赤旗2016年5月28日付
児童福祉法改正案が27日の参院本会議で採決され、全会一致で可決・成立しました。これに先立ち26日の厚生労働委員会で質疑に立った日本共産党の小池晃議員は、改正案が「子どもの権利条約の精神にのっとる」として、「子どもを『保護対象』から『権利の主体』に転換したのは重要だ」と述べ、賛意を示しました。
小池氏は、児童相談所が保護した子どもを短期滞在させる一時保護所の問題を取り上げました。一時保護は2カ月までとした厚労省指針を超えた長期入所が少なくないうえ、虐待者から子どもを引き離して学校に通えなくなるため、「入所の長期化は学習の遅れにつながり、交友面でも支障が出る」と指摘。学習・精神両面での支援・処遇の改善を求めました。
東京都と千葉県の6施設が2013年に定員超過したという指摘もあげ、虐待の増加で収容力が限界に近付いていると強調。子どもたちのトラブル防止へ職員が時間外勤務で見守っている事例をあげ、「放置できない。子どもの命を守る最前線が児相であり、一時保護所だ。数も職員数も抜本的に増やすべきだ」と迫りました。
塩崎恭久厚労相は「209の児相のうち一時保護所を持っているのは132しかない。職員の充実も図らないといけない。子どもの安全確保のため一時保護所の整備に取り組む」と答えました。