赤旗2017年3月26日付
日本共産党の小池晃議員は22日の参院厚生労働委員会で、今回の政府の残業上限規制案に「休日労働」が含まれていない問題を取り上げ、「抜け穴をつくるような中身は撤回すべきだ」とただしました。
政府は残業時間の上限を月45時間、年360時間を原則とし、年720時間まで容認する案を示していますが、これには休日労働の時間が含まれていません。
小池氏は「理論的には休日労働を加えれば、時間外労働は12カ月連続80時間、年間960時間が可能になるということではないか」と指摘。山越敬一労働基準局長は「理論上は年間960時間となり得る」と認めました。
小池氏は、「2~6カ月平均80時間以下」「単月100時間未満」とした残業上限規制部分には休日労働が含まれるのに、「年720時間」については休日労働を含まないのはなぜかと追及。山越局長は「現行の大臣告示を踏襲」したとする一方、「80時間」「100時間」に休日労働を含めるのは「健康を確保する観点から」矛盾するとしか答弁できず、政府案が矛盾していることが明らかとなりました。
小池氏は「休日労働を含めれば、毎月80時間の残業が1年間可能になり、年720時間という歯止めすら空洞化する。過労死基準を超えて働かせることにお墨付きを与えるものだ」と批判しました。
塩崎恭久厚労相は、「指針を定め、可能な限り抑制をすることを明確にしていく」と答えました。
小池氏は、「『月60時間、年間720時間』という残業上限そのものがとんでもない。そのうえ抜け穴をつくるなど許されない。過労死家族も怒っている。撤回せよ」と求めました。