日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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安倍政権の国政私物化批判/小池氏 前川氏の証人喚問要求 参院文科委

2017年05月26日

赤旗2017年5月26日付

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(写真)質問する小池晃
書記局長=25日、参院
文科委

安倍晋三首相の友人が理事長の学校法人「加計学園」をめぐって25日、日本共産党の小池晃書記局長は、国家戦略特区諮問会議(議長=安倍首相)で獣医学部新設を決める前に文部科学省が加計学園にアドバイスしていた疑いなどを参院文教科学委員会で追及しました。小池氏は、経過を知る同省の前川喜平前事務次官の証人喚問と、安倍首相が出席しての集中審議を求めました。

小池氏は、自身に送られてきたファクスを紹介。ファクスは文科省内で共有されたとするメールと「加計学園への伝達事項」と題した内部文書からなります。

メールには「大臣及び局長より、加計学園に対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨早急に伝えるべき、というご指示がありました」と明記。「伝達事項」には「文部科学省として懸念している事項」が列記され▽四国における獣医師の「具体的需要」の検討が必要▽設置申請に向けて必要な教員確保や施設整備、資金計画など万全の準備をする、などを課題にあげています。

小池氏は、文科省は「『伝達事項』という文書を加計学園に送ったか」と質問。松野博一文科相は、大学設置について個別に相談にのることはあると認めたうえで、「個々の相談の内容は公表していない」と文書の内容を否定しませんでした。

また小池氏は「しんぶん赤旗」が入手した昨年11月9日の諮問会議での「松野文部科学大臣御発言メモ」を示して、文科省が求めた獣医師の需給調整を、実際には農水省がしなかったことを紹介。「文科省などの懸念があるにもかかわらず、最終的には安倍首相の一言で、諮問会議が決定した」と批判し、「国家の私物化だ。だから文科省の前川前事務次官も声をあげる。こんなひどい政治は変えなければならない」と強調しました。

速記録を読む

○小池晃君 決算委員会に続いて質問します。
 決算委員会の直後に、私の事務所に、昨年十一月八日に加計学園に伝えられたとされる伝達事項という文書が送られてまいりました。これは民進党さんの方にも来ているということで報道もされております。
 事実関係を確認したいと思うんですが、大臣、加計学園に昨年十一月八日に伝達事項という文書を送ったんでしょうか。

○国務大臣(松野博一君) まず、これは、国家戦略特区に関わるものであっても、大学の設立に関する一般的な相談というのはあり得べしだと思いますが、しかし、従来から、個々のこの種の相談に関しては、それがあった、なかった、内容、どういった内容かに関しても公表をしているものではございません。

○小池晃君 否定しないわけですね。
 もう一つ、事実関係として確認したいんですが、大臣は昨年十一月七日に、加計学園に対しては、文科省としては、現時点の構想では不十分であるということを厳しく伝えるべきだということを専門教育課に指示しましたか。

○国務大臣(松野博一君) 今ほど答弁をさせていただきましたとおり、一般的に設置に関する相談は受け付けておりますが、その内容に関しては極めてその学校法人等の経営判断によるものでありますから、内容に関して公表することはしておりません。

○小池晃君 やっぱりそれも否定しないわけですね。
 この伝達事項の中身が重大で、設置申請に向けて必要な教員確保や施設整備、資金計画など万全な準備を行っていただきたいとあるわけですよ。
 翌日、翌々日ですか、十一月九日に国家戦略特区諮問会議で獣医学部の新設が決定する前の段階で、まさに加計学園に対してここまで具体的に、もう加計ありきで、加計に決まるということを前提とするような伝達事項を伝えていたということであるというのは、これ極めて重大だと思いますよ。
 だから、それ、知らないで済まされる話じゃないんで、これは文科省の文書の調査の後で出てきている問題ですから、もう一回調査してください。
 よろしいですね。

○国務大臣(松野博一君) 基本的に、文書の出所や入手経緯を明らかにできない場合において、文書の存否や内容などの確認の調査は行っておりません。
 前回、五月十九日に調査を行いましたのは、この内容が、意思形成に関わる大臣等の特定の政府高官のやり取りが指摘をされ、また、総理の意向や官邸の最高レベルといった官邸の関与があった可能性を示すような文書等であり、そして、突然として報道されたため、政府として確認する必要があると判断をし、当該文書に限って存否の確認を行ったところでありますが、このため、文部科学省として改めて調査を行うつもりはございません。

○小池晃君 ひどい話ですよね。だって、具体的に、じゃ、後で届けますから、メール、それから文書。届けますから。事実として来ているんだから、これ、民進党にも我々にも。ちゃんと調べてくださいよ。それを拒否するというのは本当にひどい話だと思いますよ。調査するのは当然だということを申し上げたいと思います。
 それから、これ、決算委員会での質疑の中で、獣医師の需給の問題については、大臣は、内閣府、農水省と調整を進めていたというふうにお答えになっているんですね。この調整、できたんですか。

○国務大臣(松野博一君) 調整ができたかということに関しては、もちろん、国家戦略特区に関しては、それを所管する内閣府、需給を調整するのが農水省でございますから、その間で調整を進め、その結果、三省における合意があり、今回決定がされたという経緯でございます。

○小池晃君 いや、ごまかしているんだと思うんですけど。
 大臣はこう言っているんですよ。今おっしゃったように、国家戦略特区全体の方向性は内閣府で決めると、それを受けて、今まで抑制するという理由だった獣医師の需給関係の影響については農水省の方で御判断いただかないといけないと、これは一貫して申し上げているんだと。
 要するに、文科省の役割というのは、設置申請が来れば、それに基づいて、基準に基づいて審査することで、要するに、それまで農水省は現時点において需給は足りているという見解だったから、そこをちゃんと調整してくれないといけないですよということじゃないですか。それ、最後に三大臣で確認したという三大臣の確認の中に別に需給について合意したなんて書いていないわけですね。
 だから、農水省は、これは需給についてちゃんと答えを出す必要があるというふうに文科省考えていたわけでしょう。その答えは農水省は出したんですかと私聞いている。

○国務大臣(松野博一君) これは、既に山本地方創生大臣の方からも御答弁をいただいていますとおり、その需給の問題に関して私どもからも調査を進めてほしいというお話はさせていただきました。それを受け、また農水省との調整があり、またパブリックコメント等の内容を経て、結果的に一校に限るということにしたと。これは、もう山本大臣が既に答弁をされているところであります。

○小池晃君 だから、途中全部すっ飛ばしているじゃないですか、今の話。
 だから、その前提として、需給については、これは農水省として一定の結論、調整を付けるということがあって初めてそっちに行くわけでしょう。
 それができているんですか、できていないんですかと、それを聞いているんです。はっきり答えてください。

○国務大臣(松野博一君) まず、これは前提として、政策形成過程に関して、今まで、これはもう従来からも公表をすることは差し控えさせていただいておりますが、当然、農水省が参加をした一連の会議を経てこれは決定されたものでありますから、当然その中において農水省の判断があったということであります。

○小池晃君 いや、だから、ずっと避けているんですよ、回答を、これ。一貫して国会でも一度も誰も答えていないんですよ。農水省は、需給については、これはもう調整したんだということで、もうつくっていいんだと。今まで需給が足りているからつくらないでいい、つくるべきではないと言ってきたけれども、それが変わりますということははっきりどこかで言っていますかと。確認していないんですよ、これ。
 それで、朝日のインタビューで前川前事務次官もこう言っているわけですよ。これは、新設認めるというのは文科省だけれども、全体としては足りていると農水省が言っている中で、無駄な大学つくったという批判が文科省に回ってくるんではないかと。だから、農水省や厚生労働省が獣医師は足りていないというデータを示さない中では、本来踏み切れないと。
 これ、そうだと思うんです。だから、大臣も一貫して、これは、需給については農水省示すべきだとずっとお答えになっている。でも、それについて最後まで答えがないわけです。
 私、当然、昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議でもそうした思料を大臣はされたはずだと思うんですね。ところが、今日お配りしている議事要旨を見ると、何も言っていないんです。設置認可申請については、大学設置認可に関わる基準に基づき適切に審査を行ってまいる、この一言で終わっているんですが、本当にこれだけですか、発言は。

○国務大臣(松野博一君) これはもう議事録でございますから、私が発言したとおり正確に記されていると思います。

○小池晃君 ここに、私どもが政府関係者から入手をいたしました、昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議の際の松野文部科学大臣御発言メモというのがございます。この発言の中にはこう書いてある。平成二十七年六月に閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一五を踏まえ、規制改革を所管する内閣府を中心にして獣医師行政を所管する農林水産省との調整が行われ、本日、国家戦略特別区域諮問会議において追加の規制改革事項がまとめられました。これに従い、文部科学省においては、関係制度の改正を進めるとともに、今後とも内閣府及び農林水産省と連携協力して調整を行ってまいります。これに沿った設置認可申請については、大学設置認可に係る基準に基づき適切に審査を行ってまいります。
 この最後のところしか議事要旨にはないんですね。その前段の部分、これは言ってみれば、文科省としては日本再興戦略の条件に適合するかどうか判断していませんよと、これはあくまでも内閣府と農水省の調整を受けてやっているだけですよという、そういうニュアンスの発言が事前にあるわけです。それがすっぽり議事要旨から抜けているんです。
 大臣は、普通こういうメモがあれば、このメモに基づいて発言されるんじゃないですか。これ、議事要旨から削除されたんじゃないですか、この大事な部分が。

○国務大臣(松野博一君) 繰り返しになって恐縮でございますが、この会議において私の発言はこのとおりでございます。

○小池晃君 本当にそんなことを言っていいんでしょうか。私は、どう考えても、これだけのメモができていて、恐らく今までの議論の筋からいったら、文科省としてはこういう発言絶対すると思いますよ、こんな形で決められたら困るという思いおありでしょうから。だから、こういう発言したと私は思うんですよ。ところが、これ最後は議事要旨からすっぽり抜け落ちている。
 大臣、十一月九日の、もう焦点になっている会議だから忘れるはずないんじゃないですか。大臣、こういう発言されたでしょう。こんな、議事要旨に残っている、手続に沿ってやりますというだけの発言で終わらせたんですか。そんなことないと思いますよ。大臣、記憶を呼び起こしていただきたい。

○国務大臣(松野博一君) これはもう複数出席をした会議での私の発言でございますので、私の発言はこのとおりでございます。

○小池晃君 だから、削除されているんじゃないですかって、議事録、議事要旨からは。じゃ、私が入手した発言メモのとおりにはしゃべらなかったというふうに断言されるんですか。

○国務大臣(松野博一君) 先生のお手元にある発言メモというのがどの種の文書であるか、どういった経過、出元のものであるか分かりませんが、いずれにせよ、事実としてその会議において私が発言したのはこのとおりでありますし、先ほど来申し上げていますとおり、これは別に密室で行われた会議ではなくて、複数名、各関係者が集まっていた場の発言でありますから、このとおりでございます。

○小池晃君 だって、これ議論している間はオープンじゃないでしょう。頭撮りやって終わりでしょう。これは、私はちゃんとこれ解明する必要あると思いますよ。どう考えても御発言メモと違うのが議事要旨に残っているわけです。
 文科省としては、日本再興戦略改訂二〇一五年を踏まえた条件を盛り込もうとした。私は決算委員会でも申し上げました。それから、獣医師の需給は農水省がちゃんとやってくださいねということを特区会議の決定に盛り込もうとしたけど、全部それは拒否されたわけですよ、経過としては。
 しかも、その上、大臣の発言が議事要旨からも削除された可能性があるのではないかという疑問がこれ湧いてくるわけです、これを見ると。
 最終的には、これは安倍首相が、この会議では、いろんな懸念があるにもかかわらず、今日お配りしている議事要旨の最後にあるように、これは、「本日は、「獣医学部の設置」や「地域主体の旅行企画」についての制度改正を決定しました。」と締めくくったわけですね。結局、いろんな懸念が文科省から出された、農水省の需給の問題についての結論も出なかった、しかし、最後は総理の一言でこの諮問会議で決定されたと、そういうことじゃないですか。

○国務大臣(松野博一君) 繰り返しになりますが、先ほどのこの議事録として示されているものの発言は私の発言したとおりでございます。そして、この国家戦略特区を主管しておりますのは、先生御存じのとおり、内閣府でございますから、内閣府において、全体の運びに関しては、是非これは内閣府にお尋ねをいただければと思います。

○小池晃君 内閣府に聞きますよ、これ。やっぱり内閣府が最終的にこういった形で押し切った、内閣府というか、これ、議長は首相ですから、やっぱり安倍首相が最後押し切ったということになるんじゃないですか、これ、経過から言えば。
 前川前文科事務次官、政府の中でどのように意思決定が行われているのかを国民が知ることは民主主義の基本の基本だとおっしゃっている。私はこれは同感です。一連の事実解明するのは国会の責任であります。
 前川前事務次官の証人喚問、求めたいというふうに思います。御検討いただきたい。
 それから、国家戦略特区諮問会議議長である安倍首相が出席をする集中審議がどうしても必要だと思います。これ是非求めたいというふうに思います。御検討ください。

○委員長(赤池誠章君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。

○小池晃君 私は、これは国家の私物化だと思いますよ。本当に自分たちの家族あるいは知り合い、お友達、そういった者に対して、森友学園ではこれだけ提供され、加計学園でも提供される。国民から見れば、どう考えたって、これおかしいじゃないかという疑念が湧いてくるのは当然じゃありませんか。(発言する者あり)
 今、自民党がいろいろとやじ飛ばしたけど、私は、こういったことについてきちっと国民の疑念を晴らすのは党派の問題ではないと思いますよ。
 自民党だって、これちゃんとやらなきゃ駄目ですよ、こんなのそのままにしておいて、霞が関の官僚の皆さんだって、とんでもないと思いますよ。
 自分たちがいろいろやってきたことをこんな簡単にひっくり返される、こんなことでまともに仕事できるのかという。だから、そういう人たちからどんどん内部文書の提供もあるんですよ。前事務次官が、やっぱりおかしいじゃないかと声を堂々と上げるわけですよ。
 こんなひどい政治はやっぱり変えなきゃいけないということを申し上げて、質問を終わります。

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