赤旗2017年2月10日付
日本共産党の小池晃書記局長、武田良介参院議員ら東日本大震災復興調査団は9日、宮城県気仙沼市の菅原茂市長、石巻市の亀山紘市長とそれぞれ懇談しました。小池氏は気仙沼、石巻両市が被災者医療費と介護保険利用料の負担免除を継続していることに敬意を表し、「本来は国がやるべきことだ。政府の姿勢を厳しくただしていく」と表明しました。
菅原気仙沼市長は、被災者医療費と介護保険料の免除、子ども医療費助成などが自治体任せにされていることに対し、「国はナショナルミニマム(生活の最低保障)をあげて人口を増やさないといけないはずだ。政府の腰の入れ方は本物なのか」と疑問を呈しました。
亀山石巻市長も、街づくりと住民福祉が復興の大きな課題となる段階にあるなか、国の復興支援が不十分なもと人口流出に対する危機感を口にしました。
小池氏が、公営災害住宅でのコミュニティーの維持や生業(なりわい)と産業の復興が新たな課題となっていると指摘すると、両市長とも、自治体の人員不足が深刻だと訴えました。さらに水産業の人手不足や販路の維持、商店街の復興が遅れている問題などが語られました。
亀山市長は、国の財政支援について「水産業界から復興に向けた支援の要望があるが厳しい」と述べ、菅原市長も観光業再生への財政措置を求めたが応じてもらえずにいる実情を訴えました。
小池氏は、国が今年度から復興事業の一部負担を被災自治体に求めていることを挙げ、「被災地に寄り添うと言いながら国の全額負担という原則を変えて、復興に対する国の責任を後退させている。国会に被災者の声を届ける役割を果たしていきたい」と述べました。
菅原市長との懇談には、日本共産党から遠藤いく子県議、秋山善治郎市議が同席。亀山市長との懇談には、遠藤氏に加えて三浦一敏、天下みゆき、大内真理各県議、水沢ふじえ市議が同席しました。