「赤旗」6月27日付
日本共産党の小池晃議員は26日の参院厚労委員会で、厚労省が検討している精神科病棟の一部を居住施設に転換する構想について、「日本の遅れた精神障害者政策をさらなる深い闇に引きずり込むものだ」と批判し、白紙撤回を求めました。
厚労省は、長期入院精神障害者に対する施策として、精神科の病棟をそのまま居住施設に転用することで、入院患者の数を減らす政策を検討しています。
小池氏は「精神医療改革というなら、長期入院を解消し、一刻も早い退院と、地域での生活の開始のための施策をうつべきだ」と指摘。「病院の敷地の中で、病院の建物と同じ建物で引き続き暮らしていくことを社会復帰、地域移行といえるのか」とただしました。
田村憲久厚労相は「(病院内の居住施設転換は、患者が)地域に移っていく途中段階だ」と答えました。
小池氏は、「一度整備されれば恒久化してしまう」と懸念を表明した日弁連の会長声明などを紹介して反論。厚労省が行った入院患者への意向調査でも、退院先が病院の敷地内ならば退院したくないという回答が多数となっていることをあげ、日本が批准した障害者権利条約にも逆行すると指摘しました。
小池氏は、厚労省の検討会では構成員25人のうち、当事者が2人しかいないことを指摘し、「当事者不在の議論をあらためるべきだ」と強調しました。