赤旗2016年12月7日付
日本共産党の小池晃書記局長は5日のBSフジ「プライムニュース」に出演し、自民、維新、公明が衆院で強行採決した年金カット法案について、各党議員と討論しました。
小池氏は、政府・与党が狙っている2019年10月の消費税10%増税時に、年金カット法案に盛り込まれた年金改定ルールの改悪が適用される可能性が最も高くなると強調。「(消費税増税にともなう)物価上昇分に見合う年金の引き上げがなく、それに加え、実質賃金の低下によって年金がカットされる。消費税増税の一方で年金が下げられれば、本当に深刻な打撃になる」と批判しました。
小池氏は、「国民年金の受給額は平均で月5万円だ。そういう実態を放置したまま、とにかく一律に年金額を下げていく。こういうやりかたで良いのか」と問いただしました。
自民党の片山さつき政調会長代理、公明党の桝屋敬悟政調会長代理は、低年金者には約6万円の給付金で対応すると釈明しました。
小池氏は、年間6万円が支給されるのは、年金保険料を40年間かかさずに払った人だけで、10年間しか払っていなければ月1250円の上乗せにしかならないと指摘。「低額年金には低額の給付金しかつかない。低年金を底上げするという発想が全くない」と批判しました。
小池氏が、賃金に合わせた年金改定ルールの実施は5年後であり、急ぐ必要はないと指摘すると、司会の反町理キャスターも「今すぐ成立させないと本当にだめなのか」と発言。桝屋氏は「制度というのは、そういう時に仕込まないと」などと述べ、まともに答えられませんでした。
小池氏は、「最低保障年金制度をつくることが必要だ」と述べ、そのための財源は消費税ではなく、累進課税の強化による所得税の増税で6兆円の財源をつくることを提案。「安心できる年金制度のために、国民のみなさんに能力に応じた負担を訴えるべきだ」と力を込めました。