赤旗2017年3月18日付
衆参正副議長は17日、天皇退位についての立法府の対応をめぐる全10政党・会派参加の全体会議を参院議長公邸で開きました。各党・各会派は、現天皇の退位を認める特例法制定などを提示した正副議長4人による「議論のとりまとめ」について意見を表明。大島理森衆院議長らは同日、各党・各会派の意見を添えて、「とりまとめ」を正副議長の「総意」として、安倍晋三首相に手渡しました。
日本共産党の小池晃書記局長は席上で、天皇退位の立法化の理由が「退位を認めることについて広く(主権者である)国民の理解が得られている」ことに置かれるならば、「憲法にてらして適合的であり、了としうる」と表明。同時に、「とりまとめ」には問題点があり、「全会派を拘束する文書とすべきではない」と指摘しました。
小池氏は、憲法にかかわる重要な問題だとして、「自由な国民的議論を踏まえ、今後の国会での慎重で十分な審議を通じて進めるべきだ。『とりまとめ』を今後の国会審議を縛るものとしてはならない」と強調しました。
日本共産党が提出した「意見」では、「とりまとめ」が天皇の「おことば」を「重く受け止めている」としていることなどの問題点を指摘。政治の側が「重く受け止めて」立法措置をとれば、天皇は「国政に関する権能を有しない」とした憲法に背き、政治的権能の行使になりかねず、不適切で同意できないとしています。
同会議には日本共産党から穀田恵二国対委員長、仁比聡平参院議員が同席しました。
「とりまとめ」を受けて、政府は法案化を進め、5月にも国会に提出する方針です。