赤旗2016年11月7日付
日本共産党の小池晃書記局長は6日のNHK「日曜討論」に出席し、環太平洋連携協定(TPP)承認案・関連法案の8日の衆院本会議での採決を主張する与党を批判し、暴言を繰り返す山本有二農水相の辞任と、その上での徹底審議を求めました。
番組で野党4党が農水相辞任を求めたのに対して、与党は暴言について「おわびする」(自民党・下村博文幹事長代行)と言いながら辞任させないと拒否し、4日の衆院TPP特別委員会での強行採決についても「正式なプロセスにのっとった」と開き直りました。
小池氏は農水相の暴言を「反省とかおわびですむ話ではない。国会を無視した安倍政権の姿勢がはっきり表れている」と批判。「ことの発端は農水相の二度にわたる暴言だ。野党4党は辞任を求めている。ところが『ゼロ回答』だ。この事態を打開する責任は与党の側にある」と主張しました。
強行採決について与党が「70時間の審議をした」と弁明したことに対しても、小池氏は、中央公聴会やテーマ別の集中審議など与党も約束したこともやられず、関税撤廃や投資家対国家紛争解決(ISDS)条項の影響など「議論は始まったばかりだ」と強調。共同通信の世論調査でも66・5%が今国会にこだわらず慎重審議を求めていることを示し、「徹底的な審議をやるべきだ。その上で廃案にすべきだ」と主張しました。
さらに小池氏は、「自由貿易を守るためにもTPPは必要だ」という与党の議論に対して、ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ氏もTPPは多国籍企業のための管理貿易だと述べていることを紹介し、「世界では『多国籍企業を保護するようなルールづくりでいいのか』というのが流れになっている。それをきちんと見るべきだ」と強調しました。 (詳報)