赤旗2016年12月10日付
日本共産党の小池晃書記局長は9日、参院本会議での環太平洋連携協定(TPP)の承認強行後に国会内で記者会見し「怒りを込めて糾弾する。急速に進む危険のある日米2国間交渉を阻止するためたたかう」と表明しました。
小池氏は、トランプ次期米大統領がTPP離脱を表明し、協定発効が見通せないなかでの承認強行を「前代未聞」と批判。「与党から一切の異論が出てこないところにも、いまの安倍政権の異常さがある」と指摘しました。
小池氏は、トランプ氏は2国間交渉については推進を公言しているとし「より露骨に米国の要求を押し付けてくる危険がある」と強調。8日の参院TPP特別委員会で岸田文雄外相が、TPPが発効しない場合もさまざまな分野での日米交渉促進を約束したTPPの日米交換公文(サイドレター)を廃止しないと答弁したこともあげ「承認強行は無意味であるにとどまらず極めて危険で有害。TPPで譲歩した線が日本の国際公約だと世界に宣言することになる」と批判しました。
小池氏は「問われているのは自由貿易か保護主義かではない」と強調。TPPは多国籍企業の利益を最大化するためのルールづくりだとし「いま、多国籍企業の暴走、グローバル資本主義の暴走が貧困と格差を広げていることに、欧米諸国で批判の声が高まり、この間の選挙にも表れている」と指摘しました。
その上で小池氏は、「日本はTPPのような道ではなく、食料主権、経済主権を確立した新しい貿易・投資ルールを確立する道へ進むべきだ。日本共産党はその立場で今後もたたかい続ける」と力を込めました。