赤旗2016年3月18日付
日本共産党の小池晃議員は17日の参院厚生労働委員会で、社会福祉法改悪案について、公費助成廃止は過去の廃止の影響に照らしても福祉人材確保に逆行することを明らかにして批判しました。
改悪案は、障害者施設職員の退職共済への公費助成を廃止します。小池氏は、過去に介護事業所の助成を廃止した影響で、2006年には約30万人いた共済加入者が15年には約25万人と約5万人減少しており、同時期の障害者分野の加入者数は約13万人から約19万人と約6万人増加していることから「影響は明らかだ」と指摘しました。
改悪案が17年までに、保育分野にまで公費助成の「見直しを検討する」としていることについて、小池氏は「待機児童ゼロが実現していなければ公費負担は維持するのか」とただしました。塩崎恭久厚労相は「今回廃止を提案している公費助成とのバランスとかを考えなければならない」と述べ、明言を避けました。
小池氏は「バランスといって下にあわせることをやれば、福祉職の非正規化を加速し、人材確保を閉ざす」と批判しました。
改悪案は、社会福祉法人の本来事業とは別に国や自治体の仕事を肩代わりさせるようなサービスを責務化。社会福祉法人に「余裕財産」がある場合、これを「残額」として使途の計画作成を義務づけています。小池氏は、社会福祉法人の本来事業に支障がでる場合には、追加的なサービスは行わなくてもいいのかただしました。
厚労省の石井淳子社会・援護局長は「本来事業に支障がない範囲で実施していただくもの」と答えました。