「赤旗」2015年12月26日付
日本共産党の小池晃政策委員長は25日に国会内で記者会見し、安倍政権が前日、環太平洋連携協定(TPP)によって国内総生産(GDP)が2014年度の524・7兆円から14兆円増えるとした試算を公表したことについて問われ、これを厳しく批判しました。
小池氏は「試算にはびっくりした。キツネにつままれたようだ。同じ安倍内閣が2年前に試算した時には、GDPが3・2兆円増加するといっていたものが4倍以上にもなっている」と指摘。逆に2年前に3兆円減少するとしていた農林水産物の生産額は1300億~2100億円の減少となっていることを挙げ、「この試算を見せられると、この内閣が計算するものは信用しないでくれと言われているように感じる」と述べました。
小池氏は、東大大学院の鈴木宣弘教授の独自試算では、GDPはほとんど増えず、農林水産物では1兆円超の被害、自動車分野もマイナスになるとしていることも示し、「政府の試算には道理がない。同じ政府が試算してなんでこんなに変わるのか、国会でしっかり追及したい」と表明しました。
また小池氏は、来年度農業予算案で土地改良事業対策が大幅増になっていることについて問われ、「ガット・ウルグアイラウンドのときも対策費と称して農業土木予算を積み上げたが、食料自給率はどんどん下がっていった」と指摘。「輸入自由化路線を進めながらお金をばらまいても、日本の農業は衰退の道をたどるだけだというのがかつての教訓だ。TPPは『大筋合意』したというが、その内容も明らかにされていない。それなのに国内向けに『対策費』なるものを計上するのは、民主主義の点からみても二重三重に問題だ」と批判しました。