日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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2013年10月24日 参議院予算委員会 速記録

2013年10月24日

参議院予算委員会
2013年10月24日

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
首相は、消費税増税の決定に当たって、景気は順調に上向いてきているというふうにおっしゃいました。しかし、国民にそんな実感はあるだろうか。時事通信社の十月の世論調査では、景気回復を実感するかという質問に、実感すると答えた人は一八・五%、実感しないが七六・四%で、これは半年前より増えています。半年前は六八・六%でした。
そこで、総理、景気回復を実感しない人が増えている理由、どうお考えですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この景気については、例えば成長率については、昨年の四―六がマイナス一で、そして七―九がマイナス三・八だったわけでありますが、十―十二になってプラス一になって、そして一―三がプラス四・一になって、四―六がプラス三・八に上がってきたということでございまして、そういう中においてやっと設備投資も出てくる。消費はある意味では順調でございますので、その中において、しかし、まだまだそれは、その景気の波は地方に、全国津々浦々までに行っているとは言えない状況でありますが、そういう状況の中において消費税を上げていく、そしてその中において腰折れをさせないという対策のプランをまとめましたし、また同時に、低所得者の対策もしっかりとその中には入っているということもございまして、今回そういう判断をしたところでございます。

○小池晃君 そういう実態をやっぱり壊してしまうのが消費税増税、更に悪くしてしまうんではないかと思うわけです。(資料提示)
今いろんな経済指標をおっしゃいましたけれども、おっしゃらなかった賃金ですね、長期にわたって賃金は減り続けている。中身を見ますと、九〇年から九七年までは賃金増えているわけです。大体五十万円増えましたね。ところが、その九七年に消費税の増税をやって以来、景気が冷え込み、それ以降、十五年間で働く人の年収は七十万円減っているわけであります。
ここで五%から八%に増税したら一体どうなるか。これはもう暮らしに深刻な打撃を与えて、景気にも大変な悪影響を及ぼすのではないかと思いますが、総理、いかがですか。総理、総理。

○委員長(山崎力君) 甘利担当大臣。(発言する者あり)

○国務大臣(甘利明君) 景気の回復には、それを可とするような条件の整備と、それから時間軸が当然必要であります。私どもはその環境の整備をいたしました。そして、時間軸に従って具体的な行動を起こしております。これは、景気循環をただ待つための環境整備ではなくて、それを加速するための働きかけも行っているところでございます。もちろん、今日言ってあした良くなるわけではありません。しかし、間違いなく各種データは改善を示していく、そのデータが改善をしない限り景気は良くなっていかないというふうに思っております。

○小池晃君 全く答えていないんですよ。賃金下がっているのに消費税増税したらどうなるんですかと聞いている。答えてください、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、小池委員がお示しになったこの表でありますね。ですから、我々も、九七年、三%を上げた。その後、アジアの通貨危機等がございました。日本はデフレに陥って経済は低迷をしていくという状況の中において、十五年間続いてきた。そこで、私たちは、まずは、賃金が下がり続けた、デフレが進んでいく中において賃金は物価以上に下がってきたという大きな問題があります。
そして、その中において、第一次安倍政権においても、企業が大きく収益を改善をいたしました。しかし、賃金上昇にはつながらなかったということも反省をいたしながら、検証をしながら、今回の景気回復においてはタイムラグが、実際に企業が収益を上げてから賃金にそれが跳ね返ってくるまでは少しタイムラグが確かにあるんですが、なるべくそれを縮めていくために様々なこれは機動的な財政出動もしておりますし、そして経営者の皆さんへの働きかけを行いながら、何よりもまずはデフレから脱却できると、こういうマインドチェンジが大きいわけでありますが、マインドがチェンジされることによって、企業がお金をため込むことよりも、これはしっかりと投資をしていく、あるいは人材を確保していく、先手を打った方がこれは企業にとって生産性、将来の生産性につながっていくわけでございますから、そういう状況を今私たちはつくりつつあると、これが大きな変化と言えると思います。

○小池晃君 いろいろおっしゃいましたけど、結局、やっぱり賃金は下がっているということは認めざるを得ないし、賃金の上昇に結び付いていないという現実はお認めになるわけですよ。そういうときに消費税の増税やったらどうなるかということを言っているわけであります。財政のためだというふうにおっしゃいますが、果たして良くなるんでしょうか。
といいますのは、九七年の消費税の増税の際、これは結局、景気が悪化したために、法人税収、所得税収は減りました。それに加えて、景気対策だと言って法人税の減税繰り返しましたから、増税後三年間を見ますと、消費税の増収分五兆円を超えてそのほかの税収が十一兆円減り、トータルで六兆円税収は減ったわけです。今度はこういうことになりませんと言える根拠はありますか。

○国務大臣(麻生太郎君) 御存じで聞いておられるんだと思いますが、九七年のときに下がったというのは事実です。しかし、そのときに何があったかといえば、法人税が下がったのは、これは法人税そのものを下げていますからね、制度減税していますから、たしか私の記憶ですけれども。ですから、あのときは十一兆減りましたけれども、法人税の制度減税であれは五兆円ぐらい引いたと思いますね、トータルで。ですから、結果として十一兆のうちの半分の五兆円は制度で下げたということだけちょっと言わないと公平さを欠きますので、言わせていただきたいと存じます。
それから、続けて、このときの場合は、九七年度の場合は、アジアの金融危機が起きて、三洋証券が倒産して、山一が倒産して、北海道拓殖銀行が倒産、明けてすぐ長銀が倒産して、不動産銀行、いわゆる金融危機というものがばたばたばたっと起きたというのが非常に大きな現象だったと思いますので、いずれにしても、消費税を引き上げるということによってその時期が重なったというのは間違いなく不幸な事実だったとは思いますけれども、今言われましたように、今度の場合はそういったことがないようにいろいろ対策をしていると御理解いただければと存じます。

○小池晃君 総理のブレーンである浜田宏一エール大学教授は、この九七年の増税の影響というのは、これは増税だけじゃないんだと、主因じゃないんだという議論は財務省弁護のための議論だと、それは信用できないと、当時の不況は複合汚染だったんだ、増税の影響を認めないのは科学的とは言えないと言っていますよ。まあ、財務省だからね、そう言うんだと。まあ、いいです、いいです。
しかも、制度減税をこれからやろうとしているじゃないですか。総理は、実効税率の引下げだって検討しているわけでしょう、主張しているわけでしょう。しかも、九七年のときは初めから予定していなかったですよ。これは消費税増税で景気悪くなったから法人税減税したわけでしょう。今度はもう増税とセットで初めからやろうというわけですから、これだったら九七年よりも大変な事態になるのではないかというふうに思うわけですよ。
改めて、私は消費税そのものについて問いたいんです。消費税の逆進性です。
これは、みずほ総研の調査、今パネルにしましたが、これ見ますと、年収に対する負担率で比較をしますと、今の五%でも年収三百万円未満だと四・一%の負担率です、年収に対する消費税の負担率、家計収入に対する。これが年収一千万円以上だと一・七%。低所得世帯ほど負担重いわけです、消費税は。なぜかといえば、収入の大半が消費に回るからですよ。これが八%になればどうなるか。それぞれ六・五%と二・七%。一〇%になれば八・一%と三・四%。もう負担率の差はどんどん拡大していくわけですね。
ただでさえ、アベノミクスというのは、恩恵を味わっている人はごく一部ですよ、富裕層あるいは輸出大企業だと。一番大変な思いをしている人たちに重いのは消費税ですよ。このアベノミクスの恩恵を味わっているごく一部の富裕層、ここはそのままにして負担の軽い消費税、一番暮らしの大変な人々に消費税の増税をするということをやろうとしているわけですよね。
総理、日本の貧困と格差をますます拡大させていく、こんな道を進んでいいんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初にお答えをさせていただきましたように、確かにこの消費税を引き上げることによって景気の回復を腰折れさせる危険性はあるわけでありますから、だからこそ有識者の皆さんに集まっていただいて御議論をいただいた。その御議論も踏まえて今回は対策パッケージを、経済対策パッケージを取りまとめたわけでありますが。
なぜそもそも我々が消費税を引き上げるかといえば、社会保障の安定財源の確保は喫緊の課題であります。その財源としては、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定しているということ、そして勤労世代など特定の者への負担が集中しないことから消費税がふさわしいということになって、昨年、自民党、公明党、そして民主党三党で、我々野党ではありましたが、当時の与党の民主党の案に賛成をさせていただいたところでございまして、消費税は所得の低い方々ほど負担する割合が高いとの観点から逆進的であるとの指摘もございますが、この消費税の税収は全て社会保障財源化して所得の低い方々を中心に還元をするとともに、引上げに当たって簡素な給付措置等の所得の低い方々への対応も講じているわけでございまして、いずれにいたしましてもしっかりと、この消費税の引上げ、財政の健全化と経済の再生を両立をさせて強い経済を取り戻し、社会保障の基盤をしっかりとしたものにしていきたいと考えております。

○小池晃君 社会保障のためだと言うけれども、八兆円の消費税増税のうち社会保障充実に回るのは五千億円だというわけですよね。しかも、年金の削減が始まっている、医療費の値上げも計画されている。一般の人々は社会保障は良くなっている実感なんて全くないですよ、今のやり方では。
経済対策やるからパッケージだというけれども、八兆円の消費税増税で景気悪くなるんだと、それを心配して六兆円の景気対策やるというんだったら、来年の四月の増税を中止するのが一番の景気対策になるじゃないですか。
しかも、今給付というふうにおっしゃった。私、手紙もいただきました。低所得者対策というけれども、一体どんな生活しているのか知らないんじゃないかというお手紙です。年に一、二回現金給付を受けても普通の生活であっという間に消える、毎日切り詰め切り詰めだ、焼け石に水ですと、次の日からは消費税増税されたものを買わなければなりません、助かったという意識はほんの二、三日で、あとはまた物の買えない日々が続くと。この方は年に一、二回とおっしゃっているけれども、これ、一年半に一回こっきりでしょう、一万円を一年半。毎月五百五十五円ですよ、ワンコインですよ。これでどうして逆進性が解消できるんですか。
私たちは、消費税は負担が重いから、負担が増えるからただ反対などという単純な議論をしているわけではないんです。応能負担、生計費非課税の税の大原則に反する最も不公平な税制である、だから、これを拡大することは不公平である、不正義である、富裕層には軽く、苦しい暮らしをしている人には重くのしかかるこの消費税の増税はやるべきではない、許されないと申し上げているわけです。
さらに、今回、怒りを呼んでいるのが復興特別法人税の前倒し廃止ですね。同じ復興特別税でも、所得税は二十五年間、住民税は十年間増税が進むのに、なぜ黒字企業しか支払わない法人税だけ増税を打ち切るのか。これは余りに理不尽で不公平ではないかと。国民の納得が得られると思いますか。総理、総理にお答えいただきたい。総理、答えてくださいよ。

○国務大臣(甘利明君) 社会保障自身を赤字で賄っているわけですね。そうすると……(発言する者あり)今消費税の話をしているんですよ。それをきちんと安定財源で確保しなければ持続性は確保できないじゃないですか。
復興税の話ですが、長期にわたって、あらゆる社会保障なり日本の国体全体を維持していくための強い経済が必要なんですよ。委員は、ほうっておいても日本の企業は日本にとどまって、どんな重税を課しても、利益を上げて納税をするとお考えなんでしょうか。日本経済を支えていく、長期に支えていく強い経済が必要なんですよ。そのためにこれをやっているんです。
それから、消費税が五%、今、日本は五%です。これから上げたらとんでもないことになる、だとしたら、世界中の国はみんなとんでもないことになっているはずですよ。

○小池晃君 全く聞いていることに答えていないんですね。重税を課せなんて言っていないですよ。この間、日本の大企業、後で議論しますけど、こういう中で内部留保を二百七十兆円、八十兆円と積み上げてきているのが実態でしょう。さんざんこういうことをやっている中で、何で消費税なのかと言っているわけです。
で、私、質問答えていないです、復興特別法人税の廃止に国民の納得を得られますかと。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この復興特別法人税の廃止については、これは確かに今委員がおっしゃったように、国民みんなで復興のために自ら身を切ろうというきずなのあかしであるということは私も重々承知をしております。
それを承知の上で、今回特別の措置を行うということを決意した理由は、企業はやはりこれ世界の競争の中で勝ち残っていかなければならないという厳然たる事実があるわけでございます。そこで、企業が倒産したらこれは法人だからといって関係ないというわけにはいかなくて、そこで多くの人たちが働いていて、それが生活の基盤になっているのも事実であります。
そこで、ただ、今おっしゃっているように、それが全部内部留保に行ったんでは我々も意味がないというふうに考えておりますので、大きな変化を与えるべく、まずデフレ経済を脱却して、デフレから物価安定目標二%という目標を立てたわけでございますから、お金を持っている経営者はむしろ能力のない経営者であって、これからどんどん投資をしていく、設備だけではなくて人材にも投資をしていく、正しい判断ができる、先回りしてできる経営者こそ優れた経営者と言われるようになるわけでございまして、さらには、経営者の皆さんに、早く賃金にこれを還元されて、そして消費が増えて、さらには企業の収益が上がっていくといういい循環に早く入ることがこれは日本全体のためでしょうということを今共通の認識をつくりながら、多くのこれは方々に賃金に反映させていくことを考えるという心強い反応を得ているところでございます。

○小池晃君 そういう正しい判断をしてくださるのであればいいんですが、例えばロイターの調査で、復興特別法人税を廃止した場合に何に使いますか、そのキャッシュフローはどこに回りますか、賃上げは五%ですよ、雇用拡大五%ですよ。そして、最も多かったのは内部留保ですよ。これが実態なんですね。これで賃上げに回るなんということを何の根拠もなく言ってもらっても困ります。
私、被災地の実態を見てまいりました。所信で総理は復興は新たな段階に入ったというふうにおっしゃっておりますが、とても十分なものではないですよ。実際回りますと、例えばですよ、今年度打ち切られた医療、介護などの一部負担金の減免制度、これ、復活を望む声は物すごく強いです。
岩手県保険医協会のアンケート調査では、これ、岩手県というのは国の援助、支援を打ち切られた後も続けているんですが、これがもし終了したらどうするかと。四五・八%の人が通院回数を減らす又は通院できないというふうに言っています。既に免除が打ち切られた社保では四三・六%の人が受診を控えております。これが実態です。
被災者の生の声を聞いてきました。仮設住宅から出る当てもないのになぜ負担だけ増やすのか、せめて医療や介護の費用だけでも安心して受けられるようにしてほしいと、これが切実な声なんです。
厚労大臣に聞きますが、私はこれ復活させるべきだと思うんですが、これ、復活のための財源はどれだけあればできるんでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 平成二十三年度に東日本大震災で被災地になられたところ、この地域に関して、被用者保険の保険料それから自己負担部分、これに関して減免を行った。それに対して、費用援助を全額国がさせていただいたわけであります。これに関しまして、市町村国保、介護保険では合計六百四十一億円、被用者保険等を含めた医療保険全体と介護保険では合計約一千八億円でございます。
今現状はどうかということになりますれば、それよりかは若干なりとも全体は上がっておると思いますので、同額以上ということになろうと思います。

○小池晃君 医療、介護の負担減免、これ、国保、介護に絞れば六百四十一億円、社保も含めば一千億円。一方で、何で九千億円の復興特別法人税を打ち切るのかと。これ、迷惑掛けないからいいですという問題じゃないんですよ。もっともっとやるべきことはあるわけです、今実際に。医療、介護だけじゃありません。住宅再建支援金の引上げあるいはグループ補助の拡充、望んでいることがいっぱいあるときに、なぜこの法人税の増税だけやめてしまうのかと。
陸前高田の市長は、復興も進んでいないのに、国がまず復興と名の付くものに手を付けたことが本当に不安になるんだと、政治が見てくれていないと感じることが被災者には一番つらいと、こう言っているわけです。東日本大震災という未曽有の被害から立ち直るために、せめて法人税を払っている黒字の企業は負担能力に応じて負担してくださいと、これが筋であって、もう終わりでいいです、そういう話じゃないでしょう。
これ、むしろ政府は財界に対して、三年と言っていたけれども復興法人税はもっと続けてほしいぐらいのことを言わなきゃいけない。前倒しでやめるなど言語道断だ。撤回してください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この財源、今九千億というふうにおっしゃったんですが、この復興特別法人税を前倒しをして廃止する財源は、もちろんこれは、復興の予算は安倍政権ができてから十九兆円のものを二十五兆円に六兆円増やしました。これはもちろん減額はいたしません。この特別法人税廃止のために必要な予算は、まさに私どもが進めている経済政策によって増えた、自然増収によって増えたお金を投入するわけであります。
それをほかに使ったらいいではないかと、そういう考え方ももちろんあると思いますよ。しかし、せっかくこのように上振れが出るようになったこの経済、景気を安定的なものにしていくことも大切でありまして、来年のこの消費税引上げ、これがここ一番大切なことでありますから、そこにしっかりと投入をしていこうということであります。もちろんその前提は、今、小池委員がおっしゃったように、しっかりと経営者の皆さんにもその思いを分かち合っていただくということであります。
今年の通常国会におきましても、小池委員、あるいは大門委員、笠井委員から企業にこれ賃上げを働きかけろと、こう言われて我々はそのとおりやったわけでありまして、それなりの効果は出たのではないかと、このように思いますが、今回もそういう形で頑張っていきたいと、このように思っているところでございます。

○小池晃君 いや、総理の希望的観測はよく分かりますよ、その気持ちは。ただ、気合だけではできないと宮沢洋一自民党の参議院議員が本会議で言っていたじゃないですか。何の保証もないんですよ、今のこのやり方では。しかも、上振れがある、それはいいじゃないですか。その上振れに加えて法人税で、頑張ろう日本と言っているんだから、みんなで支えましょうと、これがやるべきことじゃないですか。
消費税の問題、これ私、一かけらの道理も今回ないと思います、このやり方には。私たちは財源のことどうでもいいなんて言っておりません。消費税ではない別の道こそ安定した財源になる。やはり富裕層に、そして大企業にはやっぱり応分の負担を求めていくと。この道を進むべきだし、やはり国民の所得が増える内需主導の経済改革で税収を増やすということに本気で取り組むことが必要だという提言もしております。
しかし、今後の税制の在り方にもし意見の違いがあったとしても、来年四月に増税することは日本の景気にとってやっぱり大変深刻な影響を与えると、その一点でこれ力を合わせようということも呼びかけて、今、増税中止の法案も準備をしております。是非、各党各会派の皆さんにも共同で国会に提出をして増税中止を迫っていくということを求めていきたいというふうに思っています。
それから、先ほどから法人税減税、賃上げにつなげるというお話ありました。これ、今パネルで示しておりますのは、これは法人企業統計ですから、大企業についての数字であります。これまでも法人税の減税というのは、先ほどから言っているように繰り返しているわけですね。その結果、何が起こったか。その結果、働く人の賃金は大体五十万円減っているわけです、これ大企業に限ってですが。内部留保が百三十兆円増えているわけです。株主の配当も七兆円増えています。役員報酬は一人当たり二百万円、千五百万円から千七百万円に増えているわけですね。これがこの間の経過なんですよ、歴史の実態なんですよね。
総理、政労使会議で私たちも賃上げをというふうに呼びかけて、それにこたえて賃上げを政府が言ったと。これ、良かったと思うんです、率直に。ただ、何でこの会議でもう一歩踏み込んで政府から、賃上げのためにこの内部留保を活用しようと、これなぜ言わないんですか。総理、是非言ってくださいよ、これ。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば諮問会議……(発言する者あり)

○委員長(山崎力君) 済みませんが、ちょっとよろしいですか。
傍聴議員に申し上げます。質疑の妨げになります。どうか御静粛にお願いいたします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 諮問会議においても、この政労使の会議においても、麻生財務大臣から、我々政府としてはもうやるべきことをやっているんだから、この内部留保も含めてしっかりと対応してもらいたいという趣旨の発言はなされているわけでございますが、ただ、企業側もこれはキャッシュで内部留保というものは持っているわけではなくて、これは投資等々に回っているものもあるわけでございますが、その中で私どもとしては、デフレ経済から脱却できるかもしれないと多くの企業に考え始めてもらえる状況にはなったわけでございますから、しっかりと人材に充てていただきたいと思いますし、法人納税企業のほとんどはしかし中小企業でもございます。そしてまた、政労使の会議におきましても、経済界から、業種や規模による違いはあるものの、中小企業においても賃金の上昇の動きが広がりつつあるという発言もいただいておりまして、この動きを更に拡大をしていきたいと、このように思います。

○小池晃君 中小企業が圧倒的というのは企業数の問題で、税額でいえばほぼ大企業、中小企業は半々ぐらいですよ。
はっきり言ってください。総理がやっぱり政労使会議出ておられるんだから、内部留保を活用しろと。じゃ、麻生大臣はそういう何かよく分からない趣旨のことをおっしゃったと言うけれども、総理、言ってください、その政労使会議でそのことを発言すると。じゃ、そういうふうにお答えいただきたい。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私からもそれはお願いをしようと、このように、今までも内部留保の活用についても私も言及をしたことがございますが、更に麻生副総理から迫力を持って言及もしておりますし、私からもそういう発言をさせて、これからもお願いをさせていただきたいと思います。

○小池晃君 先ほど現金ばかりじゃないというふうにおっしゃいましたけど、私ども、別に内部留保を全部取り崩せなんて言っていないんですね、その一部でもいいと。しかも、この間増えている、今パネル示しておりますが、内部留保によって、資産構成の変化を見ますと、やはり換金可能な資産が増えているわけですよ、現金預金やあるいは有価証券。だから、これを活用しようじゃないかと言っている。私どもの提案です、これが。内部留保一%を取り崩すだけで八割の企業で月一万円の賃上げできるじゃないかと、こう提案しているわけですね。非正規社員の時給の引上げもできるんだと。是非これを政労使会議で、この場で言うだけじゃなくて、米倉さんに総理が自ら、やはり内部留保を活用して賃上げをするべきだというふうに言っていただきたいというふうに思います。
政府が直ちにできる賃上げもあるわけです。中小企業への抜本的な支援と併せて最低賃金を時給千円以上に引き上げる、このことも私ども主張しております。是非これやろうじゃないかと。
それから、若者始め働く人を過酷な長時間労働やパワーハラスメントで苦しめた挙げ句、物のように使い捨てにするブラック企業、この対策も求めていきたいというふうに思っている。
私ども、今国会にブラック企業規制法案を提出をいたしました。中身は大きく言って三つの柱です。一つは、長時間労働を是正をしていく、年間の総労働時間を労働基準法に法定すること、仕事が終わってから次の仕事まで十一時間のインターバルを置くということを決める、サービス残業は残業代二倍にして、いわゆる倍返しという形でサービス残業を根絶をしていく、そして労働条件などの情報公開を、しっかり求人情報なども情報公開していく、離職率なども情報公開をする、そしてパワーハラスメントを規制する、こういう中身です。
総理、是非これを実現しようじゃないかと。私は、これは党派を超えて、まさに今の日本のこの物のように使い捨てにする働き方をなくす、そういう提案だと思っております。是非これを実現するために総理にも力を発揮していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
それから、法改正待たずに取り組めることもいろいろありますから、是非やっていこうじゃないかと。どうでしょうか、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御党が提出をされた法案については国会において御議論がなされるものと思いますが、政府としては、若者の使い捨てが疑われる企業等は社会的に大きな問題であると考えております。
このため、本年九月には過重労働重点監督月間の取組として、賃金不払残業や長時間労働などが疑われる四千件以上の企業等に重点的な監督指導を行うなど、対応策を強化をしております。さらに、若者が適切な職業選択ができるよう企業の魅力発信や就職関連情報の開示なども併せて進めているところでございます。

○小池晃君 是非この法案の中身も御検討いただいて、こういう方向でのやっぱり法改正、共に力を合わせようじゃないかと、これはもう全ての会派の皆さんに訴えたいというふうに思うんです。
そこで、何でこういうブラック企業というのははびこってしまうのかというその背景について議論したいと思うんです。やっぱり背景にあるのは雇用の破壊ですよ。やっぱり正社員が本当に今減っているという実態があるわけですが、総務省に聞きます。先日、五年に一度の総務省の就業構造基本調査結果が発表されました。非正規雇用は今どのような状況に、増えつつあると思うんですが、実態をお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(須江雅彦君) お答え申し上げます。
平成二十四年十月実施の就業構造基本調査の結果では、役員を除く雇用者全体に占める非正規職員・従業員の割合は三八・二%でございまして、過去二十年間の同調査の動きを見ますと、男女共に上昇傾向が続いております。同調査におきましては、過去五年間に転職を行った就業者約千五十万人の異動状況も見えますが、これにおいては、前職が正規の職員・従業員であった者約五百万人のうち、非正規職員・従業員に異動した者の割合は四〇・三%、また、前職が非正規職員・従業員であった者約五百五十万人のうち、引き続き非正規職員・従業員となった者の割合は七五・八%となっておりまして、いずれも十九年、前回調査より数ポイント上昇しております。

○小池晃君 非正規雇用が二千万人を超えて四割に達する、正規から非正規への流れが強まっている、これが実態なんですね。
そして、それが賃金の低下の原因であることも政府は認めてきました。労働経済白書、この三年間、同趣旨の記述があるわけです。平成二十三年版、相対的に賃金水準の低い非正規雇用者の割合が増加することは労働者の平均賃金を低下させることになる、これが大きな低下要因となってきた。平成二十四年版、非正規雇用者比率の上昇が賃金の減少の最大の要因となってきた。平成二十五年版、現金給与総額の低いパートタイム労働者の比率の上昇が一貫して現金給与総額の減少要因となっている。繰り返し言っているわけですね。
総理にお聞きしますが、総理もやはり非正規雇用者の増大というのが賃金下げる大きな原因になっているという認識をお持ちですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 非正規雇用の方々については、能力開発の機会が乏しくセーフティーネットが不十分であるなど課題も多いと思います。
このため、強い経済を取り戻し雇用の拡大と賃金上昇につなげていくとともに、非正規から正規へのキャリアアップの取組を進めるなど経済・雇用政策等を連携させて支援していくとともに、短時間労働者に対する被用者保険の適用など、セーフティーネット機能を強化することにより労働環境の改善を図っていきたいと考えております。
そして、もちろんそれは、非正規の方がこれは増えていけば、それは労働条件は正規の方より悪いわけでありますから、平均すればこれは改善をしなければいけないという状況になっていくんだろうと。
大切なことは、これは、正規になりたいという方に対してはしっかりとチャンスが開けている社会をつくっていくことではないかと、このように思っております。

○小池晃君 非正規増えることが今の要因、原因だということをお認めになり、その改善が必要だと言いながら、これから政府がやろうとしていることは正反対じゃありませんか。非正規雇用を増やすようなことばかりを今計画しているわけですね。
日本再興戦略が雇用の規制緩和のプランを打ち出して、来年の通常国会に次々と法案の提出が、今、労働政策審議会などで検討されているわけであります。その中身は、派遣労働の拡大や有期雇用の拡大で非正規雇用を更に増やす中身だと。あるいは、より解雇しやすくするために限定正社員や解雇の金銭解決の導入、裁量労働制の拡大、残業代ゼロのホワイトカラーエグゼンプションの導入、長時間労働、ただ働きの拡大につながるようなものばかりなんですよ。
総理自ら、非正規が増えれば労働条件は悪化すると、この改善は必要だと今おっしゃった。じゃ、なぜその一方で賃下げの圧力にしかならない非正規雇用の拡大を進めるのか、これでどうやって、先ほどから賃上げするんだとおっしゃるけれども、やろうとしていることは賃下げばかりじゃありませんか。どうなんですか。
総理ですよ。

○国務大臣(田村憲久君) 労働者派遣法一つ取りましても、派遣労働者の保護それから雇用の安定、処遇の改善、こういうことも含めて今労働政策審議会で御議論をいただき始めたところであります。
それから、今限定正社員というようなお話もございましたが、そもそもこれは非正規の方々が正社員になられる中において、多様な働き方、この一つの形態としてこういう御提案をいただいておるわけでありまして、決してこれをもってして非正規を増やそうというようなことを考えているわけではありません。
さらに、裁量労働制にしても、これもより生産性の上がる働き方というのはどういうものか、こういうことを労働政策審議会の中でいろいろと御議論をいただきながら、決して労働者に大変厳しいような状況をつくろうというような、そんな思いの中で始まっておる議論ではないということを御理解をいただきたいというふうに思います。
あわせて、今総理がおっしゃられましたけれども、非正規で働いておられる方の中でも本当は正規で働きたいんだと思っておられる方々が正規で働けるような、そういう環境をつくるためにいろんな今政策を作ってきておるわけでございまして、その点は御理解をいただきたいというふうに思います。

○小池晃君 厚生労働大臣がこれじゃ駄目ですよ。やっぱりきちっと労働者を守るという立場で仕事してくれなきゃ何のための厚生労働大臣なんだ。
非正規雇用の待遇改善というのは必要ですよ、当然。それはやるべきです。しかし、そのためにも非正規から正規へという施策が必要なんです。ところが、それが全くないわけですよ。
結局、今検討しているような中身でいえば、派遣労働も永遠に続けられるような中身を考えられているわけで、あるいは有期雇用も、五年、それを十年だと。十年働いても正社員にならないような社会でいいんですか。そして、一生派遣労働で終わるような社会でいいんですか。この間、規制緩和をやってきたことによって非正規雇用の労働者がどんどん増えてきた。その歴史的事実をはっきり見なきゃ駄目ですよ。
それから、多様な働き方の実現と言うけれども、現場の実態とは全く違います。厚労省の派遣労働者の実態調査では、派遣を選んだ人の理由、男性の四九・五%、ほぼ半分は、正社員として働きたいけれども職が見付からなかったと。結局、今のやり方をすれば正規になれるなんという道はないです。しかも、非正規のままいつ首切られるか分からないような状態が更に長くなっていくというような規制緩和ですよ。
総理、答えていただきたい。いつでも雇い止めされるような不安定さに加えて、賃金格差も、福利厚生の面でもやっぱり格差は大きいわけです。これを解決することをやはり本気でやらなければいけないでしょう。賃上げ政策は気合だけだと、そして賃下げ政策は非正規雇用拡大のメニューが満載だと。これでどうして労働者の労働条件は良くなるんですか、賃上げが実現できるんですか。お答えいただきたい。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど田村大臣からも答弁させていただきましたが、まずは、この非正規の方の中から正規に移りたいと、正社員になりたいという方々がその道がちゃんと開かれている、そしてそのためのキャリアアップ、能力開発ができるようにしていくということが大切でありまして、そのための様々な支援を行っているわけでありますし、企業側にもそういう対応を取るように促しているところでございます。
と同時に、私たちが今行っている雇用のこれはある意味弾力化については、そのことによって雇用が拡大をしていくように、そして、働き方の形態が様々多様化している中において、そういう多様化しているこのニーズにこたえていくためでもあるわけでありまして、それは決して非正規労働者を増やしていくことではないわけでありますし、言わばデフレに拍車が掛かるわけではなくて、逆に、つまり強い経済を取り戻して、今の動き、このデフレ脱却の中において賃金もしっかりと上がっていく、そういう経済をつくっていくために資するものをしっかりとメニューに入れているところでございます。

○小池晃君 全く今やろうとしていることの中身が分かっていらっしゃらないようです。
派遣労働はもう上限規制を撤廃して、これは今までは専門二十六業務、これも大変問題あったけれども、その部分だけだったのを、全ての業種にわたってこれは上限規制を撤廃して、いつまでも派遣労働で働けるようにしようという改悪ですよ。有期雇用だって、五年で正社員、これも全然この五年前に首切られるような実態あるわけだけれども、これを更に広げると。これでどうして正社員増えるんですか。こんな規制緩和やったら非正規がどんどん広がるだけじゃないですか。
そして、非正規雇用の労働者が一体どんな状況に置かれているか。コーヒーショップの大手シャノアールが全国で展開しているカフェ・ベローチェで働いていた二十九歳の女性の例をちょっとお話ししたいんです。
この方から話聞きましたが、私は時給八百四十円で働くアルバイトでした、二〇〇三年にオープニングスタッフとして働き始め、店長とほとんど同じ仕事をする責任者として働きましたが、正社員よりはるかに少ない給与の上、ボーナスも各種手当も出ない、店長がいない時間帯は店の責任者だった、新人教育もクレーム処理もやってきた、正社員の店長が一、二年で次々替わる中で店を支えてきたのは私たちだった、ところが、三か月更新の契約を三十回重ねて、足掛け八年、一生懸命働いてきたのを、突然契約更新できなくなったと言われる、働き続けたいと言ったけれども聞き入れられなかったと。
人事部長はこう言ったそうです。定期的に従業員が入れ替わって若返った方がいい、会社ではこれを鮮度と呼んでいる、従業員が入れ替わらないと店の鮮度が落ちる。この女性は、人を使い捨てにするだけではなく、女性を物扱いし、年齢を重ねた女は必要ないと言われたことは許されないということで闘っておられます。シャノアールでは約五千名のアルバイトの人が働いているというわけですが、そんな大手企業でこんな無法が起こっているわけですよ。
人間は物じゃないでしょう。働く人を鮮度が落ちたなどと切り捨てるような社会で総理はいいと思いますか。いかがですか。総理、答えてくださいよ。

○国務大臣(田村憲久君) 一般に、労働契約期間が切れた、そのような有期労働にいたしましても、継続的に契約をしておって、その結果、労働者が合理的に期待を有するというような場合に関しましては、これは判例で雇い止め法理というものが、これができ上がっております。
結果的に、労働契約法、先般改正をいたしました労働契約法でこの雇い止め法理、これを法定化をいたしておりますので、そのような意味からいたしますれば、今申し上げたように、客観的、合理的な理由がなく社会通念上相当と認められないような、そのような雇い止めであるならば、これは無効ということになるわけでございます。
でありますから、例えば総合労働相談コーナーでありますとか、御相談いただければ対応させていただくということになりますし、場合によっては紛争調整委員会、こちらの方にお声掛けをいただければあっせんということもあるわけでございますので、是非ともそのような場合にはそのようなところにお声掛けをいただければ有り難いというふうに思います。

○小池晃君 この方は、労働契約法が国会に提出された日に会社側から、もう五年たったら正社員にしなきゃいけないから首ですと言われたんですよ。法律を作ったことが追い込んだんですよ。こういう実態なんです、今の企業。
総理、こういう社会でいいのかということに答えてほしい。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに我々もそういう社会でいいとは思っておりません。ですから、今厚労大臣が答弁させていただいたように、そういうことをする経営者に対応して、何回も繰り返していくようであれば、本人は期待しているわけですから、何回も繰り返していく、この延長が繰り返されていくわけでありますから自分は期待されていると、正社員になれるという期待を持っている中において雇い止めをするというのはこれは不当であるということをはっきりとさせながら、ただ、これはそうなっているんだということを御存じないアルバイトの方々や非正規の方々もたくさんおられるわけでありますから、これは周知徹底をしていきながらしっかりと相談もできる体制を取っていかなければならないと、このように考えているところでございます。

○小池晃君 労働者の一番の願いは、多様な働き方じゃないんです。やっぱりきちんと評価してほしいということなんですよ。人間らしく働きたいということなんですよ。それにやっぱりこたえなきゃいけない。
総理は、衆参本会議で、若者応援企業宣言事業を活用するというふうに答弁されましたが、厚労大臣、ここで聞きますけど、この若者応援企業宣言ができる企業というのはどういう企業、どういう求人出している企業ですか。

○国務大臣(田村憲久君) 若者応援企業は、幾つか条件があるんですけど、その中で今求人という話がございましたので。正規社員の求人をハローワークの方に提出をいただいておると。その正規社員の概念ですけれども、基本的に、雇用期間の定めがなく、所定労働時間が通常の労働者と同等ということでございまして、派遣でありますとか請負、こういうものの求人は当てはまらないということであります。

○小池晃君 ちゃんとそういう企業を若者応援企業だというふうに厚労省言うわけでしょう。正社員の求人が若者応援だと言っているわけでしょう。それなのに何で非正規雇用拡大の政策ばかりを打ち出していくのかと。まさに今やろうとしている中身というのは、私は若者応援宣言じゃないと思いますよ、これ。正反対の若者使い捨て宣言じゃないですか。これを改めることが求められている。総理もやはりそういう社会ではいけないというふうにおっしゃった。是非そういう方向での労働政策の転換をしていただきたいんですよ。
総理も参加した九月のG20サミットが採択した宣言、何を言っているか。質の高い雇用を通じた成長を課題に掲げています。そして、生産的でより質の高い雇用を創出することが、強固で持続可能かつ均衡ある成長、貧困削減及び社会的一体性の向上を目指す各国の政策の核であると。求職者に仕事を探す支援をし、少数派及び脆弱層を労働市場へ参加させ、非正規雇用を減少させるために効果的な政策をやるんだと。これを総理も参加してG20サミットでは宣言をしているわけですよ。質の高い雇用こそ安定した成長につながる、人間らしい雇用こそ本当にまともな社会になるんだと。これが世界の流れなんですよ。
是非こういう方向で雇用政策の抜本転換を求めて、質問を終わりたいと思います。

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