隠すのかということなんですよ。
結局、京都産業大学のヒアリングには京都府だけじゃなくて京都産業大学も出ているわけです。
当然ですよね、だって、大学つくる設置者なんだから、提案者なんだから。ところが、この加計学園の場合だけは、なぜか加計のカの字も出さずに一年半、あくまで今治市の提案だということでやってきて、実際に出ているのにそれを隠してきた、今まで。何で徹頭徹尾加計隠しなのかというふうに国民が疑問に思うのは当然じゃないですか。担当大臣、どうですか。
○国務大臣(梶山弘志君) まず、今、京都は京産大と京都が提案者ということ、共同の提案者ということであります。
このワーキンググループにおいては、会議の一般則に従い、提案者が独自の判断で同席させた説明補助者については参加者と扱っておりません。
公式な発言を認めておりませんので、したがって、説明補助者の出席、発言については議事録及び議事要旨に掲載しないことを原則としております。
○小池晃君 京都産業大学が提案者だったと、それは当然なんですよ、やっぱりね。だって、大学つくるのは、大学つくるのは大学なんだから。今治市が公立大学つくるわけじゃないんだから。だから、今治市とともに加計学園がこう加わってくるのは当然じゃないですか。それを何で隠すのかと言っているわけです。やっぱり総理の腹心の友だからというふうに言われても仕方がないじゃないですか、この経過を見ればね。何でここまで徹頭徹尾加計隠しで来たのか。
今年の一月十日に加計学園は最後の最後に公募で登場して、一月十二日の僅か四十分余りの今治市分科会で国家戦略特区の要件を満たすと認定されて、一月二十日の国家戦略特区会議で事業者として認定され、このとき初めて総理はそのことを知ったというふうに答弁したわけですね。
総理ね、世論調査で七割の国民がこのことについて納得できないと言っていますよ。当然じゃないですか、総理。総理、答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど梶山大臣から答弁をさせていただいたように、特区のワーキンググループは、原則は公開との方針に基づいて、そしてこれはこの案件に限りません。ほかの案件も全てそうなっております。八田座長を始め民間有識者の皆さんが決めたルールに基づき運営されているものと承知をしております。
そして、先ほど小池委員の方から、なぜこの加計学園は補助であり京産大はそれはそのままで補助者ではないのかというのは、もうこれは、先ほど大臣が答弁したとおり、提案者に入っている、京産大はですね。加計学園の場合はこれは提案者に入っていないわけでありますから……
(発言する者あり)
提案者に入っていない、提案側が、これはまさに、これは今治市が提案をしたわけでありまして、当然これはルールに基づいてやるわけでありますから、当然ルールに基づいてこれ運営をされているものと承知をしておりまして、こうした運営どおりにのっとって全てがオープンにされているものと承知をしております。
○小池晃君 やっぱりどう考えたっておかしいわけですよ、これね。加計だということが最初からあったわけでしょう。加計ありきだったわけでしょう。ところが、最初の会議からずうっと加計ということは隠し続けて、最後の最後になってそれを出してくるというやり方は、やっぱりどう考えたってこれは疑念を湧く。
ワーキンググループで、総理、加計学園がどういう説明をしたのかというのは、これは国家戦略特区に認定した鍵を握る情報なんですよ。明らかにしようとしないけれども、総理の責任でこれ明らかにすべきじゃないですか。何を一体このワーキンググループで加計学園が主張したのか、明らかにすべきですよ、総理。総理、答えてください。
総理。
○国務大臣(梶山弘志君) あくまでも非公式なやり取りはそもそも記録対象ではないために、記録はありません。したがって、仮に提案者側が議事要旨への掲載を希望をしたとしても、新たに議事要旨に掲載することはできません。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再々大臣の方から御説明をさせていただいておりますが、ワーキンググループでは会議の一般則に従い、提案者が独自の判断で同席させた説明補助者について参加者と扱っておらず、公式な発言を認めていないと、こういうルールでやっておりまして、これは全てのこれは対象についてこのルールでやっているということであります。
そして、繰り返しになりますが、もしかしたら御存じなかったのかもしれませんが、京産大は、これは説明補助者ではなくて提案者でありましたから、扱いが違うのは当然のことであります。
○小池晃君 そのことを前提で私、質問していますからね。何で京産大は堂々と提案者として出てくるのに加計学園は出てこないんですかということについて、私、これ説明になっていないと思いますよ。で、資料も捨ててしまったと、速記録も捨ててしまったというのであれば、これは関係者に出てきてもらって国会で明らかにするほかないですよ。
これ、六月のワーキンググループ直前の四月には今治市の職員が官邸に行っていると。これもいまだに誰に会ったのかも明らかになっていないわけですしね。記録がないというのであれば、これは国会で明らかにするしかない。
委員長、加計孝太郎理事長の証人喚問、それから首相官邸で今治市関係者と面会した柳瀬唯夫経済産業審議官の証人喚問を求めます。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議いたします。
○小池晃君 証人喚問については、聞くと、国会が決めることとかしか総理はおっしゃらないわけですが、私、これ、そういう一般論の話じゃないと思うんですよ。
何でこうなっているか。政府が資料を捨てた、政府が情報を明らかにしない、政府がこういう真相解明の邪魔をしているわけですから、私は、政府が、総理が責任を持って、しかも加計孝太郎さんは腹心の友なんだから、腹心の友なんだから、だったらば、きちっと証人喚問に応じるように働きかけるべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本当に再三答弁をさせていただいておりますように、まさにこれは、ワーキンググループでは会議の一般則に従って、提案者が独自の判断で同席をさせた説明補助者については参加者と扱っておらず、公式な発言を認めていないわけであります。
つまり、これ、提案者でいないにもかかわらず、提案者でいないにもかかわらず、これは正式な出席者と認める方がこれルールに反するわけでありますから、ルールに従ってやっていくべきなんだろうと、こう思っておりますし、そして、委員会の運営については委員会がお決めになることであります。
○小池晃君 もう私が言ったことに全く答えない、こういう態度では国民のやっぱり疑問は絶対解消されないと思います。森友問題も加計問題も幕引きは絶対許されないということを申し上げます。
安倍政権の下で暮らしのこと、まず雇用の問題ですが、労働契約法の改定によって、来年四月から、期間の定めのある労働者が同じ会社で通算五年以上働いた場合に、本人が希望すれば期間の定めのない無期雇用に転換できる五年ルール、今パネルで示しておりますが、できました。
(資料提示)
しかし、財界の要望で抜け道もつくられていて、五年間の途中で雇用の空白期間が六か月以上あると、一番下の絵ですけれども、それまでの期間がリセットされてしまう。自動車メーカー各社は、労働契約法の改正後に、有期雇用の労働者に、それまで一か月としてきた空白期間を、いわゆるクーリング期間を六か月に変更して無期雇用に転換させない脱法行為をやっています。
トヨタの労働者に話聞きました。
Aさんは期間雇用労働者でしたが、昨年二月に二年十一か月の更新上限を迎える直前の一月下旬に呼ばれて、これまで一か月だったクーリング期間を六か月にしてほしいと言われたと。この方は一年契約一回、二年十一か月の契約を三回やって、都合十年以上、期間、有期雇用で働いていました。
これまで一か月のクーリング期間は寮に住み続けられたんですが、六か月になったので荷物まとめて寮を出てくれとも言われたと。何で六か月ですかと聞いたらば、法律が変わったからだと言われた。クーリング一か月のままだったら、この人は無期雇用になれるんですよ。
大臣、こういうやり方で労働者を非正規のまま使い続けるのは法の趣旨に反しませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと今の個々のケースについては必ずしも具体を承知しておりませんから、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
まずは、今委員御指摘のように、労働契約上、クーリング期間が設けられた趣旨は、もしこうした期間が設けられなければ、例えば有期労働契約を締結し三年間働いた労働者が一定期間を経過した後に再度同じ企業で働こうとした場合に企業側が雇うことをちゅうちょするおそれがあるのではないか、あるいは通算された契約期間の記録等を永久に保存しなければならないという実務上の問題があると、そうしたことを生じることを防ぐためにあったと、こういうふうに認識をしておりまして、制度はそうした趣旨でつくられたわけであります。
実際の運用のお話、今あったわけであります。
当然、労働者保護を使命とする厚生労働省において、無期転換ルールの適用をむしろ意図的に避ける目的を持って雇い止めを行うことは望ましくない。例えば、クーリング期間を設定した上で更にその先まで雇いますよと、例えばそういう予約というんでしょうか、そういうことをしたような場合にはこれは望ましくないんではないかというふうに私どもは認識をしております。
いずれにしても、無期転換ルールへの対応が円滑に行われるよう引き続き周知啓発に努め、また、そうした事案を把握した場合には都道府県労働局においてしっかりと必要な啓発の指導を行っていきたいと、こう思っております。
○小池晃君 企業は意図してこれをやっているんですから、周知啓発で解決しないんです、これは。
法改定当時に野党だった自民党から国会でこんな指摘がありました。無期転換の五年前に雇い止めされるんじゃないか、クーリング期間を半年間と定めてありますから、半年間雇い止めということが起こってくるのではないか、これに対して何らかの歯止めを掛けられるよう手当てをしなきゃならぬと思う、働く人たちにとって大変不安な材料だ、後に厚労大臣になる田村憲議員の主張である。自民党はこういう懸念を表明しながら歯止めを検討しなかったんだから、これ大問題ですよね。
総理、期間雇用の従業員、労働者って千五百万人いるわけです。厚労省によれば、そのうち三割が五年以上同一企業で働いている。四百万人以上がこのルールがきちんと適用されれば無期転換できる可能性があるわけですよ。しかし、今この瞬間も大量の雇い止めが起ころうとしているわけですね。総理、このままこれ、手をこまねいていていいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、無期転換ルールを避ける目的で雇い止めをすることは、法の趣旨に照らして望ましいものではないということを申し上げておきたいと思います。先ほど加藤厚労大臣から答弁したように、無期転換ルールの適用のため、企業への周知や啓発等にしっかりと取り組んでいきます。
そして、御指摘の企業における事例については、現在厚生労働大臣において実態を調査中であり、調査結果を踏まえて必要な対応を取っていく考えであります。
○小池晃君 望ましいものじゃないじゃなくて、大問題でしょう、これは。
私は、これは明らかに法の抜け穴があるわけですよ。それを企業は利用しているわけですよ。トヨタを始めとするような名立たる大企業がこんなことをやったらば、ほかの企業も右へ倣えとなりませんか。これ、絵に描いた餅になってしまいますよ、せっかく作ったこのルールが。絶対許しちゃいけない。望ましいものではないというんじゃなくて、これ絶対許さないという、そういう立場で臨むべきじゃないですか。
総理、東京大学は、法改正後、五千人の非常勤職員のクーリング期間を六か月にしたんですけど、それは脱法だという組合の主張を認めて撤回したんですね。
法律にこういう明らかな抜け穴があるんですから、これは政治の責任で、国会の責任で、法改正、政府の責任でやるべきじゃないですか。働き方改革だというふうに言うのであれば、こういう今のまさに起こっているこういう事態に政府が責任を持って対応するべきではありませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げました、このクーリング期間が労働契約上設けられた趣旨があるわけでありまして、その趣旨にのっとって今の法律が作られてきていると。
したがって、その趣旨にのっとった運用がなされていない、先ほど申し上げたように、クーリング期間を設けてその先まで予約というか、約束をするような、そういったものはしっかりと啓発指導していかなければならないというふうに思います。
ただ、いずれにしても、委員御承知のように、この無期転換ルールを作ったときに法律の中で見直し規定があるわけでありますので、その施行後八年以降、施行後八年ですから平成三十三年になりますけれども、以降の見直し規定が設けられておりますから、当然その規定にのっとって、施行状況を勘案しつつ、私どもとして働く方の雇用の安定と、そういった面も含めて対応していきたいと、こう考えております。
○小池晃君 今まさに起こっているんだからね。
八年だと、あと三年も先だと。そんなのでいいんですか、総理。これやっぱり直ちに法改正の決断すべきじゃないですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この法改正についての考え方は今厚労大臣から答弁をさせていただいたとおりでありますが、委員は今もう直ちにそれに取りかかるべきだという御主張でございますが、本格的な無期転換の申込みが行われるのは平成三十年でありますが、三十年四月でありますが、この三十年四月以降の状況を全く勘案せずに法改正の検討に入ることは適切ではないと考えておりますが、この施行後八年以降の見直し規定が設けられておりまして、この規定にのっとって、施行状況を勘案をして働く方の雇用の安定に向けて対応していきたいと、こう思っております。
雇用の安定に向けてしっかりと対応していくというのは、これは大体、小池委員とも同じではないかと、こう思っておりますが、まず、先ほど申し上げましたように、本格的な申込みが行われた後の状況をまずしっかりと見ていきたいと、こう考えているところでございます。
○小池晃君 だって、もう実際起こっているわけだから、雇い止めがね。じゃ、来年すぐに、年度明けすぐにやるべきじゃないですか、どうですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今総理からお話がありましたように、実際の無期転換ルール、先ほど委員示されたあれですよね。要するに、五年たった次の期間の契約のときに申し込むということですから、具体的に出てくるのは三十年四月以降ということでありますから、それ以降の状況もしっかりと把握をした上で、この見直しに当たって、そうした今のおっしゃる、今の状況も含めてでありましょうけれども、それからその後の状況も含めて検討を行っていきたいと、こう思います。
○小池晃君 今起こっているんだからね、働き方改革っていうんだったら、今すぐそういったことをやるべきだということですよ。
過労死の拡大につながる残業代ゼロ法案あるいは裁量労働制の拡大、さらに月八十時間から百時間という残業を合法化するような働かせ方大改悪はこれ撤回、断念すべきだということを申し上げます。
そもそもトヨタ自動車は、これ史上最高の利益を上げて十八兆円もの内部留保を積み上げています。希望する人を期間のない雇用にする体力は十分にあるはずだと。
大企業全体では内部留保を構成する利益剰余金はどのくらい伸びていますか、財務大臣。二〇一二年度から一六年度にかけてどれだけ増えたか、従業員一人当たりにするとどれだけか、お答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは法人企業統計の年次別調査結果ですけれども、金融業、保険業を含むいわゆる資本金十億円以上の大企業における利益剰余金は、二〇一二でしたっけ、御希望は、二〇一二年ね、二〇一二年から一六年の間では百七十七兆七千億から二百四十五兆三千億円となっており、差引きは六十七・五かな、に増えてきているということです。従業員一人当たりの利益剰余金では、二〇一二年で二千百十万円、二〇一六年で二千九百十万円ですから、八百万円の増加になっておるという数字が挙がっております。
○小池晃君 四年で八百万円増えているわけです、一年で二百万円ですね。このごく一部でも回せば大幅賃上げができるわけですよ。しかし、それが回っていない。
この四年間、大企業の利益はどうなっているか、どのように分配されているか、上場企業トップ百社を我々分析してみました。有価証券報告書などを計算した結果ですが、四年間で法人税は全体としては四兆円減税なんですが、その半分の二兆円、これはトップ百社占めております、減税が加わって当期純利益は十一・一兆円増加しています。しかし、従業員給与は三千億円、三%程度にすぎません。残りの半分は内部留保です。半分近くは配当金や自社株消却で株主に還元されています。
総理は、四年前の当委員会での私の質問に対して、法人税の減税が全部内部留保に行ったんでは我々も意味がないと考えておりますというふうに答弁されたんですが、実際にはそうなっているんではないか、特に大企業では。
総理は、この間の法人税減税が賃上げに結び付かなかったことを認めますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは度々あなたの御質問以外の方にお答えしておりますので、これをいかにもその数字とまた別のことを言うと話が込み入りますので、前、おまえ、言うたやないかと言われても迷惑しますので、あらかじめお断りしておきます。
その上で、これまでも我々は法人税を下げて税金が実入りが減る、収入が減るということをやって、企業の方はその分、直接利益が増えることになるんですが、増えた利益のほとんどがというと、ほとんどというと恐縮ですけれども、約百兆円、この四年間でいきますと約百一兆円ぐらいが内部留保。そのうち、企業の中で設備投資が約八兆、そして企業の中で個人のベースアップ等々で約四兆から五兆ぐらいのところだと思いますので、これは、基本的には賃上げとか、まあ賃上げじゃなくてもいいですよ、賞与でも何でも、そういった形でのものに配当をすべきだということをずっと、いろんな企業で、総理からも申し上げておりますし我々も申し上げ続けてきておりますので、今おっしゃっておられる数字はこの内部留保に偏り過ぎているのではないかということで、我々としては、今後いろんな形でこれを、金融等の場面におきましてもこれは同じように、保険でも同じようなことが起きていますので、そういったところを含めまして、私どもとしては、いわゆる、何というの、何か、スチュワードシップ・コード等々いろいろ使わせてもらって、こういうような形についてしかるべき方向性を示していかにゃならぬかなと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣においては、所得拡大促進税制の創設や累次の拡充を始めとして成長志向の法人税改革に取り組んできたところでありますが、こうした政策を進めてきた結果、今世紀最高水準の賃上げが四年連続で続いてきたのは事実でありまして、経済の好循環が確実に生まれているのも事実であろうと、こう思っております。
そして、それと同時に、二〇二〇年を大きな目標にしまして生産性革命の実現に向けて企業による人材や設備への力強い投資を促すため、これまでにない大胆な政策を、これまでにない大胆な政策を進めていく考えでありまして、また、賃上げや設備投資に積極的な企業には、国際競争において十分に戦える環境を整備していきます。特に、革新的な技術やビジネスに果敢に挑戦する企業には、世界で打ち勝つことができる環境を思い切って提供していきます。
他方で、企業収益が過去最高となる中で、賃上げや投資に消極的な企業にはコーポレートガバナンス改革や様々な政策ツールを活用して果断な経営判断を促していきたいと、こう思っておりまして、税制についても大胆かつめり張りの付いた対策を検討していきたいと、こう思っています。
○小池晃君 あれこれ言うけど、法人税の減税が賃上げに結び付いてないということは否定できないと思うんですよ。これ明らかですよね。
内部留保を賃上げに回す、正社員の雇用を増やす、下請中小企業にきちんと代金を払う、そして法人税の減税やめて、能力に応じた負担を求める、そのことによって社会保障の財源をつくり、財政再建の道も開くと。これこそ経済の好循環、こういう道を進むべきなんですよ。
社会保障の問題ですが、この社会保障の問題でいうと、安倍政権はこの何か社会保障費、過大であるかのように言うけれども、この間の特徴として、対GDP比で日本の社会支出、これ決して高くないし、元々高くなかったものが安倍政権になってから下がってきているという実態があるわけですね。
GDPに占める社会保障支出、社会支出の割合、三年連続で減っていますが、厚生労働大臣、これは近年になかった事態だということを認めますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 近年ってどの幅かによるんですけれども、たしか低下していた、それから、若干ちょっと、私どもは社会保障給付費でやっていますので若干違うかもしれませんが、たしか一九八〇年代後半にこうした状況があったと、それ以降では今回の三か年がGDP比では下がっております。
ただ、社会保障給付費自体は伸びているわけでありまして、その伸びを超えてGDPが増えている、結果としてそうなっているのは委員御承知のとおりであります。
○小池晃君 アベノミクスの果実というのは結局回っていないということなんですよ、これはね。
こんなことは自然増削減繰り返してきた小泉政権でも起こらなかった。第二次安倍政権、五年間の自然増抑制は一兆四千六百億、それに対して小泉政権は同じ五年間で一兆一千八百億ですよ。これは小泉政権以上の社会保障の削減を今やられていると。いかに異常なことをやってきたのかが、この今のグラフにはっきり私出ていると思うんです。
具体的に言いますが、政府は選挙が終わるや否や医療、介護、福祉など社会保障の全分野の国民負担増と給付削減提案して、昨日財政審が建議を出しましたね。
これは、パネルは財務省の提案です。財政審に提案し、建議に盛り込まれた主なものであります。
本当に社会保障の全分野にわたるもの。それから、並べてちょっと立てていただくと、日本経団連、同じように社会保障費削減を政府に迫っておりまして、財政審の会長でもある日本経団連の榊原会長は総選挙翌日の記者会見で、国民の痛みを伴う改革にも勇気を持って取り組んでもらいたいと。
財務省案というのは、これは日本経団連案とほぼ引き写したような中身になっている。財務省案では、現在一割負担の七十五歳以上の窓口負担を二割に引き上げると言いますが、これ実行されたらば二倍になるわけですから、例えば大腸ポリープの内視鏡手術で二日間入院した場合は、今一万四千三百十円の負担が二万八千六百二十円になります。
ちなみに、二〇〇八年に後期高齢者医療制度を導入したときの首相は麻生財務大臣です。当時の麻生首相は、二〇〇八年十月の参議院本会議で我が党の市田忠義議員の質問に対して、長寿医療制度において、医療費の自己負担を現役世代より低い一割負担とし、保険料の軽減も行うなど、高齢者が心配なく医療を受けられる仕組みとなっております、こうした良い点は是非維持してまいりたいと。
当時のあなたの答弁と今やろうとしていること、全く違うじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の話は財政制度審議会の提出資料の話なのかなと思って聞いていましたは聞いていましたけどね。財務省のって、これ財政制度審議会から出ている話ですからね、一緒にせんでくださいよ、そこのところは。よくそういう一緒にされるけど、そこはよく、別にしてもらわぬと審議会の意味がありませんからね、これ、財政制度審議会の話ですから。
急速な高齢化が成っているのは御存じのとおりなので、これは持続可能な社会保障制度をやっていかにゃ意味がありませんので、財政の健全化と両立していかにゃいかぬということなんだと思いますので、医療制度の改革において改革工程表というのを作らせていただいているのは御存じのとおりなので、しっかり歳出改革というのを進めていかなきゃならぬのは当然なんだと思っています。
御指摘の今ありました自己負担の割合、後期高齢者の自己負担の割合の話ですけれども、昨日取りまとめられた財政制度審議会の建議において、現在、七十歳から七十四歳までの方について平成三十年までの間に段階的に二割負担に引き上げているところでありますけれども、これに引き続いて、平成三十一年度から七十五歳以上の方についても同様に二割負担への引上げを行っていくことなどが提言されておりますのは御存じのとおりです。
後期高齢者負担の自己負担の在り方については、これ引き続き、これは労働組合、いや、ごめんなさい、厚生労働省の審議会でも議論が進められるものだと承知をしております。したがいまして、財務省としても、こうした考え方を踏まえて、厚生労働省とよく相談をして決めていかねばならぬところだと思っています。
○小池晃君 麻生大臣ね、が総理だったときに一割負担は良い制度だと、維持したいと言ったこととの整合性はどうなっているんですかと言っているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 一割負担にしたいという希望があるのは確かですし、我々としても、財政を預かる立場としては、当然のこととして財政制度というものときちんと両方両立していかなきゃ意味がありませんので、今のような状況によって二割負担に上げねばならぬという状況になりつつあるという状況を考えねばならぬという立場にはあるということだと思います。
○小池晃君 維持したいと言っていたのに、これ豹変じゃないですか。
厚労省、後期高齢者医療制度の加入者の平均所得と所得なしとされる人の割合を。
○国務大臣(加藤勝信君) 所得ということでよろしいですか。最新のデータである平成二十七年の所得の状況、したがって、給与でいえば給与所得控除等を引いた後の金額ということになりますけれども、それについては、後期高齢者一人当たりの所得額は八十二万八千円であります。それから、これら、それ以外に言えば、公的年金等控除もありますが、それらを引いた後の所得がない人の割合は五三・二%と、こういうふうになっております。
○小池晃君 七十五歳以上の収入は年金だけという方が圧倒的で、低所得者の比率が高いことは間違いないわけです。
では、七十五歳以上の人が病気になって医療機関にかかる割合である受診率、これは七十四歳以下の何倍ですか、外来、入院それぞれ。
○国務大臣(加藤勝信君) 受診率をするときに、例えば月に一回行った人、月に十回行った人もレセプトだと一件になるので、レセプト一件ということで集めた数字ではございますけれども、この一定期間内に医療機関にかかった人の割合を示す、今申し上げたような指標による、これを受診率というふうに申し上げれば、七十四歳以下と比較すると、後期高齢者は、入院のケースで六・三倍、外来で二・四倍と、こうなっております。
○小池晃君 七十五歳以上の人が受診する頻度は外来で二・四倍、入院で六倍以上と。これは一人の人の医療費が高いわけじゃないんですよ。やっぱり病気が多いから、これは受診回数が増える、あるいは受診する医療機関が増える、これは当然のことなんですね。
所得が少なく病気にかかりやすい、この年齢層の医療費負担を二倍に引き上げれば、総理、暮らしへは大打撃になりますし、私は、受診抑制による健康破壊を引き起こす、そういう危険が大いにあると思いますよ。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この窓口負担においては、最初に小池委員が指摘をされたように、後期高齢者の方の窓口負担は、現役並みの所得の方は三割負担で、その他の所得区分の方は一割負担というふうに現在はされているわけでありますが、この窓口負担の在り方については経済・財政再生計画改革工程表において、七十歳から七十四歳の方の窓口負担の段階的な引上げの実施状況等も踏まえつつ、関係審議会等において検討し、平成三十年度末までに結論を得ることとされております。
この検討に際しては、保険制度の持続可能性といった観点に加えて、例えば、厚労大臣から答弁をさせていただきましたが、後期高齢者の所得や受診率の状況も踏まえつつ、きめ細かな検討を行う必要があると考えています。政府としては、今後、改革工程表に沿って、専門家などで構成される厚生労働省の審議会等において関係者の御意見をお聞きしながら検討を行っていきたいと考えております。
○小池晃君 私は、この問題、よく世代間の公平というようなことも言われるわけですが、病気になりやすい高齢者の窓口負担を引き上げれば、負担はこれ現役世代を上回るわけですよ、明らかに。
現役世代よりも負担率を低くしなければ逆に不公平になると思うんですよ。このやっぱり七十五歳以上の二割負担というのは、私は絶対やるべきではないということを申し上げたい。
それから、財務省は、更に介護保険の改革案として、要介護一、二の生活援助、その他の在宅サービスを地域支援事業に置き換えるということを提案しています。安倍政権は、既に要支援一、二のホームヘルプサービス、デイサービスは、これは地域支援事業に移行させました。また、要介護一、二は原則として特養ホームに入れません。この上、要介護一、二の在宅サービスまで保険給付から外したらば、これ今お示ししているように、要支援一、二と要介護一、二を合わせると認定者全体の六五%ですからね。保険料を納めて、そして認定されても六五%が保険を受けられない。これでは介護保険制度に対する信頼、根本から崩れると私は思いますよ。
総理、これ、いかがですか。こんなことやっていいんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、平成二十六年度の介護保険法改正で要支援の方を引き続き介護保険の地域支援事業の対象として市町村が必要なサービスを地域の実情に応じて効果的かつ効率的に提供できるような仕組みに見直したというのはそのとおりであります。ただ、そのサービスの提供に要する費用は、これまでの介護保険給付と同じ財源において賄われているものでありますから、介護保険の財源構成からその部分が抜け出しているわけでは全くないということであります。
それから、先行きの話については、これも改革工程表の中でしっかりと議論をしていくということになるわけであります。
○小池晃君 いろいろ言うけど、地域支援事業への移行は、サービス提供は進んでいない状況にあると財政審の建議でも言っていますよ。これが実態なんですよ。
総理に、じゃ今度は総理に答えてほしいけれども、要介護一、二の在宅サービスが制限されたら、結局家族が介護するしかないわけじゃないですか。
私は、こんなことをやったらば、総理が言っている介護離職ゼロ、できるわけないと思いますよ。
こういう給付削減の連続でどうして介護離職ゼロが実現できるのか。私は、こんなことをやったらば、要介護一、二まで在宅サービスを制限するようなことをしたらば介護離職を増やすだけだと思いますが、総理はいかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 軽度の要介護者に対する生活援助サービス等については、介護保険のサービスを取り上げるということではこれはないわけでありまして、そういうことでは一切ないわけでありまして、高齢者の自立支援や、より効果的かつ効率的なサービス提供の確保の観点から引き続き検討を行っていきます。
介護離職ゼロに向けて、二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受皿を整備します。また、その大きな目標に向かって介護人材確保への取組を強化しますし、またさらに、他の産業との賃金格差をなくしていくため、介護人材の更なる処遇改善を進めていく考えであります。より効果的かつ効率的なサービス提供確保、介護の受皿整備、介護人材確保などを総合的に進めて介護離職ゼロを目指していきたいと考えております。
最初にちょっと小池委員が御紹介された小泉政権との比較でありますが、小泉政権においては、毎年二千二百億円という、このカットする、伸びをカットする目標を掲げていたわけでありますが、我々はそういうアプローチをしていないわけでありまして、しっかりと社会保障の質はちゃんと確保しながら、社会保障の質は確保しながら効率的に、効率的、効果的にしていくという観点から様々な改革を行った結果、結果として小泉政権よりも多くの伸びを抑制できたという大変いい結果が出ているのではないかと、こう思っているところでございます。
○小池晃君 小泉政権よりひどいことをやっているんですよ。だって、小泉政権のときは二千二百億でしたよ。安倍政権になってからは、二千八百億、四千億、四千七百億、千七百億、千四百億ですよ。小泉政権の削減よりも大幅な削減をあなたたちやっているわけですよ。だから、社会保障給付費が対GDP比で下がっていくという異常事態が起こっているんですよ。みんなが悲鳴を上げているんですよ。そういう反省が今のあなたの答弁には全くないじゃないですか。
地域支援事業に移行する、その問題をさっき言ったでしょう。財政審の建議ですら、当初想定した多様な主体によるサービス提供は進んでいないと言っているわけですから、こういったことを見れば、要支援一、二でうまくいっていないと財政審だって認めているんだから。その上で、要介護一、要介護二まで介護保険の本体の給付から外したらば、介護離職がどんどん増えて大変なことになりますと言っているんじゃないですか。やっぱり真摯に現実に向き合っていただきたいというふうに申し上げたいと思います。介護給付を制限したら、とても介護離職ゼロなどは実現できないということを申し上げます。
その上で、昨日、財政審は診療報酬と介護報酬のマイナス改定を打ち出しました。医師の過労死、過労自死が相次ぐ中で、医師の働き方改革が大きな課題となっています。看護師などの医療職も、長時間過密労働の是正は待ったなしであります。
二十四日の中医協では、日本医師会や日本病院会などが連名で、診療側全委員が連名で意見書を出した。医療施設の経営悪化は安倍政権による社会保障費抑制が原因だと指摘をしています。総理、そんなときに診療報酬を引き下げるというのは全く矛盾しているんじゃないですか。
それから、先ほど総理は介護労働者の処遇改善とおっしゃった。処遇改善するときに何で介護報酬を下げるんですか。全国老人保健施設協会、全国老人クラブ連合会、日本看護協会、日本介護福祉士会、認知症の人と家族の会など十二団体が、これが介護報酬プラス改定を求める署名を提出しました。介護を提供する側と受ける側がこれだけ一堂に会して、僅か一か月で百八十万筆の署名を集めるというのは、これはかつてないことですよ。
介護報酬のマイナス改定は、先ほどこの場所でつい数十秒前に総理が言われた介護労働者の処遇改善とも矛盾するんじゃないですか。診療報酬も介護報酬も、全く総理が言っていることと違うじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、安倍政権においては、言わばカットする額を決めるというアプローチは取っていないわけでありまして、我々は、あくまでもしっかりと社会保障のサービスの質を落とさないということを原則に、その中で、かつ効率化を図ってきた結果、結果としてこの伸びが抑制されているということではないかと、こう思っておるところでございます。
そこで、そこで、この介護報酬、そして診療報酬でございますが、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年に向けて、質が高く効率的な医療、介護の提供体制を構築していく必要があると考えています。
そのため、平成三十年度の診療報酬、介護報酬の同時改定については、国民一人一人が状態に応じた適切な医療や介護を受けられるよう、適正化、効率化すべきことは実施しつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
なお、診療報酬、介護報酬の改定率については、医療費等の動向、そして保険料などの国民負担、これ、当然、医療も介護もそれぞれ保険によって、国費も入っておりますが、保険によって成り立っているわけでありますから、言わば上げていけばこれは保険料に跳ね返っていくということになりますが、保険料などの国民負担について、そしてまた物価、賃金の動向、医療機関の経営状況及び財政に係る状況等を踏まえながら、予算編成過程において検討し、そして適切に判断していきたいと考えております。
○小池晃君 国民の負担増やすことはさんざん言うくせに、こういうときだけ国民の負担は増えますなんて、御都合主義的なことをやらないでくださいよ。
医療・福祉従事者が日本の従業者全体に占める割合は一一・九%。昨日のこの委員会では、地方においては一五%を超えているところもあるという答弁があったわけですね。
総理は、企業には賃上げ求めるわけでしょう、企業には。企業には賃上げ求めながら、一方で日本の労働者の一二%の賃下げにつながるような介護報酬と診療報酬の削減提案するのは、支離滅裂な政策じゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそもまだ診療報酬、介護報酬については、どうするかということは決めておりませんから……
(発言する者あり)
いや、まだ決めておりませんので、厚労大臣にも、また財務大臣にもそれぞれ意見があるところでしょうし、医療経済実態調査等もこれ踏まえながら検討していきたいと、こう考えているところでございます。
○小池晃君 いや、何か下げるか下げないか分からないみたいに言ったけど、じゃ、下げないんですか。下げないんだったらいいけど、下げたら、じゃ、こうなりますよね、賃下げになりますよね。
それいいんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の段階ではですね、今の段階で決まっていないわけでありますから、私も断定的にお答えするわけにはいかないわけで……
(発言する者あり)
今、小池委員から総理でしょうという御指摘がございましたが、これは、総理大臣がそれはもう独断でこれ決定できるわけではないわけでありまして、まずはしっかりと、先ほど申し上げましたように、医療経済実態調査をしつつ、また、物価の動向もありますし、様々な要素、先ほど提示をさせていただいた様々な要素も十分に勘案しながら決定していきたい。
もちろん、その際、医療現場あるいは介護の現場等についても十分に勘案しながら判断をしていきたいと、このように思っております。
○小池晃君 財政審の建議は、診療報酬二%台半ば以上のマイナス改定と本体マイナス。言語道断でしょう。財源だというのであれば、私は高過ぎる薬価をもっと引き下げるべきだと思いますよ。
財務省は、新薬創出等加算の廃止を提言しています。この制度に、どこにどういう問題があるというふうに財務省は考えているのか、詳しく説明してください。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘の、今、新薬創出等々の加算制度につきましては、一昨日、あっ、昨日か、昨日取りまとめられました財政制度審議会の建議において、新薬というものの大宗を幅広く適用されておりますので、イノベーションの適正な評価という観点からもこれは問題が大きいと。また、財政への影響も単純計算で医療費だけで二千五百億円以上ありますので、医薬品の使用量の拡大による影響等も生じていることといった点が指摘されておりますのはもう御存じのとおりです。
その中で、改革の方向性として、現行制度について廃止するか、また、仮に何らかの形で存続する場合には、最初に薬価を算定する際に画期的なところとか有用性が高いとかいう評価がされた医薬品というものを対象に絞り込んでくださいということを提言をいただいたところであります。
また、新薬創出等の加算も含めまして、薬価制度の抜本改革の具体的な内容については、いわゆる厚生省の労政審じゃなかった、厚生労働省の審議会において具体的な内容は検討されていくんだと思っておりますけれども、財務省としてはこうした提言というものを踏まえにゃいかぬところですので、革新的な新薬の創出というものは、これ是非促進してもらわにゃいけません。しかし、国民負担の軽減につながる改革となるように、是非厚生労働省ともよく相談をしていかねばいかぬところだと思っております。
○小池晃君 厚労省に聞きますが、昨日、中医協の薬価専門部会でこの問題議論されて廃止に反対の意見が続出したと聞いていますが、どういう団体が反対意見を述べましたか。
○国務大臣(加藤勝信君) これは新薬創出等加算という制度の見直しについてでありますけれども、その十一月二十九日の前の十一月二十二日の中医協において見直しの案を提示をいたしました。
対象品目については医薬品そのものの革新性、有用性に着目して判断する仕組みとするとともに、企業が更なる革新的新薬開発に取り組むインセンティブとするため、新薬開発等に係る実績、取組に応じて加算額を段階的に設定すると、その見直し案をベースに御議論いただいたのが今御指摘があった十一月二十九日でございます。
これについては、日本製薬団体連合会、PhRMA、これは米国研究製薬工業協会、EFPIA、欧州製薬団体連合会、日本医薬品卸売業連合会から今回は意見聴取を行いました。
その中で幾つか申し上げれば、日本製薬団体連合会からは、今回の見直し案では対象が随分狭くなってしまう、範囲を拡大すべきではないか。あるいはPhRMAとかEFPIAからは、こうした形なものが進められると研究開発インセンティブに重大な影響が及ぶんではないか、こういった意見が示されたところであります。
○小池晃君 産業政策ならともかく、何で日本の公的保険を議論する場に、中医協に、外国の団体呼んで意見聞かなきゃいけないのか。私、これ大変疑問に思うし、そもそもこの制度は年次改革要望書などでアメリカ政府から求められて、二〇一〇年に試しに始めますといったことがいまだに続いているわけですよ。もはや私役目は終わったと思いますよ。
二千五百億、先ほど麻生大臣が言ったけど、財政影響あるわけでしょう。ただでさえ日本の新薬価格は高いと言われておるのに、更に高止まりをさせるような、そんな制度はもうやめるべきじゃないですか。これ、財政審の中で私唯一賛成できるのは、これを廃止するということですよ。
そもそも、新薬創出加算を受けている製薬企業上位十社、名前言ってください。
○国務大臣(加藤勝信君) 現在、新薬創出等加算を受けている企業のうち金額ベースで加算を多く受けている上位十社、全部十社名前言ってよろしいですか。中外製薬、アステラス製薬、ヤンセンファーマ、日本イーライリリー、武田製薬工業、グラクソ・スミスクライン、ファイザー、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、ノバルティスファーマ、アストラゼネカの十社であります。
○小池晃君 アステラスと武田以外外資ですよね、基本は。ほとんど外資なんですよ。アメリカなどの製薬企業のやっぱり圧力に屈することなく、高過ぎる薬価の引下げをやるべきじゃないですか。
そして、その薬価引下げ分を診療報酬本体に回して、技術料などの形で人件費をしっかり充てていく、支えていく、私はこれがやるべきことだと思いますよ。総理、どうですか。そういう道進むべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々が米国の製薬メーカーの圧力に屈するということは、これは絶対ありません。まさにこれは国の主権として言わば薬価等を決めていくわけであります。しかし、参考意見としてはお伺いすることはあると、こういうことでございます。
そこで、薬価制度の抜本改革については、この国民皆保険の持続性、イノベーションの推進を両立をし、国民が恩恵を受ける国民負担の軽減と医療の質の向上を実現する観点から実施していく必要があると、こう考えております。
先ほど既に麻生大臣、また厚労大臣からもこの答弁をさせていただいたわけでございますが、言わば画期的な新薬については、この画期的新薬については、まさに国民の健康を維持をする、疾病に対してしっかりと効果があるものを慫慂していくということにおいては、やはり一定の的確な評価もしていかなければならないと、こう考えているわけでありまして、その中で我々、適切に検討していきたいと、薬価については適切に検討していきたいと、このように思う次第でございます。
○小池晃君 本当に画期的な新薬を支援するという仕組みになっていないわけですよ。
これ、この新薬創出等加算が適用されているのが、薬剤費でいうと二九%の薬剤費に加算が適用されているということも言われているわけですよね。三割近いものが画期的な新薬ですか。これは私はどう考えたって納得できないですよ。だから、見直すべきだというふうに言う声が上がるのは当然じゃないですか。アメリカの要求には屈しないというふうにおっしゃったけれども、いつも何か屈しているように思うので。
この問題は、じゃ、必ずこれは廃止、ゼロベースでの根本的な見直し、これやられるんですね、この新薬創出加算の見直しは。
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘の点は、去年の十二月に薬価制度の抜本改革に向けた基本方針というのを出させていただいて、理念としては、先ほどお話がありました、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進を両立し、国民が恩恵を受ける国民の負担軽減と医療の質の向上を実現する、そういう中で、この新薬創出加算については、革新的新薬創出を促進するため、この制度をゼロベースで抜本的に見直すこととし、ということでありまして、今そうした方向にのっとって議論をさせていただいているというところであります。
それから、済みません、先ほど会社の名前のときに、武田薬品工業を製薬工業と申し上げたので、訂正させていただきます。
○小池晃君 この薬価を引き下げる、これ、やるべきなんです。その部分を、やはり、先ほど総理から答弁なかったけれども、それをやっぱり診療報酬本体に充てるべきじゃないですか。それをやることによって、今の医療現場の長時間過密労働、あるいは医師の働き方改革をめぐる危機的な状況を打開するという政治の責任を果たすべきではないかということについて、先ほど答弁がなかった。
薬価引き下げて、その分を診療報酬本体に充てるというのは、総理、かつて国会で言われているわけです。薬価差の一兆円がそのままお医者様の懐に入っているのではなくて、その根底には、現在の診療報酬が果たして適正なものであるかどうかということにもなってくる、薬価差の一部は、例えば病院の修理の方にも回っている、薬価差を適正にすると同時に、診療報酬における技術料を適正に評価するべきだという声も強くあるというふうに言っている。
今、報道の中では、薬価は下げるけれども診療報酬でそれをカバーすることはしないというような、いわゆるネットマイナスみたいなことを言われているけれども、やっぱり、私は、薬価の下げた分は全部きちんと本体に充てて、やっぱり今の更に医療を充実させるということに充てるべきだと思う。総理がかつて言っていたことは、まさにそういうことじゃないですか。そういう方向で、この診療報酬の改定について総理のイニシアチブを発揮するべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、この薬価については、これは、毎改定時にこれは下がっていくわけでございますが、次の診療報酬の改定につきましては、先ほど申し上げましたように、様々な観点からこの診療報酬の改定を行っていきたいと、こう思っているところでございます。
(発言する者あり)
いや、かつて言ったことは、かつて言ったことについては、私も今でもそのとおりに考えているところでございます。
ただ、ただ、私はそう考えておりますが、しかし、それは様々な、様々な要素を検討し、最終的に判断をしていきたいと、このように考えております。そのときに考えていたことは今も変わりはないわけでありますが、様々な要素をしっかりと判断していく必要があると考えております。
○小池晃君 様々なこと、ああ言いながら、これ正しいと。正しいんだったら、やりましょうよ。
これ、やるべきじゃないですか。やっぱり、医療の危機を打開するというのは政治の最大の課題だと私は思いますよ。
私、診療報酬、介護報酬のマイナス改定は断じて許されないと。社会保障費の自然増の削減、こういう方針を改めて、やっぱり、医療、介護、福祉、抜本拡充に道を開くと。今度の診療報酬の改定、介護報酬の改定でマイナス改定なんていうのは、今、今日、いろんなことをおっしゃったから、それは大切だということもおっしゃったから、これは注目しますので。
もし今日の答弁と違うようなことをやったらば、これは予算委員会を緊急に開いていただいて徹底的に議論をするということを申し上げて、私の質問を終わります。
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