赤旗2017年3月9日付
衆参両院正副議長は8日、天皇の退位についての立法府の対応をめぐり、全政党・全会派による3回目の全体会議を衆院議長公邸で開きました。日本共産党の小池晃書記局長、穀田恵二国対委員長らは、党としての基本的な考えとともに、退位を認める根拠や立法化について補足を述べました。
小池氏は、退位を認める根拠を、天皇の意思におくのでなく、「一人の方がどんなに高齢になっても仕事を続けなければならないといういまのあり方が、憲法の根本原理である『個人の尊厳』と相いれないものであるということにおいている」と強調しました。
さらに、退位をめぐる立法のあり方としては、高齢は現天皇だけの特別な事情ではなく、皇室典範の改正で対応するのが筋だと考えると表明してきたが、「皇室典範改正でなければ憲法違反になるという主張は行っていない」と述べました。
その上で小池氏は、立法のあり方がどのような形式であれ、「将来の退位の道を閉ざすものであってはならない」と強調しました。この見地から、一代限りの退位を認める特例法を主張する自民党が、「将来の退位を否定するものではない」と述べたことに注目したと語りました。
現行憲法の「象徴」たる天皇の退位を初めて立法化することについて、将来の天皇の退位の道を閉ざさず、憲法の規定に適合させるという点で、「一致点を見いだしていくことはできないかと思っている」と提起しました。
小池氏は「多くの国民が天皇の退位を可能にする立法を望んでいる」と指摘。退位の立法化が憲法に適合し、「国民の総意に基づく」ものとなるよう、「各党各会派が議論を尽くし、合意形成をめざすべきだ」と述べました。
大島理森衆院議長は、可能な限り一致点を見いだしていきたいと語りました。
全体会議には、日本共産党から塩川鉄也衆院議員が出席しました。
次回の13日には、衆参正副議長が各党・各会派を個別に招いて意見を聴取します。