赤旗2017年6月2日付
安倍政権が医療費削減を狙って都道府県につくらせた「地域医療構想」で、入院ベッドが高齢化のピークとされる2025年までに33万床削減されることが1日、参院厚生労働委員会での日本共産党の小池晃議員の質問で明らかになりました。
「地域医療構想」は、入院ベッドを機能ごとに区分し(機能分化)、救急や集中治療を担う「高度急性期」「急性期」などのベッドを減らす一方、軽症とされる患者を「在宅化」していくことを目指します。
小池氏は、15年に内閣官房の専門調査会が試算した、機能分化をしないまま高齢化による患者増を織り込んだ場合の25年の必要ベッド数を質問しました。内閣官房社会保障改革担当室の木下賢志室長は「152万床程度」と答弁。都道府県の「地域医療構想」が示す25年のベッド数の合計は119万床であり、本来必要なベッド数より33万床も少なくなることを認めました。
小池氏は、15年当時、内閣官房の専門調査会があわせて推計していた「目指すべき25年の必要病床数」(115万~119万床)と、今回、各都道府県が推計した25年のベッド数がぴたりと一致している事実を指摘し、地域医療の再編が「病床削減ありき」で進められていることを追及。「(都道府県では)地域の実情をふまえて推計がされた」と弁明する塩崎恭久厚労相に、小池氏は、厚労省が都道府県に細かく試算方法を指示している実態を示し、「結局、機械的なベッド削減になる。地域の実情をふまえ、よく現場の声を聞いた対応をすべきだ」と主張しました。