赤旗2017年6月2日付
日本共産党の小池晃書記局長は1日、国会内で記者会見し、現天皇の退位を可能にする天皇退位特例法案について、「『個人の尊厳』という日本国憲法のもっとも根本的な精神に照らして考えるならば、一人の方がどんなに高齢になっても仕事を続けるように求める現在の在り方には改革が必要で、退位を認めるための立法を政治の責任で実現すべきだという見地を示してきた」として、賛成することを表明しました。
そのうえで、小池氏は、今年1月以降、国会での衆参両院正副議長と各党各会派代表による「天皇退位等についての立法府の対応」に関する全体会議において、立法化に当たっては次のような点を指摘して、憲法規定に適合する立法にすべきだと表明してきたと主張しました。
(1)あくまで「政治の責任において退位を立法化すべき」であって、「おことば」を「重く受け止めて」立法措置をとるとなると、憲法に背いた政治的権能の行使になりかねないこと(2)立法理由に「(国民が天皇の)お気持ちを理解し、これに共感していること」との表現をとると、憲法規定に背くことになりかねず、不適切であること(3)天皇の「象徴としての行為」のすべてを肯定的に評価することには同意できず、そうした評価を法律に書き込むことは必要ないこと。
その上で小池氏は「そうした立場から修正案を提起したが、その修正案が否決されても、天皇退位を認める立法を実現する法案には賛成という立場でのぞむ。付帯決議にも賛成する」と語りました。
さらに、女性宮家創設の検討を含む付帯決議について、「退位の問題で結論がえられたので、今後は女性宮家の問題なども国民的な議論の課題となる」と述べました。