赤旗2017年3月10日付
東京大空襲など全国の大空襲から72年を前に、全国空襲被害者連絡協議会(中山武敏共同代表)は9日、国会内で集会を開き、民間の空襲被害者への補償を訴えました。
全国空襲連の中山共同代表は「これまで国は軍人・軍属に総額約60兆円を支給している。他方、民間人への補償法案は過去14回も国会に提出されたが廃案となり、戦後なんの補償もしていない」と指摘。「平等に扱ってほしいという被害者の主張は人間として当然だ」と語りました。
1945年5月25日、現在の東京都千代田区で空襲を受けた女性(85)は、今も障害に苦しんでいます。「股関節が曲がってしまったため手術を受けましたが、全額自己負担です。国からは1銭も支払われていません」と訴えました。
日本弁護士連合会の矢野真之弁護士は「当時は防空法という法律があり、市民は逃げるな、火を消せと義務づけられていた。単なる米国による空襲被害ではなく、日本の責任という視点が必要だ」と話しました。
超党派空襲議員連盟から日本共産党をはじめ、各党・会派の国会議員が出席。日本共産党からは小池晃参院議員、笠井亮、清水忠史の両衆院議員が参加。清水議員があいさつし、「独自に補償を実施している名古屋市の話も聞いたが、政治が決断すれば実務は複雑ではない」と述べ、民間の空襲被害者への補償実現へ決意を述べました。