「赤旗」2015年12月17日付
日本共産党国会議員団でつくる「障害者の全面参加と平等推進委員会」(小池晃会長・副委員長、参院議員)は16日、国会内で、22の患者・障害者団体47人と懇談。17団体・20人が発言しました。
政府は来年の通常国会に、障害者総合支援法改定法案を提出する予定。同年2月には障害者権利条約批准による政府報告書を提出しなければなりません。同年4月からは障害者差別解消法が施行されます。
小池氏はあいさつで、「安倍政権になってからの3年間は社会保障削減で患者・障害者にとって受難だった。来年は重要な1年になる」と指摘。同政権の社会保障施策をめぐる動きにふれ、「障害者権利条約をないがしろにするような施策の逆戻りは許されない。力を合わせて障害者・難病施策をすすめていこう」と述べました。
多くの障害者団体は、厚生労働省の審議会が総合支援法改定に向けて取りまとめた報告書について、政府が2010年1月からすすめた障害者制度改革の方向性と逆行している懸念を訴えました。
「きょうされん」は、利用者負担増と、障害福祉制度と介護保険制度の統合に道筋をつけたことに警鐘を鳴らしました。障全協は、障害者が65歳になると介護保険に移行させられ利用者負担増になると話しました。「障害者の生活保障を要求する連絡会議」は、障害者手帳のない軽度難聴者や知的障害者、現在対象外の慢性疾患患者らも支援の認定は受けられるようにと求めました。
患者団体からは、今年1月から施行の難病法について「同法施行で新たに対象疾病となったが、重症な患者でなければ対象にならずハードルが高すぎる」(胆道閉鎖症の子どもを守る会)、「新たな患者負担の仕組みで高額な治療費が負担できず重症化が懸念される」(多発性硬化症友の会)など問題点があげられました。
日本障害者協議会は、国連・障害者権利委員会に提出する政府リポートが、製作過程で障害者の参加が不十分な上、政府が行った法整備にはふれるものの、それによる共生社会実現のすすみ具合については述べていないと批判しました。
同委員会会長代理の高橋千鶴子衆院議員が閉会あいさつしました。