赤旗2017年3月10日付
東京大空襲から72年となるのを前に9日、東京・上野の追悼の碑と母子像の前で「時忘れじの集い」が開かれました。全国から集まった遺族や市民約1200人が出席し、「戦争をなくすため悲惨さを伝え残す」と改めて誓いました。
1945年3月10日未明、米軍爆撃機B29は東京下町の人口密集地に焼夷(しょうい)弾などを投下。非戦闘員を標的とした無差別攻撃で、推定10万人以上の市民が犠牲になりました。
追悼の碑「哀(かな)しみの東京大空襲」と母子像「時忘れじの塔」は、自身もこの空襲で家族6人を失ったエッセイストの海老名香葉子さんが有志と建立。「集い」は海老名さんが呼びかけて開催しており、今年で13回目です。
海老名さんは「戦災孤児となり、懸命に生きていこうと11歳の時に思った。でも、みんなが恋しいと泣いた。戦争の惨禍、悲惨さを伝えなくてはいけない」とあいさつ。参加者は、海老名さんの次男で落語家の林家三平さんの呼びかけで犠牲者に黙とうしました。
小中学生や幼稚園児が歌や朗読を披露。海老名さんの著書を読んだ感想を発表した小学5年の女児は「戦争はいけないという自分の意志を貫きたい」と話しました。
日本共産党の小池晃書記局長が出席。市田忠義副委員長がメッセージを寄せました。