参院厚生労働委員会
2014年6月3日
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
介護保険利用料の問題について質問します。
法案は、所得が一定以上の人について利用料を一割負担から二割負担に引き上げる。どのラインで二割にするかというと、所得百六十万円、年金収入なら二百八十万円ということなんですが、これは全高齢者上位二〇%に当たるわけで、昨日の本会議でも私、これは必ずしも高額所得者と言える人ばかりではないということを指摘しました。
介護保険部会の委員でもある淑徳大学の結城康博教授は、これ、ケアマネジャー中心とする介護職に利用料負担に関するアンケートをやっています。高齢者における高所得者といった場合、一人当たりの年収、課税前ですが、どの程度をイメージするかという質問に対して、二百万から三百万、これ選んだ人は全体の一七%です。三百万円を超えるラインを選んだ人が七六%で、中でも五百万円以上という方が一番多かったわけです。結城さんは、これらの結果を踏まえて、二割負担導入するのであれば、せめて医療保険の現役並み所得者と同程度にと提起をされています。
大臣、年金収入二百八十万円で負担を二割に引き上げることには無理があるというのが私、現場の声だと思いますが、考え直す考えはありません
か。
○国務大臣(田村憲久君) 医療の場合は、現役世代との負担の公平性という意味から高めの設定になっております。介護の場合は、高齢者の中においての負担の公平性というような意味から所得能力に応じたということで今般の二百八十万というような設定をいたしました。これ、年金でいいますと二十三万円、お一人であります、お一人で二十三万月々強の金額だというふうに思っておりますが。
今、高齢者の二割とおっしゃられましたけれども、年金、厚生年金のみという、ほかに収入がないという方から見れば、これは上位九・一%という形になるわけでありまして、これ、消費支出、どのような高齢者が消費をされておられるかという実態等々から、この程度の御収入があられれば二割、まあ二割と申し上げても上限がございますから、全員が倍になるわけではございませんので負担していただけるのではないかということで、この二百八十万というところを一つ基準と置いて検討をこれからさせていただくということであります。
○小池晃君 医療の方は現役世代との公平、介護の方は世代内での公平と、別の理屈を持ち出してこれやっているわけですが、介護保険では高所得者になっている人が医療保険では高所得者にならない。これは本当に現場は混乱するし、私は矛盾だらけだというふうに思っております。
さらに、矛盾という点で聞くと、医療のその上位所得者三割負担は世帯単位ですよね。単身の場合は年収三百八十三万円以上で適用となって、世帯に七十歳以上の方が二人以上いる場合は合計五百二十万円を上回って初めて適用となります。ところが、医療では、そのように双方が七十歳以上の高齢者夫婦の場合は、夫の年収が三百八十三万円以上でも、妻が年金がないとか低年金という場合は、これは夫も妻も三割負担にならないわけですよ。ところが、介護保険は、夫婦とも六十五歳以上の二人世帯で、夫の年金収入が二百八十万円以上であれば、妻が無年金あるいは低年金でも夫は二割負担になるということですね。事実関係だけ。
○政府参考人(原勝則君) 御指摘のとおり、介護保険におきましては個人単位で収入判定を行いますので、二割負担の基準というものは、世帯の所得状況にかかわらず、第一号被保険者個人の合計所得金額が百六十万円を超えるか否かによって判定する仕組みとすることを基本に考えております。
このため、お尋ねのケースの場合は、夫は二割負担となり、妻は自らの合計所得金額が百六十万円未満でございますので一割負担ということになります。
○小池晃君 一定の収入を得ていても、配偶者に収入がある場合とない場合、扶養家族がいる場合といない場合というのは生活実態は大きく違うわけですね。
私たちは、高齢者の一部を現役並み所得というふうに扱って医療の窓口負担を三割にすることにも、これは反対です。応能負担というのは窓口でやるべきではない。税や社会保険料でやっぱりきちっとやるべきだというふうに考えておりますが、曲がりなりにも高齢者医療では世帯の状況で線を引いているわけですよ。それに比べても、この介護の二割負担の引き方というのは余りに乱暴ではないかと。
今、個人単位の制度だからという話がありましたけれども、一方で、保険料を取るときは、世帯単位で課税、非課税ということで保険料を決めているじゃないですか。後期高齢者医療制度の方は、これは介護保険と同じ個人加入なんだけれども、現役並み所得者の基準は世帯加入の国保と同じ。
本当にこれ、継ぎはぎだらけで御都合主義ででたらめだと私は思う、このやり方は。全く一貫性がない。
それから、先ほど大臣は、消費支出と照らして妥当なんだとおっしゃいました。その問題をちょっと次に取り上げたいと思うんですが、今日、資料でお配りをしておりますが、厚労省が二割負担にする場合の合理化する根拠として示してきたのがこの今の資料、私の配っている資料であります。
これは家計調査を基に、無職夫婦高齢者世帯の場合でこういうケースになると介護利用料二割負担は可能だというふうに主張してきたわけですけど、改めてどういう主張か、簡潔に説明してください。
○政府参考人(原勝則君) 今のお尋ねに答える前に、なぜ介護保険では個人単位にしているかということでございます。ちょっと一つだけ、そこは是非御理解をいただきたいものですから説明をさせていただきたいと思いますけれども、介護保険におきましては、特別養護老人ホームへの入所や有料老人ホームへの転居など、サービスの利用によって住所の移転あるいは世帯構成の変化を伴うことが多々あるわけでございます。
こうした中で、公平な費用負担を確保する観点から、在宅も施設も同じ判断基準の下で世帯構成の変化に中立的に負担能力を判断する仕組みが望ましいのではないかということで、一定以上所得者の負担については個人単位で判断をしたいと考えているところでございます。
御質問の、議員お配りのこの図でございますけれども、なぜ私どもが二割負担でこれ可能かというふうに考えた説明でございますが、これはまず右の方には収入がございまして、夫の年金収入が二百八十万円であり、なおかつ妻の収入が国民年金満額受給の七十九万円という場合を仮定いたしまして、夫婦の収入合計はしたがいまして三百五十九万円になるわけでございますけれども、当然、この三百五十九万円から税金や社会保険料というものを御負担をしなきゃいけませんので、こういったものを控除したいわゆる可処分所得、これが約三百七万円になると、右の棒グラフの左側の方に書いてあるところでございます。
一方、平成二十四年家計調査によりますと、無職夫婦高齢者世帯のうち、年収が二百五十万円から三百四十九万円の世帯の平均的な消費支出、これ統計がちょっとこういう区分しかないものですから少し幅のある取り方をしておりますけれども、二百五十万円から三百四十九万円の世帯の平均的な消費支出が約二百四十七万円となっております。
この支出の中には、例えば、介護の関係の負担費用みたいなものはその他の消費支出の中に入っておりますし、それから、医療保険の負担なんかも保健医療の中に入っております。これはちょっと御留意いただきたいと思いますが、いずれにしてもそういう状況にあると。
この可処分所得から平均的な消費支出を控除すると差額は約六十万円となりますので、後期高齢者医療制度と介護保険制度の自己負担額の年間上限、これが五十六万円でございますから、これ以上の介護、医療を使ったとしても負担は発生しませんので、これを上回る水準であるということで、私どもとしては、年金収入二百八十万円以上であれば、収入と支出の差額に一定の余裕があると考えられ、二割の御負担をいただくことが可能な水準ではないかと考えた次第でございます。
○小池晃君 私、これおかしいと思うんですよ。
この程度の年金、平均的な、こういう方が標準的な消費支出をしても、なお年金が毎年六十万円余るというわけですよ。毎月五万円ずつ貯金していくというんですよ。私が知っている年金生活者というのは、みんな貯金取り崩して暮らしていますよ。
こういう設定自体が私、全く実態反映していないと思いますが、大臣、いかがですか。こんな現実あると思いますか。毎月毎月五万円、年金暮らしの人が貯金が増えて、資産が増えていく、そんなことってあり得ますか。答えてください。
○国務大臣(田村憲久君) このモデルでありますけど、本人の年金収入二百八十万円、また配偶者の方が国民年金満額と考えて七十九万円ということでございますから、このモデルで仮定するとこういう話になると。これ、モデルの、普通の厚生年金のモデル世帯よりかはかなり多いという世帯になると思います。お一人で年金収入二百八十万という方でありますから、妻の基礎年金入れれば更に増えるわけでありまして、かなり多いモデルになってこようと思います。
でありますから、このような形で、多分、委員が言われておられる年金生活者の方々と比べると、高い収入の方々になるだろうというふうに思います。
○小池晃君 夫婦で月三十万円の年金収入で、貯金がどんどんどんどん資産が増えていく、そんなことないですよ、今の実態からいえば。
何でこんなことになるかというと、この消費支出がおかしいんです。
この資料の二枚目見てください。これは厚労省の引用した家計調査見ますと、無職夫婦高齢者世帯の消費支出、三つの年間収入の区分で出しているわけですね。厚労省はこの真ん中の数字使っている。実は、一枚目と二枚目、数字間違っているんですけど、これはさておき、これ三つあって真ん中使っているわけです。真ん中の年間収入二百五十万円から三百四十九万円の数字使っていて、これだと消費支出が二百四十七万円、その右の年間収入三百五十万円以上だと三百四十一万円なわけですよ。
何で、年金収入三百五十九万円の消費支出に二百五十万円から三百四十九万円の数字使うんですか。ちゃんと年間収入三百五十万円以上という項目があるんだから、こちらと対照するのが筋じゃないですか。
年間収入三百五十万円以上の平均消費支出は三百四十二万円ですから、これだと年収三百五十九万円との差額は十七万円ですから、ほとんど差額残らないわけで、私、これが現実の数字だと思いますよ。
結局、厚労省のこの一枚目の表というのは、二割負担しても大丈夫だということを合理化するための恣意的な資料じゃないですか。これおかしいじゃないですか。
○政府参考人(原勝則君) 先ほどの統計につきましては、先ほども言ったように、区分が二百五十から三百四十九万円ということで、三百五十九万円にまあ比較的近いということでそこを取らせていただきまして、三百五十万円以上だとちょっと少し高くなり過ぎるものですから、一応ここを引かせていただいたということでございます。
○小池晃君 これおかしいですよ。だって、平均見てください。平均は二百八十八万円なんですよ、消費支出。要するに、平均より低い消費支出で、上位所得、大臣、見てください、グラフ四つあるでしょう、一番左、平均があるじゃないですか。
二百八十八万円なんです、平均は。だから、平均より低い消費支出で上位所得者やっているんですよ。これ、おかしいでしょう。
大臣、おかしいと思いませんか、この設定の仕方。
○国務大臣(田村憲久君) これ、確かに足すと三百五十九万円という形で、三百五十万とか行くんですが、これ、三百五十万以上は、これは上どこまでも行きますから、収入ある方、そういうものの平均の支出出してきているんで、当然のごとく高く上がるのは当然でございます。
ですから、そういうような上、青天井、青天井といってもそれは、まあ中には何千万という方もいるかも分かりませんが、そういう意味からいたしますと、より近いところの数字を使わさせていただいた、実態に近いところの数字を使わさせていただいたということであります。
○小池晃君 そういうでたらめ言っちゃいかぬ。
総務省の家計調査は、ちゃんとそれぞれの平均実収入出ているんです。この三百五十万円以上の平均実収入は三百十万円なんです。それに企業年金なんかが加わって大体三百四、五十万になっているという、そういう数字で、大体、無職の高齢者でそんな何千万もなんという人はいないんですよ、実態としては。
しかも、これは可処分所得の問題を厚労省は言っているようなんですね。消費支出には税、保険料など含まれないから可処分所得で比較をすると。
聞きますけれども、家計調査には、税や保険料を控除した平均可処分所得の項目がありますよね。
年間収入二百五十万から三百四十九万の高齢者夫婦無職世帯の平均可処分所得はどれだけですか。
家計調査の中にありますよ、お答えください。
○委員長(石井みどり君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(原勝則君) 今手元にある調査では月額しか出ていなかったものですから、今ちょっと年間に、十二倍しまして計算しましたところ、百三十七万五千円ということでございます。
○小池晃君 いや、百九十七万だと思うんだけど。
いずれにしても、可処分所得が二百万にも満たない世帯の消費支出を可処分所得が三百万を超える年金額と比較をしていれば、毎月大量のお金が余るのは当然じゃないですか。これ、極めて恣意的なでたらめな数字ですよ。
大臣、私が言っていること分かりますか。この資料は全くでたらめだ。二割負担を合理化するための、趣旨説明の文書の問題以上に、これ大問題だと思いますよ。大臣、いかがですか。全く間違っている、これ。
○国務大臣(田村憲久君) 申し訳ありません、ちょっと、今その可処分所得のところも含めて正確な数字を、私、手元に持っておりませんので、百九十万なのか百三十何万なのか、ちょっと申し訳ありませんけど、確認できておりませんので。
(発言する者あり)
○委員長(石井みどり君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(原勝則君) 申し訳ありません、ちょっと先ほど数字を見間違えていまして、計算をしますと、百九十七万三千円でございます。
○小池晃君 お認めになった。要は、こっちの数字は、可処分所得百九十七万円の、そういう世帯の消費支出なんですよ。年金の方は可処分所得三百七万円の年金収入なんですよ。差額が六十万、これでたらめじゃないですか。大臣、間違っていると思いませんか。認めていただきたい。
○国務大臣(田村憲久君) これ、三百五十九万円ですかね、三百五十九万円の年金額になるわけであります。三百四十九万円とその差額を考えたときにどちらに位置するかということを考えた場合に、非常に金額的に大きな変化がこの境にあるわけでありまして、そういうことを勘案した上で、この二百五十万から三百四十九万、こちらに近いんであろうという形の中でこれを、数字を使わさせていただいておるということでございますから、御理解をいただければ有り難いと思います。
○小池晃君 駄目ですよ、それじゃ。これ、ずっと衆議院でも、そして私も厚労省から説明聞いたときに、何で二割負担して大丈夫なんですかという根拠は、これを言っていたわけですよ。二割負担の対象の人は、年金の収入と消費支出比べると六十万円差額があるから、十分上限額まで払えますということを二割負担の根拠にしてきたんですよ。その根拠が全くでたらめだったということですよ、これ。これはもうでたらめじゃないですか。
でたらめでしょう。
だって、私が言っていること分かりますか。可処分所得が三百万円を超える世帯の消費実態を示すべきなのに、ところが持ち出している消費支出の実態というのは、平均可処分所得が百九十七万円の層の消費支出なんですよ。(発言する者あり)いや、超えているじゃないですか。可処分所得は三百七万円と書いてあるじゃないですか。
○委員長(石井みどり君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(田村憲久君) この根拠も含めて、ちょっとこちらの方で更にお答えできるような形のお答えをこれからつくらさせていただきたいと思いますので、ちょっと今日のところはお許しをいただきたいというふうに思います。
○小池晃君 これは、二割負担にするための根拠として一貫してこれで説明してきたわけです。それが間違っているとすれば全部崩れるわけです。
やはり、二割負担にしようとしている世帯の消費支出が一体どうなっているのかを示す正確な資料を出していただきたいというふうに思います。
それは、じゃ、次にするとして、残り、補足給付の問題もちょっと聞きたいんですが、今回、その施設の食費、居住費に対する補足給付の大幅縮小も盛り込まれていて、預貯金を認定する、あるいは障害年金などの収入認定するという問題はあるんですが、先ほどちょっと話題になった世帯分離のことを聞きます。
今回の改定では、世帯分離している配偶者が課税されていれば補足給付の対象から外して食費、居住費の自己負担を求めるということになるわけですけれども、この結果、一体どうなるか。
厚労省に聞きますが、仮に特養のユニット型個室に入居している妻が六万円の年金しか収入がなくて、世帯分離している夫が月二十万円の年金で単身課税という場合は、妻の利用料というのはこれはどうなるんですか。
○政府参考人(原勝則君) お答えを申し上げます。
お尋ねのケースの場合でございますけれども、現行制度では妻は第二段階の負担区分で補足給付を受給することになることから、特養のユニット型個室に入所した場合の一割負担、それから食費、居住費を合計いたしますと、月々約五・二万円程度の負担となります。
今回、配偶者が入所者と別世帯であっても当該配偶者が課税されていれば補足給付の対象外とするという見直しを提案をしているわけでございますが、お尋ねのケースにおいては、夫が課税されていることから、妻は補足給付の対象外となり、入所している特養が設定する費用が第四段階の基準費用額と仮に同じだとすれば、月々十一・七万円程度の負担となるわけでございます。したがいまして、月々約六・五万円程度の負担が増えるということになります。
○小池晃君 七万円近い負担増だということなんですが、この場合、夫は課税といっても、二人合わせた月収は二十六万円なわけですよ。そのうち半分が妻の施設利用料に消えてしまう。これは、夫に病気が、がんになったりとか、いろんな問題が起こったときはもう共倒れになりかねないわけですね。
実際、実例で私のところにも話が来ていて、夫と世帯分離して北陸地方の特養ホームに入所している人、本人は月七・五万円の年金で、所得区分は第三段階で、月八万円の入所費用を夫に一部補填してもらいながら払っていると。夫は課税なんだけれども、自らも要介護状態で在宅サービス使っていて生活費はぎりぎりだと。これ、制度変更になったらば、妻の入所費用が十三万円に跳ね上がって両方の生活が破綻しかねないと。
大臣、この補足給付のこの部分ですね、世帯分離についても認めないというやり方というのは、まさに施設入居者とその家族の生活両方を破綻に追い込むようなことになるんじゃないですか。これはやっぱりやめるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) これ、夫婦間と申しますのは民法上の親族間よりも強い生活保持義務があるわけでありまして、そのような意味からなかなか、今までは特養に入りますと世帯分離、世帯分離になりますと夫に収入が、まあどちらがどちらだか分かりませんけれども、配偶者に収入があってもこれは御本人の収入という形で補足給付を受けられると。特にユニット型の場合はその補足給付が大きいわけでありまして、そういう意味では不公平感というものはあったわけであります。
これは、補足給付というのはそもそも福祉的な側面が強いものでございまして、そういう意味では今般、配偶者に収入がある場合は補足給付の対象にしないということを考えてきたわけでありますが、ただ一方で、住民税非課税ぎりぎりの方々に関しては、これはやはり、そうはいっても言われるとおり生活がお互いにできなくなってしまうということがあるわけでありまして、これに関しては対応をいろいろと検討はさせていただきたいと思いますし、現在も非課税世帯とみなして補足給付を行う仕組みがあるわけであります。現在の場合は、分かれて暮らせばこれは世帯分離でありますけれども、例えば同じ特養の中に入られる、こういう場合に関してはあるわけでありまして、そういうことも勘案しながらここの方は検討させていただきたいというふうに思っております。
○小池晃君 さっきの議論と照らしてみると、私は本当に御都合主義だなと思うんですよ。
負担の公平、公平と言うけれども、先ほどその利用料の二割負担について質問をしたときには、これは個人単位、個人加入の介護保険の制度だから、たとえ配偶者が低収入でも本人の収入が一定額を超えていれば負担を引き上げるというふうに言ったわけですね。ところが今度は、たとえ本人が低収入でも配偶者に所得があれば負担を下げることは、これは公平の観点から許さないと。これは矛盾しているじゃないですか。
こういう御都合主義でいいんですか。まさに公平公正の名によって、とにかく負担を取り立てるということしか考えていないようなやり方だと思いませんか。私はそう思うけれども、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほども申し上げましたとおり、補足給付というのは、本来の給付というよりかはこれは福祉的に対応している部分であります。でありますから、今般の世帯分離もそうでありますけれども、資産要件等々で今般、御夫婦であれば二千万円の預貯金がある御家庭に関してはこれは対象にしないという形にしておるわけでありまして、他の給付に関しては資産要件を掛けておるものはないわけでありますけれども、それもやっぱり福祉的な給付という側面から今般このような形を提案をさせていただいておるという形であります。
○小池晃君 いろいろ言うけれども、結局在宅でも施設でも、あれこれ理由を付けて取れるところから取ると、利用者の自己負担を引き上げようという発想しかないように私には聞こえます。
今日もちょっとこの二割負担の問題も、結局こういう、全く実態に合わない、これおかしいですよ、どう考えたって。大体、直感的にこれおかしいと思いますよ。やっぱり三十万円ぐらいの年金暮らしの方が、毎月毎月五万円ずつ収入が余っていくということ自体が実態に合わないし、これ、家計調査を見ると、みんな金融資産はどんどんどんどん減っているわけです。毎月三万円から五万円ずつ減っているのが実態ですよ、家計調査は。
だから年金だけで暮らしていけないわけですよ。
年金を取り崩してみんな生きているわけですよ。
それを、こういう数字を持ち出して、二割負担は可能でありますと、こういう説明しちゃいかぬ。
本当にこの法案には、今日はちょっと利用料だけで三十分全部使ってしまいましたけれども、もういろんな問題があります。もう徹底的な議論が必要だし、今日少なくとも私が指摘した問題について納得のいく回答がない限り、これは絶対にこの法案は通すわけにはいかないということを申し上げたいと思いますので、一刻も早く今日要求した数字は出していただきたいというふうに思います。
以上で終わります。
○委員長(石井みどり君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○小池晃君 よろしくお願いします。
終わります。