「赤旗」2016年1月9日付
日本共産党の小池晃副委員長は7日放送のBS日テレ「深層NEWS」に出演し、自民、公明、民主、おおさか維新の各党議員と「2016年 日本の政治展望」をテーマに討論しました。
番組の中で小池氏は、安倍晋三首相が改憲テーマとして狙う「緊急事態条項」の新設について「重大事態だ」と強調。自民党の「改憲草案」では、緊急事態になった場合、基本的人権の制約や地方自治体に対する指示、法律と同一の効力を有する政令の制定ができるとしていることを挙げ、「その中身は『戒厳令』であり、人権制約になる。これは民主主義の根幹をひっくり返すことになる。絶対に許すわけにはいかない」と指摘しました。
自民党の武見敬三参院議員は、改憲は「参院選の争点の一つだ」と明言。「自民党は従来から、公約で憲法改正を訴えてきた。この点は一貫している」と述べました。
日韓両政府の「慰安婦」合意がテーマになりました。
小池氏は、今回の合意で、日本政府が当時の軍の関与を認め、責任を痛感していることを表明し、安倍首相も心からおわびと反省の気持ちを表明するとしたことを指摘。「問題を解決していく上で前進になる」と述べました。
その上で、「両政府が合意をした以上は、この努力を実らせる責任が与党にはある。『今まで通りの主張をする』といった稲田朋美自民党政調会長の発言のように、蒸し返してはいけない」とクギをさしました。武見氏も、「合意した内容を(日韓双方が)互いに責任をもってやるのが当然だ」と発言しました。
安倍政権が2016年度予算案に盛り込んだ低年金者への3万円給付金について小池氏は、「一回限りの給付であり、消費税率10%への増税は延々と続く。低所得者対策というなら消費税増税そのものを見直すべきだ」と批判しました。おおさか維新の会の片山虎之助参院議員も「あまり筋のよくない政策であり、参院選対策と疑われる可能性もある」と指摘しました。