○小池晃君 日本共産党の小池晃です。今日は、参考人の皆さん、ありがとうございました。
井上参考人にまずお伺いしたいと思うんですけど、介護休業制度の問題ですが、介護というのは言わばエンドレス、育児に比べてもそういう意味では先が見えない。そういう中で、九十三日というのはいかにも短いというふうに思うんですね。
連合の調査では、九十三日超えが三五・五%、施設に入るまでということなんですが、この資料で、厚労省はこれ調査していないというふうに書いてありますけど、これちょっと余りに無責任じゃないかなと、こういったことを調べもしないで九十三日のままというのはいかがなものかと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(井上久美枝君) 審議会の方でも、施設に入るまでの期間についての調査がないということについて主張をしたところでございます。
やはり元々介護休業の法制度ができたときの概念というところから始まっておりますので、そういう意味でいえば、今、当時の介護休業法ができたときから明らかに介護の実態が変わってきているというふうに考えますので、そういう意味では、やはり施設に入るまでの期間から、あるいはそのエンドレスで終わるところまでも含めて、どれぐらい本当に掛かるのか、労働組合があるところにつきましてはやはり二年や三年の介護休業期間を協約で結んでいるところがありますので、やはりそれだけ必要だというふうに思います。
○小池晃君 ありがとうございます。
引き続き、井上参考人に育児休業の問題でお伺いしたいんですけど、やはりこの育児休業制度、これを取れる職場環境づくりのためには、代替保障、所得保障、原職復帰と、やっぱりそういった制度が必要だと思うんですが、背景にやっぱり長時間労働の問題が、先ほどからもあるように、あると思うんですね。これはもう連合さんも主張されているように、残業時間の上限規制、それからインターバル規制、これやっぱり待ったなしではないかなと私どもも思っているんですが、育児休業との関係でその重要性をどのようにお考えになっているでしょうか。
○参考人(井上久美枝君) まさに御指摘のとおりで、インターバル規制につきましてはもう数年前から連合としても方針に入れておりまして、既にそれを協約化している組織もあるんですけれども、やはり男性の長時間労働が大変課題としてあると思います。特に三十代の男性の超過勤務、これが月平均六十時間を超えているという実態があります。そういう意味では、男性も女性も仕事をしながら子育てをするということに関して、月に六十時間以上超勤があれば、家には帰れない、ましてや地域での活動もできない。そういう意味では、待ったなしの長時間労働の是正というのは私も同感でございます。
○小池晃君 小酒部参考人にお伺いしたいんですけれども、もう本当にリアルな実態、大変よく分かりました。ハラスメントの一元的対応ということを主張されていると思うんですが、これはやっぱりどういう効果を期待されているのか、理念も含めてお考えをお聞かせいただけますか。
○参考人(小酒部さやか君) 先ほど三大ハラスメント、それからファミリーハラスメントの位置付けという図を説明させていただきました。マタハラは、三大ハラスメントとファミリーハラスメントの全要素が含有されているのがマタハラだというふうに捉えています。なので、マタハラを解決すれば周辺のあらゆるハラスメントが解決していくのではないかというふうに私は期待しています。
また、マタハラ問題は人権問題であるのと同時に、日本の経済問題です。そして、経済問題であるからこそ、私はアメリカの国務省から受賞させていただきました。
マタハラは、ドミノ倒しというものがありまして、二つのドミノ倒し、一つが少子化へのドミノ倒し、そしてもう一つが、保育園のチケットがなく保育園に入れず、労働人口の不足にもかかわらず労働力不足へとつながっていくと。この二つのドミノ倒しにも関わっていますので、マタハラを解決すれば日本のあらゆる問題が解決され、経済の維持にもつながるのではないかというふうに捉えています。
○小池晃君 ありがとうございました。
猪熊参考人に、保育園入れないの私だというすごい声が今広がっているわけですね。政府の方からはやっぱり規制緩和的な対応策が出されています。小規模保育を、小規模保育を増やすってちょっと論理矛盾じゃないかなと思うんですけど、そんな中身とか、企業内保育所って出てきているんですけど。
猪熊参考人は、川崎や横浜の実態で、株式会社立の保育所が産廃の隣に造られているとか、鉄道の高架下に造られているとか、そういった実態を告発されていらっしゃいます。緊急に確かに手だては必要なんだけど、事は子供の問題ですから、やっぱり私はいわゆる認可保育所を造っていくということを緊急に、特に公立の保育所が今どんどん統廃合をやっているという、これをやっぱりストップさせて、そこを強めていくことが必要、遠回りのように見えてこれがやっぱり根本的な解決、しかもこれが緊急にも願いに応えることになるんじゃないかと思っているんですが、いかがでしょうか。
○参考人(猪熊弘子君) ありがとうございます。
保育の質のことに関しましては、今日の関連資料の五十四ページに、これは「発達」という保育の専門誌ですけれども、そこに「規制緩和が招く「保育の質」の危機」ということで、本当に細かく私がいろんな情報開示していただいたものとかを使って、それで書いた原稿ですので、是非読んでいただきたいと思います。この五十五ページの左下のところの一番最後の段落のところに、やはり待機児解消にはスピードが必要ですということもお示ししています。
やはり、園舎を整備するために三年掛かるとゼロ歳の子供は三歳になってしまうということから、本当にニーズが変わってきてしまう。本当にいち早くという対策は必要なんですが、だからといって命に関わるような規制緩和というのを私はやはりするべきではないだろうというふうに思っています。
それから、公立保育所に関しましては、一般財源化で公立の保育所があるのに使えない、どんどん減らしていくというようなことになっていますけれども、公立保育所の中も先生たちも半分ぐらいが非正規だったりして、保育所の中のその問題というのもすごく大きくなっているなというふうに思っています。
規制緩和ではなく、やはりお母さんたち、お父さんたちにアンケートというか質問、取材をしていますと、例えば、とてもいい小規模保育所に出会えたという方ももちろんいらっしゃるんですね。
本当にそういった小さいところも、本当に良心的にやってくださっているところはたくさんあるわけなんですけれども、やはりそれでもまた、二歳で三歳にいくときにとても壁ができてしまうと。
そこのところをうまくつなぐような政策をするとか、もちろん今少なくなっている公立保育園、ゼロ歳から五歳までちゃんと行けるところをもっと整備できるようなお金を付けていただくとかということもやはり更に必要だというふうに思っています。
私は、実は保育事故のことをずっと取材をしていまして、子供さんを、保育施設で亡くなったというのを本当にもう十五年以上ずっと取材をしているんですけれども、やはり、本当に多くの方が待機児で保育園に入れなくてということで、子供の未来の夢も絶たれてしまう、仕事をしながら子供を育てるという夢も絶たれてしまう、本当に悲しい現実をたくさん見てきています。ですので、保育園というのは、もちろん就労支援にとってとても大切な施設ですけれども、それは子供のための施設なんだということで、是非そこのところの意見を皆さんで考えていただければと思っています。
ありがとうございます。
○小池晃君 ありがとうございました。
それから、保育士さんの待遇の問題ですが、公定価格なわけですよね。そこのところをやっぱり引き上げるということで私はやっていくべきだと思うんですが、その点、端的にお答えいただけますか。
○参考人(猪熊弘子君) ありがとうございます。
やはり、新制度になりましてから公定価格の値段のことがすごく話題になるんですが、公定価格を引き上げていくということは、本当に保育の質についても保育士さんのことについても重要なことだと思っています。
○小池晃君 ありがとうございました。
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