赤旗2016年10月21日付
「日本経済と医療保障財源」と題して各党国会議員を招いたシンポジウムが20日、東京都内で開かれ、日本共産党から参加した小池晃書記局長・参院議員が、消費税に頼らずに財源をつくる党の提案を詳しく説明しました。民間研究機関の「医療経済フォーラム・ジャパン」の主催で、各地の病院・診療所関係者や専門家ら約400人が集まりました。
シンポで自民党衆院議員の田村憲久元厚労相は、財源不足を口実に医療・介護の自己負担増を正当化し、「消費税10%の先を考える時代が来る」と、さらなる負担増を予告。民進党の岡本充功衆院議員は「8%への消費税増税で需要喚起ができていない」と、景気の悪化を指摘しました。
小池氏は、「効率化の名で必要な医療・介護をむやみに削れば患者・利用者が状態悪化して家族にも影響し、経済成長にマイナスになりかねない」として、“介護離職”の増大や格差拡大につながっていると指摘。景気悪化を招く消費税に頼らない、安定的財源を確立すべきだと語りました。
さらに、消費税が法人税引き下げの穴埋めに使われてきた歴史などを告発したうえで、大企業の優遇税制の見直しや、法人税率を安倍政権以前の水準に戻すなどの税制改革による財源づくりとあわせ、300兆円を超す大企業の内部留保の一部を国民に還流させる経済活性化の道を示しました。
これに対し、同フォーラム顧問の西村周三・医療経済研究機構所長は「(大企業や富裕層への)資産課税は避けられない時代だ」と応じ、資産課税の強化に向けた課題について質問しました。
小池氏は、大企業や富裕層に加え、「タックスヘイブン」(租税回避地)への投資は公表分だけで100兆円にのぼる一方、課税対象とされているのは0・4兆円だけだと告発。「抜け穴だらけだ。徹底的に網をかけて税逃れを許さない対策が必要だ」と答えました。