「赤旗」2015年9月19日付
自民党の江島潔議員は18日未明の参院本会議で、中谷元・防衛相問責決議案に対する討論のなかで、日本共産党が防衛省の内部資料を入手して国会で明らかにしたことをとりあげ「中谷大臣は手にいれた側に違法行為がなかったのか、しっかり調査せよ。開示した議員はどのように入手したか説明責任を果たせ」などと暴言をはきました。
これに対し日本共産党の仁比聡平議員(議院運営委員会理事)が壇上に駆け上がり、自民党理事に猛抗議しました。15分間にわたり議事が止まり、結局、山崎正昭議長が「対応する」として引き取りました。
日本共産党の小池晃副委員長は同日朝に会見し、「日本共産党の政治活動に対する重大な誹謗(ひぼう)中傷であるとともに、国会議員の活動を封殺する許しがたい発言だ」と批判。謝罪と発言の撤回を強く求めました。
江島氏の発言は、自民、公明両党を代表して行った討論でのものであり、小池氏は「私的な発言ではない。政党を代表しての討論だ」と述べ、自民党として公式に対応するよう求めました。
日本共産党が明らかにしたのは海上幕僚監部の資料、統合幕僚監部の資料、統合幕僚長の訪米会談記録です。
小池氏は会見で、統幕資料などは公文書であり、防衛省も存在を認めて国会に提出したことを紹介し、「当然、国会と国民に対して開示すべきものであり、江島氏が『違法行為』という言葉まで使って政府に調査を求めたのは極めて重大だ」と指摘。「国会の質問権の封殺、政治活動に対する弾圧であり、戦前の『特高警察』なみのものだ」と強調し、「政府が検討しているものをつかんで追及することは、行政のチェック役としての国会議員の基本的な役割だ。(江島氏の発言は)国会議員の存在を自ら否定するものだ」と批判しました。