赤旗2017年5月31日付
日本共産党の小池晃書記局長は30日、インターネットの報道メディア・IWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)の番組に出演し、ジャーナリストでIWJ代表の岩上安身氏のインタビューにこたえて、学校法人加計学園(岡山市)の獣医学部新設問題を解説しました。独自入手した内部文書を基に“総理のご意向”で安倍晋三首相の友人に破格の便宜が図られた経過を鮮明にしました。
岩上氏は、文科省の内部文書をボードにして紹介。菅義偉官房長官は「怪文書」と非難したものの、前川喜平前文科事務次官が本物と認めた文書です。内閣府審議官は昨年9月26日、文科省の課長に対し「時間はかけられない。官邸の最高レベルが言っている」と圧力をかけました。課長は「内閣府からの伝達事項」というメモを作成し、同28日に前川前次官に説明しました。
「文科省は加計学園が獣医学部新設の条件を満たしていないうえ、来年4月に開学するのは無理だと主張していたが、内閣府から『総理の意向』だとはねつけられたのです」(小池氏)
小池氏は、昨年11月9日に安倍首相が議長の国家戦略特区諮問会議が対象を「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」と限定し、関西圏に獣医学部のある京都産業大を条件から外したと説明。「“岩盤規制”にドリルで穴を開けて、加計に流した。土地無償提供と補助金で100億円を超える。森友学園より2桁多い」と批判しました。
また、文科省が獣医学部新設に際して政府が決めた「既存獣医師養成でない構想」など4条件が満たされているかとの懸念を政府が無視したことに、小池氏は「獣医学部を52年ぶりにつくるときに、その条件を変えるのであれば、その過程を明らかにすることは当然だ」と提起。「これは国政の私物化だ」として、前川氏を証人喚問して徹底追及する考えを示しました。岩上氏は安倍政権について「権力の使い方の傲慢(ごうまん)さが際立っている」とコメントしました。
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