「赤旗」2016年2月19日付
現場で当事者とともに
山添氏(東京)
16日放送の「生放送 とことん共産党」に出演した山添拓(東京)、大河原としたか(京都)両選挙区予定候補の話は、弁護士のあり方から、改憲をたくらむ安倍政権に対決する決意にまで及びました。
弱い立場に置かれた人のためにたたかう弁護士にあこがれ、弁護士を目指しているという秋田県の高校3年生から「学生時代の様子やアドバイスを」とのメールが届きました。
山添 いろんな現場を見に行くということを、学生時代や法科大学院時代もするようにしていました。それが一番、弁護士を目指す勉強の中で役立ったと思います。ハンセン病の療養所で、当時ご健在だった谺雄二(こだま・ゆうじ)さんに、裁判に立ち上がるか悩んでいた時に来てくれた弁護士が一緒に風呂に入って励ましてくれたという話をうかがいました。ハンセン病患者と同じ風呂に入って励ましてくれるということに心強く思って裁判をたたかう決意ができたと。その話をきいてぜひそういう弁護士になりたいと思ったんです。いろんな事件が起きている現場に行って当事者の話を聞くことがすごく大事だと思います。
大河原 同感です。社会で起こっていることがどういう意味を持っているのか。それらを常に意識して、その中で自分が弁護士になったらどういうことができるのか、弁護士にならなくても社会運動のなかでどういうアプローチをしていけるのか意識しながらニュースを見るといいかもしれません。
仁比聡平参院議員 弱い立場に置かれた人のためにたたかう弁護士になりたいと思っているということには、きっと理由があると思うんです。そこを大事にしてほしい。焦らず、広く視野を置いて、いろんな人の話を聞いたり、本を読んだり映画を見たり友達と語り合いながら磨いてほしいと思います。
戦争は許さないが原点
大河原氏(京都)
司会の小池晃副委員長は、この間、安倍晋三首相が、緊急事態条項や憲法9条2項の「改正」、参院で与党ら改憲勢力が3分の2の議席をとると明言するなかでの選挙になっていると指摘。弁護士候補者はこれにどうたたかうのかききました。
山添 私の学生時代は第1次安倍政権で、まず教育基本法が改悪されるということは許せないと、国会に向けてデモをやりました。翌2007年に、9条改悪にきちんと立ち上がることが必要、これを止めるという学生の思いを形にすることが必要だと、都内のいろんな大学の9条の会で、1000人をこえる規模で早稲田大学で集会を開きました。この、“ピースナイト9”の活動は今も続いています。
大河原 弁護士になってすぐ、中国残留孤児の方の裁判に、それから被爆者の方の原爆症認定訴訟に取り組むようになりました。二つの点で共通するのは、戦争になったとき、被害をうけるのは軍隊じゃなくそこにいる市民のみなさんなんだということです。戦争を絶対許してはいけないということが僕の弁護士活動のスタートでもあったので、憲法を絶対守らないといけないという決意でやっています。
小池 あれだけ憲法からかけ離れた戦争法を通してしまったから、次は憲法そのものを破壊しようという方向になってきている。
仁比 解釈改憲と明文改憲は車の両輪で、片方を暴力採決で動かす、そうすればもう片方の車をもっと前に動かすという形で戦争する国への暴走をしようとしています。
小池 野蛮な改憲論がでてくる国会、しかも、(安倍政権は)次の選挙で3分の2を占めて明文改憲に突き進もうとしているなかで、党の議席が増えること、そのなかでも弁護士の議員が国会にはせ参じてくれることは、たたかいを励ますし心強い。
仁比 東京と京都の選挙で勝ち抜くことは、そう簡単な選挙じゃない。だけど安倍政権の暴走は絶対に止めなければいけないし、そのためには共産党が絶対に勝利しなければいけない。2人の弁護士になんとしても勝ちあがってもらいたい。僕らが頑張り抜いてこそ、(改選定数)1人区での「野党は共闘」の声にこたえる動きも発展していく。熊本選挙区のあべ広美さん(市民・野党統一予定候補)も大事な弁護士仲間。この流れで日本の政治を変えていきましょう。
大河原 参院選まであと5カ月。安倍政権の暴走を止めるため、改選定数2の選挙区で勝ちきるたたかいをやっていきたい。
山添 立憲主義をわきまえない安倍首相は憲法改定を語る資格がない。国会にいって仁比さん、大河原さんと声を大にして言いたい。
働きやすい社会へ
番組終了後、これからの抱負を2人にききました。
山添 福島原発事故被害者の救済とともに、ブラックな働かせ方の問題に取り組みたい。
生活するために仕事をして賃金を得るのに、仕事のし過ぎで命を落とすというのは本当に異常なことです。それをさらに促進するようなアベノミクスは、“1億総ブラック化”です。これを必ず止め、働きやすい暮らしやすい社会をつくるルールづくりの仕事をしたいですね。
大河原 働くことは人間の生活にとって基本。働く意思、働ける場所があって、きちんと働いたら生活できる給料がもらえるという、その基本が崩れている。そこをなんとしても守らせるような働き方のあり方をつくっていきたい。
アスベスト被害の問題は、裁判にかかわってきた者として全面救済にむけ国会でやりとげたい。
(おわり)