赤旗2017年5月5日付
日本共産党の小池晃書記局長は3日夜に出演したBSフジ「プライムニュース」で、天皇退位について「立法根拠は憲法に置くべきだ」との考えを説明しました。
番組では天皇退位についての共産党の見解―「一人の方がどんなに高齢になっても仕事を続けなければならないという今の在り方が、日本国憲法の根本原理である『個人の尊厳』と相いれないものであるということにあります。立法の根拠は、天皇の意思ではなく、憲法に置くべきです」をアナウンサーが紹介しました。
小池氏は「天皇の制度も含めて憲法の全条項を守り、そこからの逸脱を許さない」というのが共産党の立場だとして、「天皇の意思を(退位の)根拠にしたら、天皇は国政に関する権能を有しないとする憲法4条に背く恐れがある」と述べました。
反町理キャスターに天皇制の存廃についての立場を問われた小池氏は「戦前は天皇制が支配の道具だったが、現行憲法では国政に関する権能を有しないものとされており、日本は君主制の国ではない」と説明。同時に、一人の個人が世襲で「象徴」になる制度は民主主義や人間の平等と両立しないとし、天皇の制度は憲法上の制度であり「将来、情勢が熟した時に、国民の総意により解決すべきだ」と述べました。
天皇が行う「象徴としての行為」について問われた小池氏は「わが党はそのすべてを肯定的に評価することには同意できない。退位の法案はその点でもよく吟味する」と発言。天皇の政治利用は許されないとして、その例として2013年4月28日の「主権回復の日」に天皇夫妻を出席させたことを挙げました。小池氏は「その日は沖縄では、本土と切り離された『屈辱の日』と呼ばれ、抗議行動も行われていた。そういう式典に天皇を出席させるのは政治利用というほかない」とし、国論を二分する問題に天皇を関与させたのも「憲法の精神に背く」と批判しました。
同席した自民党の石破茂元防衛相は、当時幹事長だったとして「沖縄を認識しなければならなかった。私の反省だ」と述べました。