赤旗2017年3月14日付
衆参両院正副議長は衆院議長公邸で13日、天皇退位についての立法府の対応をめぐって、全10政党・会派に対する個別の意見聴取を行いました。日本共産党の小池晃書記局長、穀田恵二国対委員長らは、退位の立法化の根拠は憲法に置くべきだとして、党の立場をあらためて述べました。塩川鉄也衆院議員、仁比聡平参院議員が同席しました。
大島理森衆院議長は、次回15日の全体会合で可能な限り合意形成を図り、とりまとめを了承する全体会合を17日に国会内で開きたいと説明しました。
共産党の意見 (全文)
天皇退位についての立法府の対応をめぐり、13日に衆参両院正副議長が各党・各会派に行った意見聴取で、日本共産党の小池晃書記局長が表明した党としての意見(全文)は次の通りです。
私たちは、昨年8月に天皇が「高齢によって象徴としての務めが果たせなくなるのではないかと案じている」と述べられたことは「よく理解できる」と表明しました。そして、あくまで政治の責任で退位を認めるべきだとしてきました。
私たちが退位を認める根拠は、一人の方がどんなに高齢になっても仕事を続けなければならないという今のあり方が、日本国憲法の根本原理である「個人の尊厳」と相いれないものであるということにあります。立法の根拠は、天皇の意思ではなく、憲法に置くべきです。
私たちは、高齢というのは誰にでも訪れるもので、現天皇だけの特別な事情ではないのだから、皇室典範の改正で対応するのが筋だと考えると表明してきました。
今回、現行憲法の「象徴」たる天皇の退位を初めて立法化することとなります。それがどのような立法形式をとるにしても、憲法の規定に適合するものとすることが絶対に必要です。
そして、それが憲法の規定に適合するものであれば、今後の退位においても先例になります。憲法に基づく立法とすることで、各党の一致点を見出していくべきだと考えます。
多くの国民が天皇の退位を可能にする立法を望んでいます。
退位を可能にする立法が、憲法の規定に適合し、「主権の存する日本国民の総意に基く」ものとなるべく、各党各会派が議論をつくし、合意の形成を目指すべきだと思います。