赤旗2016年7月13日付
ジャーナリストの鳥越俊太郎(とりごえしゅんたろう)氏(76)は12日、東京都内で会見し、都知事選(14日告示、31日投票)への立候補を表明し、「住んでよし、働いてよし、環境によしと、三つのよしの東京」の実現に誠心誠意取り組みたいと述べました。これを受け、共産、民進、生活、社民の野党4党は国会内で書記局長・幹事長会談を開き、鳥越氏を各党が支援し、勝利のために全力をつくすことを確認しました。
鳥越氏は立候補にあたっての基本的立場として、(1)2代続けて知事が「政治とカネ」の問題で途中辞任したことを踏まえ、納税者意識を受け止めた都政運営を進める(2)公共事業偏重をやめ、待機児童や介護問題の解決など都民の暮らしを優先する(3)国政の憲法「改正」の流れに歯止めをかけるために東京から発信する―の3点を語りました。
立候補の経緯については、政党からの打診ではなく、自らの意志で決めたことだと強調。「私の人生の残りを使って、東京都のために全力を注ぎたい」と語りました。
都政の焦点となっている課題について記者からの質問に答え、▽2020年の東京五輪の開催費用はできるだけ抑える▽築地市場の移転は再検討する▽米軍横田基地へのオスプレイの配備を控え、米軍が使用している首都圏上空の横田空域管制権を返還するよう求める▽再生可能エネルギー導入を進め、原発は減らしていく―との立場を示しました。
また、中国、韓国などとの「首都サミット」開催や若者の文化交流など、都知事として近隣諸国と憲法を生かした都市外交を進める考えを示しました。(鳥越氏の記者会見要旨)
「幅広い市民にも呼びかけ」
書記局長・幹事長会談後の会見
4野党書記局長・幹事長会談後の共同記者会見で民進党の枝野幸男幹事長は、鳥越氏から野党4党に支援の要請があったことを紹介。「出馬会見を拝見し、われわれの側から応援させていただきたいので、その意思で出馬していただきたいと申し上げ、確認した」と表明しました。
また「野党4党だけでなく、幅広い市民、いくつかの政治集団にも幅広く呼び掛け、みんなで応援し、都政を刷新する知事選にしていくということで、野党4党と鳥越氏で一致した」と述べました。
日本共産党の小池晃書記局長は、鳥越氏が出馬会見で「納税者の立場で税金の使い方を厳しくチェックする」「保育や介護を重視する税金の使い方に変える」「憲法をないがしろにする政治について都知事選では参院選とは違う結果を出したい」と主張していることを挙げ、「この3点は非常に重要であり、全面的に賛同したい。共産党としては全力で鳥越氏の勝利のために力を尽くしていきたい」と述べました。
社民党の又市征治幹事長、生活の党の川島智太郎事務総長も、それぞれ鳥越氏を支援すると表明しました。
鳥越氏も同会談に出席し、会談後の共同記者会見で「私は自公与党に頭を下げるつもりはない。今日、野党4党の協力関係にご支援をお願いし、快く支援を表明していただいたので、力いっぱい選挙をたたかい、都民・市民の声に応えたい」と表明しました。