○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
昨日の続きです。
麻生大臣、冒頭で御説明ありましたが、総務省の家計調査は消費実態の六割程度しか把握していないということになるわけですね。これちょっとにわかに信じ難いんですけど、ということは逆に、今まで家計調査を基にした統計、様々ありましたが、これは実態に合わない数字だったということになるわけですね。
この間、我が党の議員が、増税した場合、どれだけ負担増になるのかを質問して、私もしましたが、これは実態に合わせるとどういう数字に変わるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) この消費税の軽減税率制度の減収額見積りについてということなんだと思いますが、消費税収の実績に見合った減収額を求めるとの考え方の下で、消費税収の減収額から政府の負担額などを控除して、これに家計調査から推計したいわゆる課税、何て言うの、消費支出額に占めますいわゆる軽減税率対象の消費支出額の割合を乗じるということで、これによって一兆円程度と見込んでおるというのがいわゆる我々財務省側の考え方であります。
なお、家計調査の一世帯当たりの消費支出額に世帯数を乗じて算出した消費総額というのは百三十五兆円程度であるということなんですね。それで、家計調査の対象としている消費支出に係る税収から推計した消費総額二百二十五兆円程度の約六割と、今言われた程度になりますので、この相違は、家計調査が国民生活におけます家計構造を明らかにすることを目的としたサンプル調査ということに基づく統計であるといったことによるものではないかと考えられるというところであって、これは正確にまだ、これ正直、分析ができているわけではありませんので、そういったものが考えられると申し上げておきます。
このため、家計調査に基づきます総世帯一人当たりの負担軽減額四千八百円程度に人口約一億三千万人を掛けました場合に〇・六兆円程度となりまして、先ほど申し上げました消費税の軽減税率制度導入によります減収見込額一兆円程度とはならないということになってくるということで、掛ける基の数、百三十五と二百二十五の違いから出てくるんだと思っております。
今国会におきましては、この消費税の軽減税率制度の家計への影響として、例えば二人世帯以上の収入階級別の一世帯当たりの消費税負担軽減額など、様々な前提でお尋ねをいただいてきたところですが、こうしたお尋ねに対しましては、世帯の負担についての御質問でしたので、世帯の消費捻出の状況などを示す統計であります家計調査の計数をそのまま用いて算出した世帯ごとの消費税負担額の変動としてお答えをしてきたところであります。
したがいまして、利用可能な統計を活用してお尋ねの内容に最大限お答えするように努めてきたところではありますけれども、今後、どのような統計を使って説明したのかということに関してはもう少し丁寧にこの統計を使ってこう説明したということを申し上げぬといかぬのかなと思っております。
(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 済みません、割り戻したらの話、済みません、間違えました。
この国会におきましては、消費税の軽減税率制度の家計への影響として、例えば二人以上世帯の収入階級別の一世帯当たりの消費税負担軽減額など様々な前提でこれまでお尋ねをいただいてきたところですが、我々はそれに対しまして、世帯の負担についての御質問でしたので、世帯の消費支出の状況などを示す統計であります家計調査というものの計数をそのまま用いて算出いたしました世帯ごとの消費税額の変動などをお答えしてきたところですが、このような形でやりました結果、今回差異が出てきたところだと思いますが、今後、どのような統計を利用したかを含めて更に丁寧に説明したいと考えておりますが、なお、お尋ねのように、総世帯の一世帯当たり及び一人当たりの消費税負担増減額につきまして、消費税収の見込額、税率一%当たり約二・七兆円と、及び軽減税率導入によります減収見込額一兆円程度を世帯数や人口で除すということなどによりまして機械的に算出をすると、軽減税率制度を導入して標準税率を一〇%に引き上げることによる負担増は一世帯当たり六万二千円程度、一人当たり二万七千円程度ということでありまして、軽減税率の導入によります負担軽減額は一世帯当たり一万八千円程度、一人当たり八千円程度になるものと見込まれるということであります。
○小池晃君 全く数字違いますよね、今までの説明と。
今、それと、要するに食料品、新聞を軽減税率の対象とした場合の負担増はどうなりますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 六万二千円から一万八千円を引いた差になりますと、四万四千円ということになるということだと存じます。
(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 六万二千円に一万八千円を足しますと八万円ということになります。
○小池晃君 だから、今まで、一世帯当たり答弁としては三万五千円と言っていたんですよ、一世帯当たり三万五千円と。これ、全然違う数字じゃないですか。
ちょっと三万五千円に対応する数字は幾らですか、じゃ。言ってください。三万五千円に対応する数字は。新しくなるとどうなるんですか。
○委員長(岸宏一君) ちょっと速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○国務大臣(麻生太郎君) 三万五千円と申し上げた分が、今の申し上げている数字が六万二千円ということになると、六万二千円ということになるんだと存じますが。
○小池晃君 いや、だから、結局全然違うということになるわけですね、これ、衆議院でも答弁してきたことと。要するに二倍近いじゃないですか。
総理、今までこの数字出てこなかったんですよ。
こういう形で実際の負担を小さく見せかけてやってきたことの責任、重大じゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会においては、消費税の軽減税率制度の家計への影響として、例えば二人以上世帯の収入階級別の一世帯当たりの消費税負担軽減額など様々な前提でお尋ねをいただいてきたわけであります。こうしたお尋ねに対しては、世帯の負担についての御質問であったので、世帯の消費支出の状況などを示す統計である家計調査の計数をそのまま用いて算出した世帯ごとの消費税負担額の変動等としてお答えをしてきたところであります。
このように利用可能な統計を活用してお尋ねの内容に最大限お答えするよう努めてきたところでありますが、今後はどのような統計、これはまあ財務大臣からお答えをしているわけでありますが、どのような統計を活用したかを含め、丁寧に説明してまいりたいと思います。
なお、お尋ねのように、総世帯の一世帯当たり及び一人当たりの消費税負担増減額等について、消費税収の見込額税率一%当たり二・七兆円及び軽減税率導入による税収見込額一兆円程度を世帯数や人口で除すこと等により機械的に算出すれば、先ほど麻生大臣から答弁させていただいたとおりでございますが、いずれにせよ、いずれにせよ、これは、それぞれの質問に対応してお答えをしてきた数字ということで、家計調査をその場合は用いたのでございますが、総額においては、先ほど申し上げましたように一兆円で間違いないだろうと、こう考えているわけでございます。
○小池晃君 これは、今のは開き直り、ひどいですよ、はっきり言って。だって、機械的な試算だと言ったかもしれないけれども、実態とはこんなに違いますよなんてことは一切メンションしてないですよ。これが負担増だってやってきたじゃないですか。責任認めてくださいよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは機械的に、まさに機械的に計算したものであるということはお伝えをしている、答弁でそう申し上げているわけでございます。言わば九千ですから、約九千のサンプルからこれ全体を見ていったものと、まさにその中において、これは機械的にお示しをしていたわけでございます。
他方、一兆円というものにつきましては、先ほど申し上げましたように、これは言わば実数として、この八%のときの実績から考えてお答えをしているわけでございます。
○小池晃君 私は、こういうことを言われたら、政府の答弁とか統計とかって信用しないでくれということになると思いますよ、国会でのね。
それから、ちょっと混乱しちゃったけど、一人当たりの負担増は一万四千円程度と答弁していたのは、じゃ、幾らになるんですか。ちょっと整理して答えてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 一万四千円と申し上げていたものが二万七千円ということになるんだと存じます。
○小池晃君 だから、結局、もう全部二倍、二倍、あるいは二倍近いということなんですね。本当にこれひどい話だと思いますよ。こんな形で国会に説明してきて、それでもう採決だなどということをやっていいのだろうかというふうに思いますよ。
それから、一兆円は間違いないんだと言うけれども、逆に、ちょっとまた疑問になってきたのは、内閣府の国民経済計算で家計最終消費支出の項を見ると、平成二十六年、食料・非アルコール飲料は四十兆六千七百十億円なんですね。財務大臣、聞いていてください。四十兆円なんですよ、財務大臣。これだと二%で八千億円ですね。これまた一兆円と合わないじゃないですか。これはどう説明されるのか。
○委員長(岸宏一君) 小池さん、もう一回ちょっと、じゃ、財務大臣、今ちょっとあれだったから、もう一回やってください。
(発言する者あり)
じゃ、速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の御質問ですけれども、これは多分、内閣府と財務省との統計の取り方が違っているとしかお答えのしようがありませんですね、今の段階では。
○小池晃君 どうなっているんですか。だって、これGDPの基礎でしょう。じゃ、国民経済計算も実態に合っていないんですか。
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○国務大臣(麻生太郎君) 財務省の場合は、これは税収から逆算をしてこういった形で申し上げてきているんだと思いますが、内閣府の場合は様々なものを統計から逆算をして推計して形を作ってきておりますので、前提条件がかなり差があるから結果としてこういう形になってきているのかなと、今の段階ではそれしか申し上げようがありません。
○小池晃君 こんなの駄目ですよ。だって、同じ政府ですよ。同じ政府の内閣府の数字と財務省の数字がこう来たら一緒にならないって、こんな政府で、あり得ますか。これは説明になってない。
(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○国務大臣(麻生太郎君) 小池先生の話の、今御質問なので、いろいろ御疑問を持たれているんだと思いますけれども、いわゆる国民経済計算から我々が出してきた推計とか、我々、予算によって若しくは税収によって出てきた額から逆算したものとでは、我々、税収から取ってきたものの方が、基本的には一兆と申し上げておりますけれども、この方が基本的には正しい、常に正しいものなのだと私どもはそう思ってこれまでもやってきておるのは御存じのとおりであります。
今言われましたような、いろいろな、国民経済白書からの推計とかいわゆる家計調査からの推計というものとの間に差が出てきているということだと思いますが、我々は実入りで、入ってきた税収から逆算をして申し上げてきておりますので、我々の申し上げている数字の方がきちんと合っているんだと、そうだと私どもはそう思っております。
○小池晃君 GDPの基礎になる数字が、じゃ、正しくないとおっしゃっていることになりますよ。
それでいいんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 我々はGDPを直接やっているわけではありませんけれども、いわゆる内閣府でやっておられるGDPの計算というものは、それはGDPの計算というものに対して我々が直接それを計算しているわけではありませんが、私どもはこのことに関しましては少なくとも税収から見積もって逆算をしておると思っておりますので、私たちのは実質の数字でございますので、私たちの数字の方がきちんとしておると、そう思っております。
○小池晃君 軽減税率本当に、一兆円なのか、一兆円が家計に届くのか、私、本当に疑問になってきますよ、これ。これ、やっぱり重大問題だというふうに思う。
それから、総理は昨日、来年四月の一〇%引上げは、引き上げられる環境をつくっていくと言いました。
じゃ、今はその環境にないということですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この引上げが行われるのは来年のことであります。ですから、今年はまだ、言わば、例えば我々政権を取って四年目に入るわけでありますが、一年目、二年目、三年目と賃上げが実現をしました。特に二年間は高い水準の賃上げを得ることが、賃上げを実現することができました。
そしてまた、今年四月に賃上げをして、来年また更に四月にしっかりと賃金が上がっていくという環境をつくるという意味において環境をつくっていくということを申し上げたわけでありまして、そして同時に、投資が進んでいく、設備投資等が進んでいく状況をつくっていく中において引上げを行っていく。ですから、来年の時点のことと今の時点のことをこれ同じ条件で比較することはできないわけでございます。
○小池晃君 来年どれだけ賃金が上がったら環境できるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、今我々が達成をしているというこの高い水準の賃上げを目指していきたい。
つまり、なぜ今年と来年が比較できないかといえば、それは三年連続と四年連続になっているかどうかということでございまして、三年連続になっているからといって四年連続とは違うわけでありますから、しっかりとそうした環境をつくっていきたいと、こう思っておるところでございます。
○小池晃君 今年の四月も来年の四月も実質賃金が上がらなければ、環境はできないということですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今年の四月は高いこれは水準で賃上げが実現できるのではないかと、こう見込んでおりますが、来年も是非そういう環境をつくっていきたいと考えています。
○小池晃君 リーマン・ショックのような事態と言うけど、これ、分かったようで分からないんですよ。どういう事態なんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済がこれは緊縮をしていく危険が生じると、そういうショックであったと、こういうことではないかと思います。
○小池晃君 それじゃ分からない。具体的にはどういう事態なんですか。今だって株価どんどん下がっていますよ。これは違うんですか、じゃ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この一定の株価の、例えば株価の変動幅ということのみではなくて、まさにこれは世界経済の収縮ということが実際に起こっているかどうかということについて、これは専門的な見地から、これは分析をし判断をしていかなければならないと思っております。
○小池晃君 今言われたことをちょっとよくこれから見守っていきたいと思いますが、私は、今のような情勢、これから今のこの経済情勢でいけば消費税増税するような環境には絶対ならないというふうに思いますよ。しかも、増税の問題、これだけでたらめな数字が出てくる。これではもう議論にならないと。
こんなことを放置したままこの補正予算を採決することだって私は許されないと思うし、これからの議論の中で徹底的にこの問題は追及していくということを予告をしておきたいというふうに思いますので、これで質問を終わります。