「赤旗」6月2日付
日本共産党の小池晃副委員長・政策委員長は1日のNHK「日曜討論」で、安倍首相が導入の検討を指示した「残業代ゼロ」の労働時間規制撤廃について「今の法律があってもサービス残業がはびこり、労働時間規制はあってなきがごときなのに、この規制まで外してしまうものだ。断固反対だ」と主張しました。(小池氏発言)
労働基準法は「1日8時間、1週40時間」の労働時間の上限を定め、これを超えれば企業に残業代の支払いを義務付けています。安倍首相が指示した制度は、年収や職種などを限定して、労働時間ではなく「成果」で報酬を決めようというものです。
こうした動きについて小池氏は「労働時間に応じて賃金を支払うのが大原則であり、成果に応じた賃金となれば、成果を上げるまで残業代ゼロで働かされることになる」と批判しました。
自民党の高市早苗政調会長が、第1次安倍政権で導入を断念した「ホワイトカラー・エグゼンプション」との違いとして労働者本人の「希望」が条件だと述べたことに対し、小池氏は「会社から期待されて断れますか。そんなの何の歯止めにもならない」と指摘しました。
また、産業競争力会議で財界代表が「幹部候補生に限る」としていることについても、「いまブラック企業は、みんな入ったら幹部候補生といって死ぬまで働けといってやっている。まったく歯止めにならない」と強調。「いま国会の全会派一致で過労死防止法を通そうとしているときに、それとまったく逆行するようなことをやってしまうことになる」と批判しました。
自民党の高市氏が「残業代がゼロになるのではない。残業代が込みということ」と反論したのに対し、小池氏は「労働時間規制をなくすということは残業代という概念がなくなる。残業代がゼロになる」と述べました。高市氏がさらに「全部の労働者に適用されるわけではない」と弁明したのに対しても、小池氏は「そんな限定はまったく成り立たないという議論をしている」と語りました。