日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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2017年7月25日 予算委員会閉会中審査 速記録

2017年07月26日

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 九州北部で豪雨災害があり、その後も、秋田県、新潟県などで被害が広がっています。心からのお見舞いとお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げます。
 私も、福岡県朝倉市、東峰村、そして大分県日田市など被災地回って、お見舞いと、要望もお聞きをして、日本共産党の対策本部として松本防災担当大臣に申入れも行いました。当面、行方不明者の捜索に全力を挙げるとともに、被害状況の把握、必要な対策を取ること、そして、今回の被害は被災自治体の財政規模をはるかに超える規模の被害になっておりますので、激甚災害指定は当然ですが、被災した自治体に対する特別な財政支援をまず求めておきたいと思います。
 陸上自衛隊が南スーダンPKO部隊の日報データを保管していたとされる問題について、昨日、我が党の笠井亮衆議院議員の質問に対して総理は、陸自に残っていたということについての説明はまだ報告を受けていないと。私ね、これ驚くべき答弁だと思うんですよ。NHKで報道されたの、三月十五日ですよね。それから四か月以上たつのに報告も求めていないんですか。もしも陸自にデータが残っていたとすれば、今までの総理の答弁は全部ひっくり返るような、そういう問題じゃありませんか。総理は防衛省に問いただすことすらしていないんですか、いまだに。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この陸自に残っていたかという問題につきましては、まさに日報の情報公開をめぐる問題でありまして、国民の皆様の疑念を解消するために特別防衛監察を開始する旨防衛省からは報告を受けております。
 まさにこの特別防衛監察をしているわけでありまして、そして、この特別防衛監察は元高検検事長をトップとして現役の検事も所属する防衛監察本部において、独立性の高い立場から厳正かつ公正に行われるものでありまして、このためですね、このため、独立性を持って行わなければならないものでありますから、このため、私自身が稲田大臣から事情を聞く等のことはしていないわけでありますし、まずはこの特別防衛監察の結果をまず待ちたいと、当然そしてその報告を受けることになります。

○小池晃君 あのね、自衛隊の最高責任者なんですよね、今もあったけれども。海外に派遣された自衛隊が、銃声が響く中で命懸けで送ってきた報告ですよ。それを握り潰していたかもしれないという話じゃないですか。こんなこと放置しておいて、自衛隊員の命守れるんですか、日本の防衛、安全保障守れるんですか。自衛隊の海外での活動内容が隠蔽されていたとすれば、まさに日本の民主主義の根幹に関わる問題であり、これは政府と実力組織の、これは自衛隊の関係の根幹に関わる問題じゃないですか。
 特別防衛監察だと言って、まるで隠れみののようにして、総理が防衛省を問いただすこともしない、国会でも答弁もしない。そうこうするうちに、特別防衛監察の指示した防衛大臣が情報隠蔽を了承していたというのではないかと疑惑が生じて、監察を指示した大臣が調査されるという異常な事態になっているんですよ。これを四か月間放置してきたわけですよ。監察そのものの信頼性と正当性が私は完全に崩れてきていると思いますよ。
 総理、これだけ重大な事案について、これだけ問題になっているにもかかわらず、報告を受けずに自ら確認もしようともしなかった。これは自衛隊の最高責任者、最高指揮官としての資格が問われる問題じゃありませんか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は当初から、言わばこの日報等についてはできる限りこれは情報は開示をしなければならないという立場は一貫をしているわけであります。これは防衛大臣においてもそうであります。
 そこで、言わば、統幕に、当初統幕にあったものを直ちに開示するという措置がとられたわけでございますが、同時に、今、小池委員が御下問になったのは、この陸自にあったことについて防衛省から説明を受けているかということだと思いますが、まさに、この陸自にあったかどうかという情報についてしっかりとこれは確認するために特別防衛監察を行っているわけでありまして、言わば、この際、それぞれ、稲田大臣もそうでありますが次官等もそうであります、この監察の方からこの事情を聞かれるわけであります。この事情を聞かれる方々から私が説明を受けるのではなくて、まさにこの監察が終わって報告を受けるというのがこれは当然取るべき手順であろうと、このように思います。

○小池晃君 いや、それはそれでやりながらですよ、防衛次官なり職責の人に問いただすって当然やることなんじゃないですか。四か月間何にも報告も受けていないと。私はこれ驚きなんですよ。
 普通はこんなことはただすのが当然じゃないですか。政府としてやっぱりこれは解明しようとする意思がないとしか思えないですよ、こんなことでは。だから、そうだとすれば、これは総理も含めて隠蔽しようとするのであれば、国会が真相解明のこれは役割を果たすしかありません。
 委員長、稲田防衛大臣、黒江事務次官、豊田官房長、岡部陸幕長始め、関係者の証人喚問を求めます。

○委員長(山本一太君) 後刻理事会で協議いたします。

○小池晃君 稲田大臣は直ちに罷免すべきであります。そして、真相の徹底解明を求めたいと思います。
 加計学園の問題について聞きます。
 総理が、加計学園が獣医学部新設の要望を持っていたこと自体を今年一月二十日まで知らなかったと。これ、全く信じられない話ですね。今まで国会で何度もこの問題取り上げられているんです。
 総理ね、総理は加計学園が希望を持っていたことを知っていたでしょうという質問、何度もやられているんですよ。急な質問に答えたからとか、そんな話じゃないですよ。
 五月九日の当委員会で森ゆうこ議員が、加計孝太郎氏が今治市で国家戦略特区により獣医学部新設の希望を持っていることを知っていましたかと。
 この質問に対して、この加計学園が、当然これは特区に申請を今治市が出しますから、特区に申請した段階において当局から説明を受けるわけで、その段階で当然総理大臣として知り得た。はっきり言っているんじゃないですか。
 六月五日の決算委員会、先ほど紹介ありました平山佐知子議員の、大親友である加計さんがずっと獣医学部を新設したいという思いであったことは当然ながら御存じでいらっしゃいましたよねと。
 この質問に対して、これは、安倍政権になりましてから、国家戦略特区に、その申請を今治市とともに出された段階で承知したわけでございますと。
 今治市が国家戦略特区の申請を出したのは二〇一五年の六月なんですよ。つまり、今年の一月二十日どころか、今から二年前の六月には知っていたということじゃないですか。今年一月二十日まで知らなかったというのは、明らかな虚偽答弁じゃないですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既に御紹介をいただいておりますが、森ゆうこ議員に対して、これは知り得る立場であったと、知り得たというふうに申し上げているわけでございます。これは構造改革特区についてでございます。これは、今治であるということを言わば知り得たということでございますが、それはですね……(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) 静粛に願います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、この構造改革特区時代の今治市の提案については、これは数十件ある案件の一つにすぎないわけでありまして、結果も四度とも提案を事実上認めないものだったので実際には全く認識をしていなかったということであります。そこでですね、そこで、今ちょっと整理して答弁をさせていただきたいと思いますが、四度ともこの提案を事実上認めていないものだったので実際には私はこの認識をしていなかったわけであります。ただし、その対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定していることから、本件について知り得る立場にあったことをそのような表現で申し上げたところでございます。
 そこで、平山議員に対してのお答えについては、これは国家戦略特区にその申請を今治市とともに出された段階で承知をしたというふうに答弁したわけでございますが、当時は急なこの御質問でございまして、この整理が不十分なままにお答えした部分がありまして、今回の閉会中審査に当たりましてもう一度しっかりと確認をさせていただきましたので、正確にもう一度申し上げますが、今治市の国家戦略特区に加計学園から事業者としての応募があったのは一月のこれは十日であります。
 申請があったのは一月の十日でございますが、正確に言えば、私が議長を務める国家戦略特区諮問会議にこの申請がかけられたのは申請段階ではなく申請を決定する段階でありまして、それは十日後の一月の二十日でありまして、その意味で厳正さには欠いておりましたが、あの答弁で申し上げようとしたことは、申請を今治市とともに決定する段階で私は諮問会議の議長として加計学園の計画について了承したということであります。

○委員長(山本一太君) ちょっと速記止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私がお答えを、先ほどもお答えをさせていただいたわけでございますが、この質問においては、国家戦略特区による獣医学部の新設の希望を持っていることを知っていたかということでありまして、この加計学園が、当然これは特区に申請を今治市が出しますから、この特区に申請した段階ということで私はお答えをさせていただいておりますが、その後ですね、その後、私は、構造改革特区本部においての……(発言する者あり)
いや、私の答えでございますが、構造改革特区本部においてこの提案に対する政府の対応方針を決定しており、他の多くの案件と同様に本件についても知り得る立場にあったと。これは、実はこれ言い直しているわけで……(発言する者あり)
いや、森先生に対しては答弁を言い直しているわけでございまして、この言い直したところが言わば正確な答弁であったということでありまして、改めて今答弁をさせていただいたとおりでございます。

○小池晃君 あのね、今のは全くでたらめな答弁ですよ。これ、だって、私ははっきり分けて言っています、国家戦略特区の問題、それから構造改革特区の問題。構造改革特区の問題については、これは例えば五月八日の衆議院の予算委員会で民進党の宮崎議員が質問しています。全く同じ答弁、今言われたことと同じ答弁を言っていますから、これは急な質問とかじゃない、ちゃんと答弁書があるんですよ。
 で、何と言っているかというと、構造改革特区については、これは加計学園が候補として記載されているので知り得る立場にあったというふうに言っているわけです、これはこれとして。そして、国家戦略特区の方については、今あったですよね、今あったように、この加計学園が、申請を今治市が出しますから、特区に申請した段階において当然総理大臣として知り得たと言っているんです、言っているんですよ。だから、知り得たんですね、じゃ。
 まさか、まさかですけど、この答弁は知り得たという答弁であって、実際には知っていなかったというふうにおっしゃるんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば加計学園とそして今治市ということがあり、かつ構造改革特区と国家戦略特区とこれ二つがもうあるものでありますから、多少そこのところが少し混乱して答弁したのは事実でございまして、そこはおわびをし訂正をさせていただきたいと、こう思っているところでございますが、森ゆうこ議員への答弁についても二回目に私は答弁をし直しておりまして、(発言する者あり)
いや、これは総理も、事務方とほかの大臣から説明を受けるだけではなく、直接いろんなお話をされたんじゃないですかということについて、既に答弁をさせていただきましたがと言って、これは言い直しをさせていただいているわけでありまして、今申し上げましたように、既に答弁をさせていただいておりますがと、こう一応申し上げておき、そして、第二次安倍政権発足後も、内閣総理大臣が本部長である構造改革特区本部においてこの提案に対する政府の対応方針を決定しており、他の多くの案件と同様に本件についても知り得る立場にあった。
 つまり、これは、構造改革特区のときには、言わば知り得る立場、言わば今治であることを知り得る立場ではありましたが、四回にわたってこれは認めていない中において、数十ある中の一つでございましたから、私は認識、承知をしていなかったのであります。
 そして、国家戦略特区におきましては、これは今治市の提案があった後、国家戦略特区諮問会議にかかった段階で私は今治市については知っていたということでございます。

○小池晃君 どう考えてもおかしい、今の説明はね。
 じゃ、構造改革特区について、切り離しますよ、構造改革特区についても、今、今治だって言ったけど、これ、加計学園が候補として記載されていましたから知り得る立場にあったと言っているんですよ。だから、加計学園のことをこれは知っていたわけですよ、構造改革特区の。だから、すなわち第二次安倍政権が始まった段階から加計学園という名前をそこに記載されていたことを知り得る立場にあったわけですね。
 だから聞くけど、知り得る立場にあったということを言っただけで、知らなかったということなんですか。知らなかったと。うんうんって後ろでうなずいていますよ。そういうことなんですか。
 そんな答弁。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはですね、これは既に再々答弁をさせていただいておりますが、知り得る立場に、知り得る立場にあったということは、言わば今治市としてこれは出ているわけでありますが、数十ある申請を私は一々全部これ説明を受けるわけでもありませんし、見ているわけでもありません。
 そこで、もう既に答弁をさせていただいておりますが、知り得る立場にありましたが、しかし、数十件ある案件の一つにすぎないわけでありまして、今の御質問につきましては、結果も四度とも提案を事実上認めていないものでございましたので、実際には今治市の提案についてこれは全く認識をしていなかったということでありまして、今申し上げている答弁が正確な答弁でございます。

○小池晃君 もう今までの安倍総理の答弁の中で一番説得力のない話です、はっきり言って。
 それで、先ほどの平山議員の質問に対しては知り得るなんて言っていない、承知したわけでございますと言っているんですよ。明確に言っているんですよ。大体ね、これは知り得る立場にあったということを答えたなんて言うけれども、質問者は何て聞いているかというと、知っていましたかと聞いているんですよ。総理、聞いてください。
 知っていましたかというふうに聞いて、総理、これは知り得る立場だ、でも実際には知りませんでした、そんな話を今頃やられたら、国会の審議なんて成り立たないじゃないですか。
 これだったら、そのときに、じゃ、知り得る立場にあったけれども、実際には知りませんでしたと言っていないじゃないですか。こんなでたらめな話、駄目ですよ。これじゃ駄目。これもう全く認められない。(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) ちょっと速記止めて。

〔速記中止〕

○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずですね、これ、森議員の御質問に対するお答え、質問とお答え、そしてまた平山議員の御質問とお答え、これはそれぞれ別でございまして、まず森ゆうこ議員に対して最初これお答えをしたのは、国家戦略特区による獣医学部新設の希望を持っていることを知っていましたかということについて、この加計学園が、当然これは特区に申請を今治市が出しますから、この特区に申請した段階においてこの説明を受ける、当局から説明を受けるわけでございますので、その段階で総理大臣として知り得たということでございますと、こう答えているんですが、その後もう一度、既に答弁をさせていただきましたがということで、(発言する者あり)
いや、しかし、それは、既に答弁をさせていただきましたがという形で実はこれ訂正をさせていただいているわけでありまして、そこで、そこでですね、構造改革特区本部においてこの提案に対する政府の対応方針を決定しており、他の多くの案件と同様ですね、本件についても知り得る立場にあった、ということであります。
 そして、もう一つ、平山議員につきましては、(発言する者あり)
いや、平山議員につきましてはこれはちょっと違うので申し上げておきたいと、こう思いますが、平山議員に対しての説明としては、私が議長を務める国家戦略特区諮問会議にこの申請がかかるのは、申請段階ではなくて申請を決定する段階であり、それは十日後の一月二十日、つまり、私が……(発言する者あり)
いや、いや、ですから、私が平山さんに答えたのは、国家戦略特区に、その申請を今治市とともに出された段階で承知をしたというふうにお答えをさせていただきましたが、これは十日前のことでありまして、これは私が混同したわけでございまして、これは十日後、十日後の二十日であったということは先ほど答弁させていただいたわけであります。
 厳密さには欠けておりましたが……(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) 静粛に願います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) あの答弁で申し上げようとしたことは、申請を今治市とともに決定する段階で私は諮問会議の議長として加計学園の計画について承知をしたということでございまして、今の答弁にこれを訂正をさせていただきたいと、このように思います。(発言する者あり)

○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。

○小池晃君 全く説明になっていないんですよ、これ。しかも、これは、これまでの予算委員会だけじゃない、決算委員会、あるいは衆参両院全ての委員会で今まで質問して答えてきたことを全部今になってひっくり返すような話を言い出しているわけですよ。これはもう一回やり直さないと駄目ですよ。もうこれ以上このやり取りをやってもしようがないからね、もう。
 それで、更にこれを聞きますよ、更に聞きますよ、知らなかった問題。
 山本農水大臣、加計孝太郎加計学園理事長に会ったことはありますよね。そのとき、獣医学部の話、聞きましたか。

○国務大臣(山本有二君) 獣医学部の話を聞いたことはございます。
 昨年八月二十三日に、私が農林水産大臣に就任したため、御挨拶をしたいという趣旨で来られました。私の友人の同道で来られたわけでございます。そうしたことによりまして、五分から十分、しかも、内容については聞いておりませんでしたので、役人の方は同席はしておりません。
 したがいまして、御挨拶をいただいたという認識でございますが、その折に獣医学部の話はお聞きしたということでございます。

○小池晃君 松野文科大臣はいつお会いになりましたか。

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 私は、平成二十八年九月六日に加計理事長と当時の理事であった豊田さんにお会いをしております。(発言する者あり)
あっ、獣医学部について。
 これは御挨拶でいらっしゃいまして、私には獣医学部のお話はございませんでした。

○小池晃君 山本幸三大臣、簡単に。加計孝太郎氏に会ったことはありますか。獣医学部の話はされましたか。

○国務大臣(山本幸三君) 昨年の九月七日に加計理事長が来られまして、そのときに、今治市に獣医学部の提案をしてやっていきたいと思っているのでよろしくお願いしたいという話がありました。それに対して私は、これは公正中立にやりますと、最終的には公募で決めますからねと申し上げました。

○小池晃君 その二日後に国家戦略特区諮問会議が開かれて、残された岩盤規制ということで獣医学部新設が提案され、一気にこれが進んでいくわけですね。
 大体、加計孝太郎という人は何でこんな次々と大臣に会えるんですか。三人の大臣に次々会っているわけですよ。しかも、二人の山本大臣には加計学園が獣医学部をつくろうとしていることを言っているわけですよ。それで何で総理が知らないんですかと。だって、総理はその前後に何度も会っているじゃないですか。七月二十一日焼き肉店で会食、二十二日ゴルフ、八月十日居酒屋で会食、十一日ゴルフ、十月二日焼き肉屋で会食。総理は、これだけ加計孝太郎さんと頻繁に会っているのに、関係大臣には獣医学部の新設を伝えておきながら、安倍首相だけには伝えなかったと言うんですか。
 これをにわかに信じろと言われて国民は信じられますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今質疑を伺っておりましたが、まさにこれ担当の大臣のところに、言わば担当の役所を訪問し、そして言わば自分は申請を考えているわけでありまして、まさにその担当の大臣に対して自分の言わば申請の意思について恐らく説明をしたんだろうと、このように思うわけでありますが、私はそういう仕事の場面では会ってもいないわけでありまして、確かにそうした様々な場面で、これは昔からの友人でありますから、そういう場面で会うことはございますが、そこでは、まさにそこでは役所の中で陳情を受ける、応えるということは一切ない関係で来たわけでありまして、お互いに、ずっと学生時代からの友人でありますからお互いに立場が変わっていくことはありましたが、しかし、その地位を利用して彼は何かを成し遂げようとしたことはなかったわけでございまして、これは私が各大臣に会うように言ったということでは全くないわけでございます。
 それは、今までも、私が指示をしたことないということは、各大臣は既に証言をしているとおりでございまして、ということはどうか御理解をいただきたいと、このように思います。

○小池晃君 幾ら説明聞いてもこれは納得できないですよ、やっぱり、この経過全体で。やっぱりこれは加計孝太郎さんの話聞くしかありません。
 委員長、加計孝太郎さんの証人喚問を求めます。

○委員長(山本一太君) 後刻理事会で協議をいたします。

○小池晃君 そして、この前川氏が和泉補佐官から呼び出されたのは、まさに山本幸三大臣のところに加計孝太郎氏が来た二日後なんですね。
 昨日の衆議院の予算委員会で、前川さん、この問題でお聞きしたいんですが、和泉補佐官は、これは直接この業務には関与してないと言っている。
 直接業務に関与してない人から呼び出されて、関与してない業務である国家戦略特区における獣医学部の新設について指示された。これ異例なことなんじゃないでしょうか。この意味を前川さんはどのように受け止められました。

○参考人(前川喜平君) 和泉さんは内閣総理大臣補佐官という職にいらっしゃるわけでございますので、その職にある者として私に要望されたんだろうと思っておりますが、それはどういう意味かと考えますと、やはり総理大臣を補佐する立場でおっしゃったんではないか。私がお聞きした言葉の中には、何度も申し上げておりますけれども、総理は自分の口からは言えないので私が代わりに言うと、そういうお言葉がございましたので、これは総理が言えないことを代わりに言っていると、そういう意味だというふうに思いました。それはやはりこの加計学園のことだというふうに理解したわけでございます。
 また、この本来担当ではないということではございますけれども、元々長く特区の仕事をしてこられた方ですので、内閣官房あるいは官邸の中でも特区制度については通暁しておられる、よく知っておられるわけです。どういうふうにその制度を使えばどういうことができるかということもよく知っておられる。ですから、私の、これは後になってからの感想でございますけれども、内閣府の藤原審議官の実質的な上司だったんじゃないかと、そんなふうに思っております。

○小池晃君 大変背景もよく分かるお話をしていただいたと。まさに補佐官としての役割を果たされたということですかね。総理は自分の口から言えないから私が代わって言うと。この発言について和泉補佐官は記憶がないようですが、前川氏にこの手続をスピード感を持って取り組んでほしいということは言われたというんですね。このスピード感を持って取り組むようにというのは総理の意向であるということは前川氏に伝えたんですか、その趣旨は。

○参考人(和泉洋人君) 総理は、かねがね国家戦略特区諮問会議で、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持ってやるようにと、こう指示しております。そういった意味で、私は前川さんに対してアドバイスとして、一つは、前川さん、当時よくこの話を知っておらないようだったので、事務次官としてしっかりフォローしてほしいということを言いました。もう一つは、一般論として、こういった改革についてはスピード感を持って取り組むことが大事だと、こういったことを申したことは事実でございます。

○小池晃君 一般論なんでしょうか、やっぱり総理補佐としての役割だったんじゃないか。
 今日、加戸氏が先ほど、虎の威を借りるような発言を用いてでも強行突破していただいたことを私は喜んでいると。私、これ見て、ああ、そうなんだと、よく分かりましたよね。だから、結局そういう動きがあったんじゃないかと。
 総理ね、やっぱりあなたの内閣で重要な役割を果たしてきた人の言い分が真っ向から食い違っているんですよ。だとすれば、これ、真相の解明のためには証人喚問どうしても必要だと私は思いますよ。どちらかが真実を言っていないということになるわけですよ。私は、前川さんには真実をゆがめる動機はないと思いますよ。どう考えたってない、理由はないじゃないですか。
 やっぱりこれは、改めて、委員長、前川氏とそれから和泉氏の証人喚問を求めます。

○委員長(山本一太君) 理事会で協議をいたします。

○小池晃君 更に聞きます。
 獣医学部の新設が初めから加計ありきだったという問題ですが、昨日、文科大臣は、昨年十一月八日に文科省が作成した加計学園への伝達事項、このパネルの文書が存在することを認めました。
(資料提示)この文書は、五月二十二日に私の国会事務所にファクスでも送られてきたものであります。
 五月二十五日の文教科学委員会で私、質問した際に、大臣は文書の存否や内容などの確認の調査はしていないと、調査すら拒否されました。文科省はこれを実際には十一月九日の国家戦略特区会議の前日の八日に加計学園に伝えていたということですね。これを認めたわけです、昨日。
 大臣ね、獣医学部の新設の対象は文科省としては加計学園だと考えていたということですね。

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 この文書といいましても、この文書で十一月八日に文部科学省から加計の方に出したわけではございません。十一月八日は電話、口頭によって伝えたわけでありますけれども、それに当たっての取りまとめとしてのメモがその文書の性格でございます。
 あわせて、これは従来から答弁をさせていただいていることでございますけれども、国家戦略特区に関する件でありましても、大学の設置認可の事前相談というのは従来から受け入れている、受け入れているものでございます。それに関して、これ、通常の文部科学省の業務として行った事前相談に関して、加えて、これは文科省からというよりも加計学園側からの問合せに関して答えたものだということでございます。

○小池晃君 いや、大分違うんじゃないかと思うんですが。
 今日お配りしておりますけど、メール、この伝達事項という文書はメールと一緒に文科省内で回覧されているわけですね。そのメールの中には何と書いてあるかというと、昨日、大臣及び局長より、加計学園に対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨早急に厳しく伝えるべきだという御指示がありましたとメールには書いてあります。
 大臣、そういう指示を出したんですね、イエスかノーかでお答えください。

○国務大臣(松野博一君) 今回公表した文書及びメールは、あくまで大学からの学部等の設置に関わる事前相談であるということは答弁させていただいたとおりでございまして、加計からこの時期に国家戦略特区を活用した設置についての問合せがあったところであります。
 担当者にヒアリングをいたしましたところ、そういった状況の中で、どうして今先生の方から御指摘があったような表現になったかということに確たることは今記憶がありませんが、このとき、十一月八日の状況を勘案すると、十一月九日に追加規制改革事項が決定されることが見込まれるところ、たとえ追加規制改革事項が決定されても獣医学部の新設に関してはこれは別途設置認可のプロセスが必要である、そのために様々な課題をクリアする必要があることをこの時点で伝える必要があるということが事務方の方から私の、この当時のことが、現状において確認してのことでありますけれども、事務方からこういった意識が私の方に伝えられた、伝えられましたので、そういった判断であるならばそのようにしたらどうかということを言ったんだと思います。

○小池晃君 これね、ということはですよ、要するに国家戦略特区諮問会議で広域的に獣医学部が存在しない地域に限りという文言が加わって、加計学園しか事実上通れない穴つくったけれども、しかし今のままでは加計学園はこの穴すら通ることができないと。だから文科省はこれだけの厳しい指摘をしたわけじゃないですか。今そういう話ですよね。
 これ見てください。本当に、既存の獣医学部と差別化が必要だ、国際性の特色を出す具体的な取組が示されていない、獣医師の具体的需要の説明が必要だ、四国における具体的需要、もうこのままではこれは国家戦略特区の要件だって満たしませんよという警告に近いようなものですよ。そういうものを文科省は国家戦略特区諮問会議の決定の前の日に加計学園に伝えたわけですよね。後ろから、事務方いいですよ、そんなメモなんて出さなくて。
 大臣、だから私が聞いているのは、どうやったらば穴が通れるようになるかまでと、手取り足取り懇切丁寧に加計学園に情報提供したわけでしょう、文科省は。(発言する者あり)
いやいや、そのことの是非を言っているんじゃない。要するに、文科省としては、要するに、大学の設置認可にこのままでは通りませんよとさっき言ったじゃないですか、だからそのための、そのための助言をしたんでしょう。
 ということは、質問はここなんです。要するに、文科省としては、これは加計学園が、翌日に決定される国家戦略特区諮問会議の獣医学部の新設の対象はこれは加計学園になると、加計学園をおいてほかにないという認識を文科省としては持っていたということですよねと私は聞いているんです。

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 先ほどの答弁で申し上げたとおりでございますが、この意図は、追加事項、改革事項が決定をして設置認可申請を受け入れることになったとしても、当然のことながら大学の設置審というプロセスがありますから、それに向けてしっかりと取り組んでほしいという趣旨のことでございますし、加計を前提とした話じゃないかというお話でありましたが、前回、先ほどの答弁で申し上げたとおり、加計学園側から大学の事前設置に関する相談があったわけであります。
 ですから、加計学園さんに関して、今回のこれは国家戦略特区に絡む事案でありますから、まず設置認可を取るためには、そのプロセスとして国家戦略特区に対する対応をしっかり、これは今治の方でですね、あったということがなければ駄目ですよと、それに関しては四条件に関してのことがしっかりとなされないと開かれませんよということを申し上げた、アドバイスをしたということでございます。

○小池晃君 これに添付されているメールはそんな中身じゃないじゃないですか。これ、非常に厳しく伝えないと駄目だと、これ大変だと、翌日このままでは諮問会議通らないと。
 私の事務所に送られてきたこの文書には、告発されてきたと思われる方のメッセージも添付されているんです。そのメッセージにはこう書いてあります。国家戦略特区諮問会議における正式な決定前に加計学園側とこうしたすり合わせが行われていたことからも、総理の御意向をかなえるべく文部科学省が出来レースに加担していたことは明らかである。また、この最後の丸、設置申請のところですね、設置申請に向けてとは、国家戦略特区における事業者として加計学園を総理が決定した後、文部科学省に対して行う設置申請を見越してのすり合わせである、加計学園による新設ありきで検討が進められていたことについて厳しく糾弾してほしいと、こういう手紙を添えてこれ来ているわけですよ。
 私、これがまさに……(発言する者あり)またそうすると誰が誰が誰が誰がって騒ぐんですよ。
 我々がこういう文書を示すと、全く反省していないじゃないですか、怪文書だという、そういったことと同じことを、これ自民党全く反省していない。これが今の、出どころが不明確だとかそういったことしか言えない、これが今の自民党ですよ。
 だから国民からこれだけ見放されているんじゃないですか。そのことを知るべきだと私は思います。
 総理、一点の曇りもないと言っているけれども、例えば昨日の毎日新聞の世論調査では、政府の説明が信用できない、七六%ですよ。それでも一点の曇りがないと言うんですか。これは、一点の曇りもないなんという発言はこれは撤回すべきだというふうに思いますが、どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この一点の曇りもないということは、まさに特区諮問会議に民間議員が入っていただき、そしてワーキンググループがあるわけでありますが、民間のこの八田座長が一点の、プロセスには一点の曇りもないと、こう申し上げているところでございまして、まさに民間人が入った特区諮問会議、そして専門家の入ったワーキンググループでしっかりと議論がなされているわけでありますし、また事業者の申請においても、分科会において、これは山本大臣と、そして自治体の長だけではなくて関係省庁も入りますし、文部科学省が推薦した専門家も入ってしっかりと議論をして進めていくことでありますし、議事録は全て公開されているわけでありまして、プロセスをしっかりと経た……

○委員長(山本一太君) 時間が終わっておりますので、おまとめください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 適切なものであると、このように考えております。

○小池晃君 一点の曇りもないなんという発言に国民は不信を強めているんだということを申し上げて、質問を終わります。


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