赤旗2017年11月25日付
日本共産党の小池晃書記局長は24日、東京都内で開かれた第79回日本臨床外科学会総会での政党討論会に出席し、「医師の働き方」について、各党の医師出身国会議員と議論しました。
政府は、医師については時間外労働の上限規制見直しの「適用猶予」としていますが、医師の過労死が相次いでおり、医師の働き方は重大な焦点となっています。
討論会で小池氏は、医師の長時間・過密労働の解消について、「医療の安全性の確保という点でも、女性医師が増えてきているなかでワーク・ライフ・バランスをどう保障するかという点でも一刻の猶予も許されない課題だ」と指摘しました。
小池氏は、医師不足など現在の医療体制のままでは困難があることにふれつつ、「だからと言って労働条件の問題の解決に二の足を踏むのではなく、これを改善するなかで地域医療をどう維持していくかという点で、力を合わせるべきだ」と強調。計画的な医師の増員や診療報酬の引き上げに合わせ、長時間労働是正への公的支援が必要だと語りました。
司会の炭山嘉伸東邦大学理事長は、働き方改革や医療体制充実に向けた財源の確保について小池氏に質問しました。
小池氏は、薬剤費の引き下げとともに大企業の内部留保の活用を提起。「内部留保は400兆円を超えている。この一部でも、社会保障の財源にまわすべきです」と述べました。安倍政権が診療報酬のマイナス改定を狙っていることについては「安倍首相は賃上げを財界に要求する一方、日本の労働者の1割以上を占める医療・福祉従事者の賃下げにつながる診療報酬や介護報酬を引き下げるのは矛盾している」と批判。安倍政権が進める社会保障費の自然増削減路線は「医療の大崩壊につながる。絶対やめるべきだ」と述べ、医療界と力を合わせ中止に追い込む決意を語りました。
診療報酬のマイナス改定について、自民党・古川俊治参院議員は「医療界だけ賃上げしないでふざけるなと言っている」と発言。小池氏は「与党も共産も診療報酬をあげろと言っているのになぜ上げられないのか。(マイナス改定は)道理が通らない」と訴えると、会場からは大きな拍手が起こりました。