赤旗2017年8月22日付
日本共産党の小池晃書記局長は21日、国会内で記者会見し、安倍政権が進める米国製無人偵察機グローバルホーク(GH)の導入費用が大幅に膨らみ、さらに増える恐れが高いとした防衛省の内部文書を明らかにしました。小池氏は、17日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)の合意が軍拡計画を盛り込んだことに触れ、「米国いいなりでグローバルホークを導入するのではなく、直ちに中止すべきだ」と強調しました。
内部文書は、6月28日付で防衛省整備計画局が作成したとみられる「今後のGHの取得の方針について」と、「7月○日」付で整備計画局と防衛装備庁の名前が併記された「グローバルホーク導入事業の今後の方向性について」の二つ。6月28日付の文書は、価格が予定より23%(約119億円)上昇するとの米国からの報告を受け、官邸などと調整し「8月末の30年度(2018年度)概算要求時点で、事業中止を対外的に発表する」としています。
一方、「7月○日」付文書は、さらに25%を超える可能性に言及しながら「GHの能力は我が国を取り巻く安全保障環境へ対応するためには必要不可欠」だと断言しています。
小池氏は、「2プラス2」の日米合意が「日米同盟の強化」を宣言し、新ガイドライン(日米軍事協力の指針)と安保法制=戦争法に基づく米軍と自衛隊との軍事協力のいっそうの推進を打ち出したと指摘。19年度以降の「中期防衛力整備計画」でのさらなる軍拡が示されたこともあげ、「安倍政権の防衛費は4年連続で5兆円を超えている。国民にも国会にも明らかにしないまま、さらに歯止めのない軍拡を進めることは許されない」と批判しました。
小池氏は、トランプ米政権による武器購入圧力に屈してはならないとし、「導入経過の全容を明らかにするとともに、導入はきっぱり中止すべきだ」と主張しました。
防衛省の内部文書
◆グローバルホーク導入事業の今後の方向性について(PDF)
◆今後のGHの取得の方針について(PDF)