赤旗2016年10月25日付
日本共産党の小池晃書記局長は24日、国会内で記者会見し、23日投開票の衆院補欠選挙(東京10区、福岡6区)での民進党の対応について、この間の4野党(共産、民進、自由、社民)間の合意に照らして「今回の補選のたたかいぶりはどうだったのか、速やかに4党書記局長・幹事長会談を開き、この間の経過について率直で真剣な検討を行うよう求めていきたい」と述べました。
小池氏は、5日の4野党書記局長・幹事長会談では、民進党から同党公認候補者への一本化と「勝利のためにできる限り協力してほしい」という申し出があり、日本共産党は自らの公認候補を降ろすという対応をとったと指摘。その際、安倍政権と対決する旗印として4点――(1)安保法制=戦争法の廃止、立憲主義の回復(2)アベノミクスによる国民生活破壊、格差と貧困を是正する(3)環太平洋連携協定(TPP)や沖縄問題など、国民の声に耳を傾けない強権政治を許さない(4)安倍政権の下での憲法改悪に反対する―を確認するとともに、野党が共同提出した15法案の内容の実現を目指すことも含めて合意していたことに言及。「この中身を旗印としてたたかうことを確認した。その4野党書記局長・幹事長会談の合意に照らして、今回の補選のたたかいぶりはどうだったかが問われる」「政党間の信義にもかかわる問題だ」と強調しました。
その上で、東京10区での4野党による合同街頭演説会(20日、池袋駅前)に民進党の鈴木庸介候補本人が参加しなかったことについて、主催した市民団体「TeNネットワーク2016」が21日の声明で「くりかえしの要請にもかかわらず、鈴木ようすけ候補は参加されませんでした」と抗議していると指摘。小池氏は「4野党党首クラスがそろうのだから、そこに候補者がきてほしいというのは当然だ。こういう要請があったにもかかわらず、候補者を出席させなかったという対応をしたわけで、これは協力して選挙に臨むという姿勢とはいえない」と批判しました。
また、同党の野田佳彦幹事長が24日の記者会見で「党の代表は送るが、候補者については『どちらでもいい』と聞いていたので、陣営の判断に任せた」などと実態と異なる説明を行っていることも指摘しました。
さらに小池氏は、安倍暴走政治と「対決する一丁目一番地は安保法制廃止だ。しかし、今回の選挙戦を通じて、(民進党候補からは)安保法制の廃止が語られなかった」と述べました。
記者団から、今後の衆院選に向けた野党共闘の「修正」の可能性について問われた小池氏は、24日の記者会見で野田氏が、総選挙でも「できる限りの協力」を他の野党に求め、「そのための協議を行う」と述べたことに言及。「われわれは安倍暴走政治を倒すためには市民と野党の共闘が必要だと思っている。前向きの合意をつくっていくためにも、今回の対応はきちんと総括しておかなければいけない」と述べました。