赤旗2017年3月3日付
日本共産党の小池晃書記局長は2日の参院予算委員会で、大阪市内の学校法人「森友学園」(籠池泰典理事長)への国有地不透明売却問題を追及。前日の質問で示した自民党議員の面談記録は、鴻池祥肇参院議員事務所のものであることを明らかにしたうえ「森友学園側が異常な国有地払い下げのために政治家の力を利用したことは明白だ」と追及。「政治家の関与はない」という説明の根拠が崩れたとして、安倍晋三首相に徹底解明を求めました。(詳報)
小池氏は、安倍首相がこの記録について前日の同委員会で「どういう文書かわからない」「まるで私の事務所であるかのようなイメージを与えている」とあたかも虚偽であるかのような答弁をしたことに厳しく抗議。前日に「どういう文書か承知していない」と答弁拒否した財務省にたいしても「逃げ回らず答えよ」と求めました。
財務省の佐川宣寿理財局長は「学園側と多くのやり取りがあったが、記録は残っておらず、(担当者も)記憶がない」と答え、具体的な事実を一切明らかにしない態度をとりました。
小池氏は「記録を廃棄してしまったので分からないというが、隠しているとしか思えない」として、籠池氏と近畿財務局の詳細な面談内容の国会への提出を要求しました。山本一太予算委員長は「理事会で協議する」と答えました。
籠池氏は16年3月15日、財務省国有財産審理室長と面談し対応を求めています。当時は森友学園が賃借中だった土地から新たな埋設物が出たと主張し、8億1900万円の異常な値引きと土地売却の方式が決められていく重要な時期でした。
小池氏は、この会談は、鴻池事務所が依頼された財務省への仲介を断った後に行われており、「別の政治家の仲介があったのではないか」と指摘。「鴻池氏のように、森友側から働きかけを受けた議員がほかにもいるか、財務省、国交省なども含め徹底調査すべきだ」と求めました。安倍首相は「嫌疑をかけられた政治家は自ら説明責任を果たすべきだ」とだけ答弁。
小池氏は「まるで評論家のような無責任さだ。解明しようという姿勢がない、それどころかフタをしようという姿勢だけで、これでは国民は納得しない」とのべ、引き続き徹底追及することを表明しました。