「赤旗」2015年12月27日付
（写真）小池晃さん |
日本共産党の小池晃副委員長は２６日放送のラジオ日本「清水勝利のこれでいいのかニッポン!!Ｐａｒｔ２」に出演し、自民党の猪口邦子参院議員、民主党の長妻昭衆院議員と「『安保関連法』（戦争法）、残された課題は？」をテーマに討論しました。４週連続の年末年始企画番組で、今回はその第１回です。
戦争法について、猪口氏は「現行憲法内の法制であり、限定的な集団的自衛権を法的整備したことは日本の格別の努力だった」と憲法解釈の変更を自賛しました。それに対し小池氏は「圧倒的多数の憲法学者は“憲法違反”だと判断し、憲法９条のもとで集団的自衛権の行使は認めていない。“限定的”だという線引きや、（集団的自衛権を行使する）事態の判断は時の政権に任されている。さらに特定秘密保護法で必要な情報は政権の判断で流れないため、憲法違反の事態がさらに広がる可能性がある」と反論しました。
長妻氏も「自民党の歴代総理大臣も集団的自衛権は一部であろうが憲法違反と答弁しており、それを急に変えるのは国民の理解は得られない」と指摘しました。
「集団的自衛権は、今の日本に必要か」の問いに対し、小池氏は「集団的自衛権は他国に対する侵略を正当化するときに使われてきた歴史があることを踏まえるべきだ。日本こそ、憲法９条に基づき武力によらない国際紛争の解決を正面から言う資格をもつ国だ。その大切な役割を絶対に壊してはいけない」と強調しました。猪口氏は小池氏の発言に同調しつつも「今回の平和安全法制（戦争法）により日米同盟の信頼性、実効性も高まり、日本の安全が確保される」と美化しました。
長妻氏は「基本的に政府のいう集団的自衛権を行使する事例は、個別的自衛権の範疇（はんちゅう）で対処できる」と述べました。小池氏は戦争法を具体化する動きに触れ、「実際に自衛隊の装備は、空中給油機やヘリ空母など、アメリカとの海外での共同作戦に使い、日本の防衛には直接的に関係ないような装備に多額の支出をしている。安倍政権は５兆円を計上したが、社会保障や暮らしに予算をふりむけるべきだ」と指摘しました。