日本共産党の小池晃議員は15日の参院厚生労働委員会で、難病対策の新法案について質問し、患者数や重症度によって支援に格差をつけて患者を切り捨てるべきではないと主張しました。
小池氏はまず、法案第1条が難病の要件とする「希少性」と、厚労省が医療費を助成する指定難病の要件とする「人口の0・1%程度」が、別の概念であることを確認。田村憲久厚労相は「難病の定義に希少性が入っているが、数を限定しているわけではない」と答弁しました。
小池氏は、「なぜ難病の定義に希少性を持ち込むのか」と重ねて追及。線維筋痛症友の会の橋本裕子代表が「数は多くても難病は難病」と福祉その他の支援からの除外を批判していることや、患者数が人口の0・1%前後になるパーキンソン病や潰瘍性大腸炎の患者が医療費助成の打ち切りを懸念していると指摘しました。
また、医療費助成の重症者への限定についても、「軽症だからと助成対象から外せば、受診抑制で再び重症化したり、再び社会参加できなくなる恐れがある」と訴えました。
14日に行われた同委員会の参考人質疑では、難病対策や小児慢性疾患対策について患者団体や支援団体の代表が意見陳述しました。
日本難病・疾病団体協議会の伊藤たてお代表理事は新法による対象疾患の拡大を高く評価した上で、実施にあたっての課題として、他制度や行政各機関との連携▽地域格差なく取り組まれるか▽低所得者への配慮―などをあげました。
小池氏が患者負担について尋ねると、伊藤氏は「日夜たたかう患者さんに自己負担を求めるのはいかがなものか」と応じました。
難病のこども支援全国ネットワークの福島慎吾常務理事は「低所得者の負担への配慮や、長期入院などでの食事療養費の軽減は今後も検討してほしい」と訴えました。