○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
参考人の皆さん、ありがとうございました。
家平参考人にまずお伺いしたいと思うんですが、今の社会福祉事業の現状からすれば、お金が余るなどということはないような実態だし、そういうのがあるのであれば、本来の事業あるいは労働者のため、利用者のためということだろうと、私も本当にそう思うんですが、社会福祉充実残額なるものを今度の法案で出してきているわけですね。
この算定方法とか基準が法律上は書かれていないわけです。政府に聞くと、これは厚生省令で決めると。このことについてどういう問題点を感じていらっしゃるか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(家平悟君) 私の最初の発言にも述べさせていただいたんですが、やっぱり、元々の支援をよそに回す、お金を、原資をよそに回すということ自体がやっぱりおかしいんじゃないかということを言わせていただいて、そんな余裕があるような実態じゃないということで、それを国で地域公益活動の義務化として義務で強制するというのはおかしいんじゃないかという発言をさせてもらったんですが、それをどのようにしていくのかというよりかは、それをどの程度やりなさいというふうなことになるのかというのがこの社会福祉充実残額なるもので決まっていくと思うんですね。
そうすると、それがどの程度の基準で、算出方法でやられるのかというのは本当に今時点では分からないですし、じゃ国会のこの審議でそれが明らかにされないまま、白紙委任で、国会を運営されている皆さんが知らない間にそれを白紙委任するということはどういうことになるんだろうというふうに思うんですね。それをもしするのであれば、まずはこのような算出方法ができましたよということで示されて、それが妥当なのかどうなのか、本当に法人の運営を、そしてその支援が他に流用されるようなことにはならないのかと、そういうことをしっかり議論をするということがまずもって大事だと思うんですが、そのことを抜きに、今回、政省令に任せていくということは本当におかしいことだなというふうには僕は感じています。
○小池晃君 ありがとうございました。
その問題点は、ちょっと国会、これからの審議でも問題にしていきたいなというふうに思います。
内田参考人にお伺いしたいんですが、介護福祉士の国家資格の一元化、この間、三年延ばして一年延ばしてと、もう本当に先送り先送りできたわけですね。今回、五年というのは長過ぎると思いませんか、この経過措置。やっぱり直ちにやる、そしてこれ以上は絶対に遅らせないということがもうどうしても必要だと私は思うんですが、やはりこれ、現場の資格の問題、地位向上ということにもなるし、きちっと基準化することが、国家試験化することがやっぱり労働条件の改善につながっていくと、先ほども主張あったのでね、私はやっぱりもっと迅速にやるべきだと思うんですが、いかがでしょう。
○参考人(内田千惠子君) 今おっしゃっていただいたことは、介護福祉士の資格制度にも大きく関わることですので、私どもも是非ともしっかりと御検討いただきたいというふうに思っております。
○小池晃君 ありがとうございました。
もう絶対これ以上の先送りというのは私は許されないというふうに思います。ちょっと五年というのは長過ぎるんじゃないかなと、いかにもというふうに思います。
もう一度家平参考人にお伺いしたいんですが、担い手の問題で、先ほどのお話の中で退職手当共済制度のことに触れられました。これやっぱり、介護で公費助成をなくし、今度は障害者分野と、保育についてもこれから廃止の方向での検討ということで、やはり今、福祉労働者、障害者分野での労働条件はこれだけ大変だと言われている中で、私は逆行ではないかというふうに思うんですが、この公費助成廃止の問題点をもう少し、参考人の考え方をお聞かせ願えませんでしょうか。
○参考人(家平悟君) 結局、三分の二今まで出ていたものがなくなれば三分の二を負担すると、それは月にすれば一万何ぼということで、年間通しては十数万円ということで聞き及ぶんですが、その原資というのが支援がなくなるということに直結するという話じゃないですか。
それで、元々この退職金制度というのは、公的なサービスを担うことが社会福祉法人に役割としてあるわけですから、それを公務員並みにちょっとでも近づけるために、公的な事業を担ってもらうためにあったと思うんですけれども、それがなくなるということで、本来ならば、人材確保の問題だとか、いろんな法案が今も出ていますし、やっぱり、社会福祉事業だとか介護も保育も含めて人材をどう確保していくのかというときにやられるようなことなのかと。
もっと言うならば、例えばそれが社会福祉法人だけにするのではなくても、民間企業の営利企業だって非常に賃金が低いというふうなことは、社会福祉法人でも非常に低いというような実態があって、社会福祉法人がお金を人材にちゃんと使っているという反面もあるんですが、そういう実態はないということで、営利企業であればそういうところにも制度を広げてこの人材を守っていくということがあってもいいんじゃないかというふうなことを個人的には思いますし、それで言うならば、そういうことの方向でいくならば、金もうけの材料にするような営利が今は入っているんですから、そこに規制をしっかりと、質を担保できる規制を掛けていくことがやっぱり重要なんじゃないか、その二面が必要なんじゃないかなというふうに思います。
○小池晃君 ありがとうございました。
イコールフッティングというんだったら、全体をイコールフッティングにして、何か社会福祉法人のところだけ外す、廃止するというのは、やっぱりこれは全体の政策方向と逆行するんじゃないかと私も思います。
武居参考人にちょっとお伺いしたいんですが、先ほど、社会福祉充実計画のところだったと思うんですが、やっぱりその自主性、自律性を尊重するような対応を自治体には求めたい、行政には求めたいという御発言がありましたが、参考人の立場で行政に対して望まれることがあったらお聞かせください。
○参考人(武居敏君) 特に充実残額についてということでございますので、充実残額は社会福祉事業、本来の事業をやって、その事業にある程度必要なお金を投入した後に残るものをどう計算するかという話になるんだろうと思います。基本的には、現在やっている事業を継続していく、これはもう最低限必要な費用になるんだろうと思います。特にそこでの費用の算出、現在の事業をどう継続していくか、その費用の算出というのがいろいろな計算方式が出てくる可能性があるんだろうと思います。その点について二つ方法をお話をさせていただきたいと思います。
一つは、規模が大きくて、自分のところの細かい例えば再生産の費用などを専門家に計算してもらえるような、そういう能力を持っているような組織は自主性を是非尊重していただきたいという意味合いがございます。
一方、事務職員もおらずに法人の職員もいないような組織も一方ではございますので、そういうところについては何とか簡便な方法で計算できるような、これも一方で必要なのではないか、その辺りを併せてお願いをしたいと、こんなふうに思っております。
以上でございます。
○小池晃君 ありがとうございました。終わります。
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