赤旗2016年8月30日付
安倍政権が参院選では争点隠しの手法でやり過ごしてきたさまざまな問題をだまし討ちで次々と具体化してきています。日本共産党の小池晃書記局長は29日、国会内での記者会見で「暴走が目にあまる」と批判し、全力をあげてたたかう決意を表明しました。
安保法制=戦争法の問題では、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に11月から派兵予定の自衛隊部隊に対して新任務の付与を狙い、「駆け付け警護」や「宿営地の共同防護」などを実施するための訓練が25日以降に始まります。
小池氏は、「戦争法の本格運用で戦後初めて“殺し殺される”深刻な事態が現実のものになりつつある。大変危険だ」と指摘しました。
国民の反対世論で3度にわたり廃案になった共謀罪について小池氏は、参院選で公約すらしなかったにもかかわらず、テロ対策を口実に臨時国会に提出しようとしている暴走を批判。さらに安倍首相が参院選で「争点にする必要がない」としていた憲法問題についても、「緊急事態条項」を含む改憲に向けた動きが始まっていることを指摘しました。
小池氏は沖縄米軍基地問題の暴走を告発。高江のヘリパッド建設を強行し、辺野古の新基地建設工事の再開を狙い、さらに話し合いによる解決を拒否して県を一方的に提訴した安倍政権の暴挙について、「沖縄では三正面作戦と呼ばれている。民意も憲法も踏みにじる大暴走だ」と批判しました。
暮らしの問題では、医療、介護など社会保障改悪による大負担増路線を具体化しようとしていることを指摘。国民多数の反対世論を無視して四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)を再稼働したことを厳しく批判しました。
そのうえで小池氏は、臨時国会での最大のテーマの一つとなる環太平洋連携協定(TPP)について、「米国では大統領候補が2人とも反対しているのに、安倍首相は、この臨時国会で強行突破しようとしている」と批判。「これらの暴走一つひとつを、幅広い国民と力を合わせ、国会内外のたたかいでも、国会論戦でもストップさせるために全力をあげる」と力強く表明しました。