赤旗2016年11月15日付
全国革新懇は13、14両日、都道府県革新懇事務室(局)長合宿学習交流会を神奈川県内で開きました。市民と野党の共闘の発展をめざし、歴史的な情勢と運動の発展にふさわしい革新懇運動をつくろうと初めて開いたものです。
日本共産党の小池晃書記局長・革新懇代表世話人が「野党共闘の現状と課題について」と題して特別報告(別項)。乾友行事務室長が報告と問題提起を行いました。
乾氏は、「統一戦線運動は新しい段階を迎えている」として、革新懇が追求してきた「一点共闘」と、市民運動の変化が今日の市民と野党の共闘をつくりあげたと指摘し、革新懇が果たした役割は大きいと述べました。
新たな情勢のもとで革新懇が「統一戦線運動の推進力」として、市民と野党の共闘を守り、発展させる「かなめ」と「架け橋」の役割を担うことを提起。「野党の統一候補を求める運動を市民とともに展開しよう」と強調し、革新懇の結成・拡大、体制と運営の確立を呼びかけました。
「参院選を通じて革新懇が市民権を得た」。討論でこう語ったのは宮城革新懇。統一候補の事務所から、「みなさんには本当に頑張ってもらっています」と感謝されたと紹介し、「今後につながる共闘となった」と語りました。
山梨革新懇は、「統一候補は当初、戦争法反対といわなかったのが励まされて変化し、選挙後も信頼関係が深まっている」と報告。総選挙に向けた協議を各党に呼びかけていきたいと語りました。
香川革新懇は、参院選後も民進、社民や連合系労組を招いて環太平洋連携協定(TPP)問題の集いを開いたところ、政治を変える必要性が語られたと紹介し、「地域での共同の展望が開けていると感じた」と発言しました。
参院選挙区と県知事選の勝利について発言した新潟革新懇は「市民と野党が“本気”でたたかったことが一番大きい」と強調し、革新懇が「政党と市民をつなぐ役割を果たした」と語りました。
総選挙勝利をめざす取り組みでは、東京革新懇が、49地域のうち48で組織を超えた共同が広がっており、「政治を変える共同に発展させ、野党統一候補の実現と共通政策の確立に取り組む」と表明。兵庫革新懇も「衆院選での共闘のカギを握るのは市民運動と県民世論の高まりだ」と指摘。「一点共闘」や憲法の連続講座を追求しながら全選挙区で市民連合の結成をめざすと語りました。
岡山革新懇は、参院選で共闘が実現し、得票を伸ばし展望を切り開いたと報告。「日本会議の支部が16もある。これにまけない地域革新懇をつくりたい」と表明しました。
岩手の代表は、TPPについて自治体や農協から「絶対に批准させない」と怒りが広がっていると報告。「戸別所得補償制度の復活を求める署名に賛同が広がるなど運動が力となり、全国で初めて県議会でTPP批准阻止の意見書を可決した」と語りました。
野党共闘の現状と課題
小池書記局長特別報告
全国革新懇の都道府県革新懇事務室(局)長合宿学習交流会では、代表世話人の日本共産党・小池晃書記局長が13日、「野党共闘の現状と課題」と題して特別報告しました。
小池氏は、安倍政権が大企業優先と対米従属という自民党政治の「二つの異常」を最も忠実に遂行するとともに、立憲主義の否定と侵略戦争美化、民意無視の強権政治という「従来の自民党政治にもない危険性を持っている」と強調しました。
民意無視の暴走の根底には、「自民党政治の深刻な行き詰まりがあり、それが国民との深刻な矛盾を広げている」と指摘し、国民的世論と運動で安倍政権を打倒し、政治を変えていく条件と展望があると力説しました。
市民と野党の共闘について、「市民の力が政党を変身させた」との市民連合の学者の言葉を紹介しながら、「一点共闘」から政治を変える「市民と野党の共闘」へと発展し、参院選をへてさらに進化していると述べました。
総選挙に向けた野党共闘の課題について、(1)豊かで魅力的な共通政策をつくる(2)本格的な相互協力、相互支援(3)政権問題で前向きな合意―を強調。4野党書記局長・幹事長会談で協議を加速していくことが合意されたと述べ、「市民と野党共闘を実現させる力は、草の根からの国民世論と運動にあり、革新懇が果たす役割は大きい。それぞれの地域で共闘の成果と発展方向を語り合い、さらに対話と共同を広げよう」と呼びかけました。