「赤旗」2015年11月12日付
日本共産党の小池晃副委員長は11日、東京都内で、東京外国語大学大学院教授(国際関係論)の伊勢崎賢治氏と「国民連合政府」提案について懇談しました。
国連の武装解除・紛争処理を現場で担っていた伊勢崎氏は、戦争法にかかわる自衛隊のPKO(国連平和維持活動)派兵について「PKO活動自体が交戦権を持つことになる現場に、交戦権を否認している国の軍隊(日本の自衛隊)を派兵することは、正気の沙汰ではない。本来、今の時点でも(PKO派遣中の)自衛隊は全員日本に戻ってこなければならない」と指摘。「私自身海外にいたころ、憲法9条に守られてきたと実感した。これ以上憲法を踏みにじらないでと政府に言いたい」と話しました。
伊勢崎氏は戦争法について「国防としては致命的で、確実に国家にリスクをもたらす。米軍への兵站(へいたん)活動は、一体の軍事活動と見なされる。日本がテロに狙われる口実を自らつくっているようなもの。日本は紛争地帯で軍事的プレゼンス(存在)を、現地の人々に決して見せてはならない」と述べました。
小池氏は「憲法をこれだけないがしろにした政治はかつてなかった。自衛隊のなかでも、疑問や不安が広がっているのではないか。南スーダンPKOでの武器使用拡大は、来年にも行われる危険がある。戦争法がもたらす現実的な危険性をこれからも訴えていく」と話しました。
伊勢崎氏は「共産党には全面的に信頼を置いている。全然ブレがありませんから。もちろん『国民連合政府』提案にも協力します」と賛意を表明しました。
小池氏は「国民的な世論と運動で安倍政権を打倒することができれば、日本の社会にとって巨大な前進となる」と語り、意気投合しました。