「赤旗」2016年2月8日付
日本共産党の小池晃政策委員長は7日のNHK「日曜討論」に出演し、国会で審議中の新年度予算案について、政府がうたう「分配」にも逆行した予算だと批判し、国民生活優先へ根本的に転換することを主張しました。 (小池氏発言)
番組では日銀によるマイナス金利の導入がテーマとなり、自民党の新藤義孝政調会長代理が「各銀行が使い道のないお金を日銀に預けるだけではなく投資に回してください」ということだと説明しました。
これに対して小池氏は「問題は市中(民間)に需要がないことだ」と述べ、実質賃金の低下、年金の目減り、家計消費の落ち込みなどの消費税増税の打撃が続いていることを指摘し、「そういう時に金融政策だけで日本経済が改善するわけがない。国民の所得・消費を増やし、貧困と格差をなくしていく政策がなければ絶対にうまくいかない。『苦肉の奇策』だ」と批判しました。
新藤氏は「各党のおっしゃっていることは一面の真理だ」と述べ、企業の内部留保が膨らんでいること、実質賃金を増やさなければ消費も伸びないことを認めざるを得ませんでした。同時に、来年度予算案について「経済成長と分配をリンクさせ、好循環をつくろうとしている予算だ」と自賛しました。
小池氏は「分配の仕方が間違っている」と批判。内部留保が膨らみ、賃金を増やして可処分所得を増やさなければいけないと認めているにもかかわらず、大企業減税の一方で消費税増税を強行しようとするなど「言っていることと逆行する政策」を行っていると指摘しました。
小池氏は新年度予算案についても、社会保障費の自然増の抑制、文教予算・中小企業予算の対前年度比マイナス、軍事費だけは700億円増の5兆円以上となっていると述べ、「新藤さんが言った問題点を立て直す予算にまったくなっていない。悪循環の予算でしかない」と強調しました。